すでに音源は聞いてすごく気に入っていたのですが、イコラブ9thシングル「ウィークエンドシトロン」c/w「祝祭」のMVが8/26夜9時に公開されました。

まず、大場花菜さん、初センター曲おめでとうございます。野口衣織さんとのWセンター、ティンターパン・コンビ(*)のセンター曲です。

 

作詞:指原莉乃/作曲・編曲:重永亮介/Sound Director:矢山貴之(Sony Music)

  [MUSIC VIDEO] 監督:佐伯雄一郎/振付:CRE8BOY/Producer:三池智之(north river)

 

すばらしいMVで、大満足です。佐伯監督は7th c/w「君と私の歌」のMV監督さんですね。「夏祭り恋慕う」と同じく横長のシネスコサイズ画面です。

さなつんが「芸術...」と言ってますね。

 

 

花菜ちゃんと衣織さんの声質のバランス、二人とも低めの音域なのも、この世界にピッタリです。

作編曲の重永亮介さんはAKBの「100メートルコンビニ」「スマイル神隠し」「君のC/W」などで知っていますが、藍井エイルさんの表題曲やClariS、ジャニーズ等々、多様なアーティストに曲を提供されています。

 

大きなテーブルで「青ひげ」の女性版ともいえる女主人(あるいはお姫様)が豪華なディナーを食べている情景を曲から思い浮かべていたのですが、MVはまさにそんなコワい童話の感じ。配役もいいです。

 

 

センターの二人は男装タキシードの執事、二人が扉を開いて客人を迎え入れ、

召使いのみりにゃと舞香、料理人のしょこと杏ちゃんが迎えます。

 

 

 

ゲストの客人が3人の貴婦人(沙夏、瞳、莉沙)で、女主人が2人(なぎさと樹愛羅の姉妹?)のようで、客人は全員殺されてしまうのか、あのぴんくえんじぇるが悪巧みの首謀者で使用人が共犯なのか、とかストーリーを想像するとすごく面白い設定です。なんだか裏で執事の衣織さんが操ってそうですが...。

 

 

楽曲を聴いた時からシアトリカルでドラマチック、冒頭で幕が開くような劇場感、ドラマ的情景や役柄を「演じる」感じがあり、中世のお城のような大掛かりな舞台、ゴシック・ホラー感から、こんな世界(コッポラの「ドラキュラ」予告編)か、もっとポップなものを予想していました。

 

そんな期待を裏切らない、手のかかった、きちんとドラマが設定された本気のMVになっています。とてもカップリングMVとは思えない力作です。

 

屋外の夜のダンスシーンは「白鳥の湖」を思わせます。そういえばベラ・ルゴシ主演の映画「魔人ドラキュラ」(1931)でも「白鳥の湖」が使われていました。

 

音楽ナタリーのインタビューで、センターを伝えられたとき(広島公演の後)のことなどを花菜ちゃんが語っています。

https://natalie.mu/music/pp/equallove11/page/2

 

衣織さんはインタビューの終わりの方で、「花菜ちゃんが真面目で冷静な執事だとしたら、私はちょっとヘラヘラした狂気じみた執事なんですよ。花菜ちゃんは客を招く役で、私は殺める役。それが快楽になっていっちゃう人という設定を思い描きました」と語っています。コワいですね。また「手遅れ」のあの目が見れそうです。

 

 

これまでイコラブでシアトリカルな曲というと「CAMEO」「拝啓貴方様」「手遅れcaution」が思い浮かびますが、どうも私はMVを含めその手の楽曲に共振してしまうようです。映画も演劇も好きですからね。よりミュージカル的な「ようこそ!イコラブ沼」やヘヴィメタ的な「いらツイ」もそういう系統に入るかもしれません。

そのなかでも「祝祭」はさらに斬新な一作で、MVの完成度も高いと思います。

 

(料理人しょこちゃん、絵画のような横顔)

 

(*)ティンターパンとは、ティンカーベルとピーターパンを合わせた造語で、ふた月違いで同い年の花菜ちゃんと衣織さん(学年は衣織が一つ下)のイコラブ初期からのコンビ名。最近目立ちませんがこの二人は(お互い真逆の性格と言いながら)かなり親しい間柄です。

こちらの9:50-からの二人のトークでもその関係性を伺うことができます。

 

 

(追記)指原PがMV公開直後に、こういうtweetをしました。

 

AKBグループに疎い方にはわかりにくい喩えかもしれませんが、AKBGでは各グループごとに専用劇場(300人規模)を持っていてほぼ毎日チームごとに劇場公演を行っていました(コロナ禍では客数も上演回数も大幅減)。

16人のチームメンバーが、前半曲(全員)<自己紹介MC>ユニット曲(5曲ぐらい、ソロやデュエットもあり)<ユニット明けMC>中盤曲(全員)<前半・後半MC>(衣装替え)本編最終曲、アンコール(全員)という構成のレビュー形式の演目(秋元康作詞・構成)を公演しています。

中盤曲は、公演後半の重要なブロックで、ダンス曲や大人っぽい曲、際どい内容の曲(中学生メンバー歌唱NG曲もあり)、表現力の必要な曲がよくあります。