待てど暮らせど君は来ず
私はうたた寝 暇つぶし

今は何処にいて
何時の人間なのか

君には分かるまい
君には分からないんだ

私の名前も
孤独の帰り道も
お日様と土の匂いも
最後の恋の行方も


ある神様は言いました。「夜があるのは人と人とが哀しみを分け合う為だよ」

女の子は言いました。「哀しみを分け合うの?」

神様は言いました。「それが幸福に繋がるんだよ」

女の子は言いました。「でも、それは100%ではないわ。どんなに幸せでも他人の不幸を一緒に哀しまなければならないなら一生幸福にはたどり着けないと思うの」

神様は悲しい顔で、「君は悲しい人間だ」

女の子は「私はそんな世界はいらない。哀しみを分かち合う事は出来る。でもその哀しみはその人だけのものであって、分け合う事は決して出来ないのよ」

神様は口ごもりました。

女の子は言いました。「それでも私は夜が好きよ」

女の子は言いました。「こうしてあなたと出会えたからね」


とどのつまり、私の人生は平凡なもので、決して誰かの何者にもなれず、したいとも思えず、ただただ身を任せるばかりで発展しない。
誰かを困らせる様な事はしないけど、裏を返せば得をしない性格でいつも日陰役。あなたいい人だよねって言われたい訳ではない。いや言われたい。どうせなら言われたい。そうやって人にとって必要な人間でありたい。どんなに頑張ったって日陰役は日陰役、キーパーソンにはなれないのだから。
たまに人が恨めしくなる。才能、それと努力。雑踏を歩く身知らぬ人々だって私に足りないものをたくさん持っている。私には何もない。価値も財産も、最近ではそこら辺の石ころと変わりが無い様に思える。目指していたものは趣味の範疇に過ぎず、誰かと張り合う事すら許されなかった私はこれから一体何を頑張れば良いと言うのだろうか。向かっても向かっても際限なく続く、良くもなく悪くもないこのぬるま湯のような世界をひたすら歩き続けなくてはならないのだろうか。

ならば私はこの命を絶とう。選ばれなかった人間は、遅かれ早かれ、誰に哀しまれる事もなくこの世から排除される運命にあるのだ。その手を汚さず、神は美しい世界を築いていく。きっとここはそういう世界。どうしてこんな世界に生まれてしまったのだろうかーーー。


「香代子!」
ヘッドフォンが勢いよく外されて私はハッとした。後ろを振り返ってみると現実の象徴がそこに仁王立ちしているのであった。
「あんたはいつもいつもパソコンばかり!お願いだから部屋に閉じこもってないで早く社会に出てちょうだい!」

…それでも私は一人じゃない。