大坂冬の陣が終わり、大坂城の濠を埋めることで大坂方の野心を消してしまおうとした徳川勢。

が、以前、和睦のときに要求した『浪人たちを放免する』は守られるどころか、益々大坂城に終結し。

食いぶち目当ての浪人ならまだしも、戦を求める武士達も多くいることが、問題で

最後通告として、茶々の妹『』と『』が使者にたつことに。

その前に。

家康は彼女たちの口から、茶々の本心であろうこと、をきかされます。

『茶々にとって、かつて家康は憧れの君』

だったと。

憧れが強かった分、北ノ庄城の戦の時に家康が救援に来てくれなかったことで、憧れが憎悪に変わったと。

…………。

私はですね。本音をいうと。

『茶々って、彼女って…。少女の頃の恋を拗らせちゃったまま、大人になって、母になって、天下を騒がせちゃっているの…?!』

と、ちょっと『スン…( ・_ゝ・)』と気持ちが下がっちゃったのですが…。(そんな裏設定を出すなら出すで、もっとズッーッと前、それこそ茶々の少女時代の時からそこはかとな~~く匂わせるようなシーンがあったら良かったのに))

でも、その盛り下がっちゃった気持ちを、北川景子さんの演技力が、また盛り上げてくれました!!

久々に会う末の妹、敵味方に別れてしまった彼女と対面した時の、微妙な空気。

自分に向かって、子供の頃のように笑ってくれた妹に動揺する表情。

家康からの手紙を、最初は鼻で笑いながらも段々涙をこらえながら読む茶々。

母が自分を生かしてくれたことを思いだし、秀頼の未来を奪ってはいけないと、憑き物が落ちたような表情になる彼女。

柱の傷を愛おしそうに眺める母の顔。

そして。

最終的に滅びへ向かう道を選んだ秀頼に、『よくぞ申した』と覚悟を決めたように、艶然と笑う戦国の女の顔。

なんて、色々な表情を魅せてくれる女優さんなのか。

秀頼を、こんな化け物に育て上げてしまったのは自分。

ならば、共に滅ぶしかない。

戦国の業火に自身をさらすかのように、家康かからの手紙を火にくべた茶々。

ここまで業が深い茶々は、今までいなかったかもしれない……。


秀頼。

自分の本心のつもりで家臣たちに語った言葉は、そのまま幼い茶々が憧れた、虚構の家康の姿で。

『余は豊臣秀頼なのだ』

かつて千姫に語った言葉。

あの時は、弱々しい諦めたような言い方だった。

今回は覚醒して、初めて自分の気持ちを発したようだけれど、結局『豊臣秀頼』からは逃れられなかった。

そりゃ、彼が生まれ落ちたその日から、茶々がそうなるように育て上げてしまったのだもの。

他のことは考えもつかないよね…。

なんて哀れなんだろう…。

信長の血、秀吉の血、お市の血、母の呪い、その全てを受けて、最後の戦国の亡霊には、彼自身がなってしまった。


千姫

徳川に大砲を撃ち込まれ、茶々に助けられ、『徳川の姫』ではなく『豊臣の妻』になってしまった彼女。

それを象徴するかのように、打ち掛けまで『徳川風』から『豊臣風』の豪奢な物に変わっていました。

かつて皆に言った

『豊臣のために励んでおくれ』

の時は迷いがありありとみえていたけれど

『徳川を倒しましょう!』

はそんなことは微塵もなく。

両家の架け橋になることができないなら、夫と共に行こう。

彼女のみならず、他家に嫁いだ姫は、こんな覚悟をしてる人も多かったんだろうな…。(夫婦中が悪いとどうなのか…)

戦国のならいとはいえ、対面で愛娘に絶縁を突きつけられた江は、なんとかわいそうなことか。


今回も、なかなかにしたたかな初ちゃんや、しゃべらないけれど、存在感抜群の大蔵卿の局とか(大竹しのぶさん!!なんて贅沢な使い方)

でてきて、『どう家』は女性たちのドラマでもあるんだよなぁと。

(和睦の席がお菓子🍡だらけだったw)

そして裏の主役はお市&茶々母娘。

来週はいよいよ最終回。

老体にムチ打ち、秀頼を筆頭とする戦いを求める戦国の男たちの魂を引き連れて、滅ぶ覚悟を決めた家康。

彼の涯ては…?

懐かしい方々の声も聞こえましたが、どんな最終回になるのかな…。