とどのつまり、私の人生は平凡なもので、決して誰かの何者にもなれず、したいとも思えず、ただただ身を任せるばかりで発展しない。
誰かを困らせる様な事はしないけど、裏を返せば得をしない性格でいつも日陰役。あなたいい人だよねって言われたい訳ではない。いや言われたい。どうせなら言われたい。そうやって人にとって必要な人間でありたい。どんなに頑張ったって日陰役は日陰役、キーパーソンにはなれないのだから。
たまに人が恨めしくなる。才能、それと努力。雑踏を歩く身知らぬ人々だって私に足りないものをたくさん持っている。私には何もない。価値も財産も、最近ではそこら辺の石ころと変わりが無い様に思える。目指していたものは趣味の範疇に過ぎず、誰かと張り合う事すら許されなかった私はこれから一体何を頑張れば良いと言うのだろうか。向かっても向かっても際限なく続く、良くもなく悪くもないこのぬるま湯のような世界をひたすら歩き続けなくてはならないのだろうか。
ならば私はこの命を絶とう。選ばれなかった人間は、遅かれ早かれ、誰に哀しまれる事もなくこの世から排除される運命にあるのだ。その手を汚さず、神は美しい世界を築いていく。きっとここはそういう世界。どうしてこんな世界に生まれてしまったのだろうかーーー。
「香代子!」
ヘッドフォンが勢いよく外されて私はハッとした。後ろを振り返ってみると現実の象徴がそこに仁王立ちしているのであった。
「あんたはいつもいつもパソコンばかり!お願いだから部屋に閉じこもってないで早く社会に出てちょうだい!」
…それでも私は一人じゃない。