しばらく前から書こうと思っていたことに、イコノイ界隈の「ファンダム」「ファンコミュニティ」に関することがあります。

 

 

イコラブ界隈では、非常に早い時期(デビュー1年後ぐらい)に 「イコラブは生歌だ、歌がうまい」などと持ち上げようとする一部ファンに指原Pが「イキるな、謙虚に」(アイドル界には歌のうまいメンバーはいくらでもいる)とたしなめたことがあります。

 

そのせいか、イコラブの良さを(謙虚に)外へ宣伝・拡散しようと努めてきたイコラブのファンコミュニティでは、メンバー間やファン間、他グループとの関係などで目立ったトラブルは見られなかったと思います。

ノイミーは、10代20代の男性ファン比率が高く(いわゆる"ガチ恋"勢)、そのファンがどの界隈から来たかという出自も絡んで、イコラブとは違った気質が感じられることもありました。

 

イコラブとノイミーは、同じプロデューサー、同じ所属事務所の姉妹グループであり、成り立ちとしてはイコラブの二期生募集を(おそらくレーベル側から)提案された時に、それを回避するために指原Pがひねり出した答えが姉妹グループの結成であり、やや特殊な成り立ちですがそのこと自体をプロデューサーが公表しているので、メンバーもファンも共有している事実です。

ノイミーのメンバーはイコラブ二期生の可能性もあった人たちであり、イコラブメンバーもファンも当初はイコラブとノイミーはもっと近い関係で活動するものと思っていました。しかし実際には、合同のレッスンなどないので、「24girls」(のちのイコノイジョイフェス)のリハ期間などを別にして、イコラブとノイミーが一緒に行動することは予想以上になかったように思います。

メンバー間の交流は、リーダー同士の定期的な会合のほか、ときたまSNSを通じて、あるいは合同冠番組「イコノイ、どーですか?」でちょっとしたリアクションで目にする程度しかわかりません。

(23/4追記)その後、イコノイフェス2021、イコノイジョイ2022といった屋外合同フェスやイコノイジョイ大運動会といった大規模合同イベントがあり、2023年1月からはイコラブとノイミーのメンバー間のSHOWROOMコラボ配信も可能になった(23/1/3の髙松瞳と落合希来里が最初のコラボ)。尾木波菜となーたんは周知の関係だが、tweetでもイコノイメンバー間の交流はよく見られる(瞳と希来里、舞香と萌子、沙夏とさややん、他にもいろいろ)。23/4からはSHOWROOMで「山本杏奈の『教えて、花便り』」が始まり、毎週各グループから1人のメンバーをゲストにトークやゲーム。初回は蟹沢萌子、2回目が江角怜音だった(イコラブメンバーも随時ゲストに)。

 

そこで、これからイコラブとノイミーはどういう関係を築いていくのがよいのか、プロデューサーや運営の立場もありますが、ファンの立場から一度考えてみたかったのですが、問題が大きくてうまく整理できずにいました。

 

そんなときに、K-POP情報、とくにIZ*ONE情報でときどき見ていたyoutubeチャンネル、くろ局長の「サランピTV」で面白い配信を目にしました。

 

「JO1とINIはライバルではなく仲間!その為にはメンバー交流は不可欠!」(6/16配信)

 

JO1(ジェイオーワン)とINI(アイエヌアイ)の関係について提言しているもので、この2つのグローバル男性アイドルグループは、IZ*ONEを含む多くのヒットグループを生み出してきた韓国の人気オーディション番組の日本版(プロデュース101 JAPAN、いわゆる日プ)でメンバーを選び、吉本興業と韓国のCN ENMが合弁会社LAPONE(ラポネ)エンタテインメントを作ってプロデュースしているものです。

同オーディションから2020年に11人組の「JO1」が生まれ、シングルは全て初日1位(デビューシングルでオリコン初日21.5万枚)、すでにアルバムも発売しました。続いて同オーディションSeason2(いわゆる日プ2)からつい先日11人組のボーイズグループ「INI」が生まれ、年内にデビューシングルが予定されています。

