後白河法皇と頼朝を彷彿とさせる、後鳥羽上皇と実朝の夢での逢瀬(←違う)ではじまった今回。

 

親友の和田殿が殺されたことにより、鎌倉殿として覚醒してしまった実朝。

朝廷を後ろ楯とし、自分で政をしようと泰時をプレーンに据えて張り切りますが、経験不足とお坊っちゃん気質のため、なかなかうまく行きません。

そんな折、宋からとっても怪しげな僧侶がきて、実朝と、スピリチュアルっぽい話で盛り上がります。(まあ、平安時代だからね)

盛り上がりついでに、僧侶=陳和卿にこれから、鎌倉殿として自分は何をしたら良いか尋ねる実朝。

彼の答は『宋の国まで行ける大きな船をつくれ』でした…。

 

実朝。

上皇様に夢の中で鼻を『ピンっ』とされたり、ウルトラマンみたいに去っていく上皇様を見送ったり。

今回どうなることか、と思ったら、胡散臭い坊さんの言にしたがって、船をつくりはじめちゃった。

ゆくゆくは、自分自身も出来上がった船にのり、宋にわたり、そこの山に登りお参りをし、お釈迦様の骨もいただいて帰り、と功徳を詰んで、鎌倉殿に相応しい人物になる!!

(泰時も一緒に来てね!と言った時、私、千世ちゃん~( ´;゚;∀;゚;)と、ハラハラしてしまいましたが、その後、千世ちゃんにも、愛情深く『その時はそなたも一緒に』と言ってくれて『うわあぁぁぁ!!(*≧∀≦)💞』と安心しました。なんやかんや言っても、この二人、ラブラブ(死語でしょうか??)だよねぇ(*´艸`*))

夢は限りなく広がり、生き生きしていた彼ですが、義時に(こっそり)船の図面に細工され(やったのは時房だけど)、出来上がった船は、重さで海水まで引いていくことができず(チョコッと細工しただけで、あんなにめり込むものなのかい?いや。史実だけど)、そのまま、打ち捨てられ、朽ち果てていくことになりました。

夢破れ、シオシオに落ち込んでしまった実朝(しょぼーんとしている表情も、なんと可愛い)

しかし、今度は政子のアドバイスを得て、義時の想像の外のことを言い出します。

『私は養子をとることにした。私自身は隠居し、養子=新しい鎌倉殿をお支えし、政を行おうと思う』

その養子とは、頼家の忘れ形見、公暁…ではなく、皇族から迎えることに。

再び、目に力を宿した実朝。

ますます、義時との溝は深まっていくわけですが。

今回の実朝の人物の描きかたって、珍しいのかな?と思います。

私が読んだ(といっても、数えるほどですが

)、この時代辺りの小説では、実朝ってとても弱々しい、そして、その弱さゆえ和歌に逃げている世捨て人みたいな人ばかりなんですよ。

でも、『鎌倉殿』の実朝は常に前向きですよね。

ホワホワして軟弱そうだけれど、芯は1本通っている、というか。

政子から助言は受けつつも、ちゃんと自分も考えて『鎌倉から争いを無くそう』と頑張っている。

 

義時。

どんどん顔つきが怖くなっていく義時。

特に目ですかね。

ギロっと睨み、圧をかけていく迫力。

もし、船を造る計画が、上皇様の策略ではなく、実朝自身が考えたものだったら、彼は納得したのでしょうか…。

今回の義時は隙があるところが1ミリもなかったですね。

のえさんと、(二階堂殿と)晩酌をしているときですら、油断をしていない。

そして、船を海に浮かべようとしたとき。

実際に細工をした時房は、少しキョドって目が泳いでいたのに、義時は全く表情を崩さない

唯一、少し素が出てたのは、執権になった際、平六にからかわれ、着物の紐をつかまれたときぐらいか。

 

政子。

ついに義時と対立しましたね。

彼女は権勢欲よりも、北条家よりも、何よりも、実朝自身の味方で。

最初の方では少し心が揺れていたようですが、丹後局様(相変わらずお美しい)の喝!と、大江殿の励まし(なんとなく、昼メロを見ているように感じたのは私だけ?)により、ついに、腹が据わりきったのか、北条の毒牙からたった一人生き残った我が子を守るためには、この方法しかない!という一手を打ってきました。

散々、聖徳太子が、物語のなかに出てきたけれど、聖徳太子が自分が天皇にならず、推古女帝の補佐をすることにより、他の豪族を黙らせた手腕と、今回の政子の作が、ダブるわけですが、この決意も、後々のことに絡んでくるかもしれない、と思うと…(;ω;`*)

 

今回、振りきっている生き霊の上皇様とか、生き生きからのショボーン(o´・ω・`o)実朝や、怖い小四郎や、ラストセクシー八田殿や、三善殿のぎっくり腰(からの投げ飛ばされ)負けじともろ肌脱ぎの平六とか、シリアスで悲しいシーンのはずなのに、なぜか筋肉祭だし、肚がすわった政子とかも出現で、視聴者も感情がワケわからなくなる回でしたがここだけは、視聴者の皆々様、皆ほっこりしたと思います

時政パッパの再登場。

自分は行くことができないけれど、泰時を行かせたことに、義時の優しさを感じてしまったわけですが。

パッパぁ!

脚も悪くなって、りくさんが京に帰っちゃったけど、本当に気立ての良い娘さん(磯山さやかさん!)が側で世話を焼いてくれて、良かったぁ(ToT)

パパの余生は穏やかで幸せそうで、嬉しいし、ほっこりしました。

次回の予告を見ると、義時は『できる訳無いだろう!!』とブチギレていたし、平六は何か企んでいたし、公暁は帰ってきて『鎌倉殿になる!』と言っていたし、本当に誰が黒幕だか、ここまで来ても『?』ですね。

でも、その『時』が、刻一刻と、迫っているかと思うと、先は見たいけれど切ないです。