作曲や振付はK-POPの方がメインのようです。 ファンにはK-POPファンとジャニヲタが多いと言われています。

蛇足ですが、JO1のMVを調べると、イコラブでおなじみの三石直和さん(僕クリ、手遅れ、ダイリリ、青サブ、虹の素、Sweetest girl、拝啓 貴方様)がアルバムの2曲(Safety Zone, MONSTAR)のMVを監督していました。

 

上のyoutubeの提言は、今後この2グループ(+α)がどのようにトップを目指していくべきか、メンバー間の関係性やファンの関係性はどうあるべきかを語っていて、(INIはまだ結成直後とノイミーとは活動期間の違いはありますが)かなりイコラブとノイミーの関係に重なる部分もありました。

 

なかでも注目したいのは、

①INIはJO1とは違う新規ファン層を開拓し、作品で差別化していくしかない。そのためにはINIはJO1と「違う魅力」がないといけない。またJO1は改めてコンセプトをはっきりすべきで、INIがいるからこそJO1の色をはっきりして「JO1だからこそできること」を作っていかなければならない。INIはJO1が「できないこと、やらないこと」をはっきりさせて、そこで差別化していくべき(たとえばドラマなど違う仕事を持ってくる等)。

②今後の課題はファミリー売りで、バラエティに両グループからメンバーが出るなどすれば、数字も上がり相乗効果もある。また「ファンが対立しないように」しないといけない。そのためには「メンバーが仲良くないといけない」。JO1がかわいがっているINIとして売っていけばファンも受け入れやすく、両方を応援できる。もっと両グループを交流させ、ボーカルやダンスでユニットを組むなどファンが見てみたいものを見せることで、「ファンの交流や理解度」が高まる。

③JO1とINIが対立関係になってはいけない。年齢もそう変わらずメンバー数も同じ、ファンがCD売り上げなど数字で争うとバチバチになってくる可能性もある。だがそうなると事務所は将来やりたかったことができなくなってくる。そのための「仲間が増えた」と考えるべき。INIもJO1のバーターにどんどん乗っかるべき。JO1がいたから売れたとか言われることもあるかもしれないが、変なプライドとか関係なく、ありがとうございます、お世話になってます、今後ともよろしくお願いします、JAM(JO1のファン)さん、よかったらINIも見てくださいというぐらいの方がINIにはメリットがある。

④いずれはファミリー・コンサート(LAPONEフェス)などあれば最高。ドームも(合同コンサートなら)1年後には可能では。(日プはまだ続くが)次もボーイズグループではますます差別化できないので、ガールズグループ(女子日プ)も必須。重要なのは、既存のJO1ファン=JAMの(事務所や兄弟グループへの)理解になる。

(24/4追記)JO1、INIともに、2023-24にかけてアリーナツアーを行い、両者ともにそのファイナルの追加公演として京セラドーム大阪で2daysの初ドーム公演を行った。

またLAPONE所属グループとして練習生から生まれたDXTEEN, 韓国のZEROBASEONE (日本運営)があり、他に日プから派生したグループにOWV(吉本興業所属)もある。

事務所合同ライブとして"LAPOSTA"を23/5 有明アリーナ、24/1 Kアリーナで開催。

ガールズグループとしては2023/4-12にPRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS(日プ女子)オーディションが行われ11人組の「ME:I」(ミーアイ)が決定。LAPANE GIRLSに所属し24/3に「Click」をデジタルリリース、24/4にデビューシングル「MIRAI」を発売。

 

イコノイではすでに「24girls」(のちイコノイフェス、イコノイジョイフェス、大運動会)という合同コンサートやイベントのコンテンツを持っており、そこで珍しいユニットを組んだりしますし、「イコノイ、どーですか?」という地上波合同冠番組も持っていました。

ノイミーが本格的にメジャーデビューしたことで、イコラブのコンセプトの再検討も必要だったでしょうが、イコラブの内部事情(髙松瞳の休養からの復帰、メンバーの卒業)により楽曲展開を含めその再構築を行ないつつあり、一方ノイミーは爽やかな青春路線から「P.I.C.」でガラッと異なる楽曲・パフォーマンスを見せたのですが、そのさい指原Pが「イコラブにはできないこと」をやっていると明言したことも記憶に新しいところです。

 

気になるのは、イコラブのツアーファイナル(2021,横アリ)のオープニングアクトにノイミーが出ることに異議を唱える一部ノイミーファンがいたといったエピソードです。(よかれと思ってであれ)メンバーが望んでいたり熟慮して決めたことに対して、自分の<こうあってほしい>という思いを押し付けたり、あらぬ対立を生み出してメンバーも困惑するといった事態はいかにも浅慮に思えます。

 

おそらくノイミーメンバー(そして多くのノイミーファン)が思っているのは、記念すべきイコラブ横アリ公演を「ファミリーとしてお祝いし応援したい」という気持ちだったでしょう。それはノイミーの魅力アピール、ファン獲得などノイミーPRの絶好のチャンスにもなったことでしょう。

かつてノイミーちゃんは中野サンプラザでの「=LOVE デビュー2周年記念コンサート」でオープニングアクトとして5曲披露しました(「≠ME」以外はAKB、坂道カバーで)。コロナがなければ日本武道館でもオープニングアクトがあったと思っています。

 

今回はあらかじめ告知されましたが、むしろサプライズの方がよかったぐらいです。私はHKT劇場の通常公演に突然、AKBのトップメンバー渡辺麻友が「前座として」サプライズ登場し、たしか「残念少女」を歌ったときの観客の驚きと熱狂を忘れることができません(DMM配信で見ていたのですが、たしか「恋するフォーチュンクッキー」のMV撮影の折)。また、たかみな(高橋みなみ)が自分の番組の企画でHKTチームKIV(ケーフォー)公演にサプライズ登場し、メンバーと数曲一緒に踊ったことも忘れられません。その日の公演に出たメンバーには忘れられない思い出になっていると思います。

イコラブもノイミーの記念すべきコンサートにサプライズでオープニングアクトに出ておかしくないし、そういう形でファミリー、姉妹グループの交流・つながりがあっていいと思います(昨年のノイミー無観客ライブの時に舞香と衣織がMCで登場したように)。すばらしいオープニングアクトは本編と同じくらい記憶に残りますから。

 

そういうことを避けて、お互い関わり合わずに別々の道を進むという方向には何ひとつメリットがないばかりか、メンバーやファン同士のつながりも失われていきます。そういう方向を望むファンはいないと思いますが、いるとしたらあまりに内向きで視野が狭く、両グループがトップ、てっぺんをとるために何をすべきか考えていない気がします。両グループとそのファンが力を合わせ界隈が盛り上がっていけば、きっと数年内には可能なはずのことでしょうから。

 

(2023追記)

その後、2022年に第3グループ「ニアジョイ」が結成されたことにより、「イコノイジョイ2022」(屋外フェス)や「イコノイジョイ大運動会」のような合同イベントのコンテンツが増え、メンバーのグループ間交流はある程度促進された。

また、本文で触れたJO1とINIは、2022年度のビルボード年間シングル売り上げでINIの「I」5位「M」6位、JO1の「MIDNIGHT SUN」9位「WONDERING」15位と、逆転現象が見られた(KCON等の印象ではJO1のパフォーマンス力が高く見えた)。

ちなみに同年間ランキングでイコラブは「Be Selfish」35位「あの子コンプレックス」36位「The 5th」42位、ノイミー「はにかみショート」50位「す、好きじゃない!」52位「チョコメラ」68位だった。

(23/24追記)

その後ノイミーは7th「想わせぶりっこ」の初週売上で初めてイコラブ(「ナツマトペ」が過去最高)をオリコン、ビルボードともに超える逆転を実現。23年度ビルボード年間シングル売り上げでは「想わせぶりっこ」35位「ナツマトペ」36位「この空がトリガー」38位「天使は何処へ」45位に。

24/5には日テレ主催の番組連動ライブ「=LOVE×LIVE」(ぴあアリーナMM)3公演の一つとしてイコノイジョイの対バン形式ライブが初めて開催され、新たな交流コンテンツに(各グループ6-8曲を披露、ほかにメンバーシャッフルなどスペシャルコラボ)。