2ヶ月ぶりの更新です。

 

怒涛に過ぎ去る時間。

早くも大阪場所が目前です。

 

――

 

(前回までの)

来年の「初場所前」に

昨年の「九州場所」の様子でも振り返ろ…

 

としていた目的(建前)も

あっさりと敗れ、

 

もはや現在では

一昨年前地方場所のアレコレを

なんかよく分らんが書いている…

 

という現状です。

 

リアルタイム感も

季節感も

いつも以上に皆無となりますが

 

「こんな時もあったわね…」

「今は/も〇〇じゃないか…」

 

記憶を思い起こしたり

懐かしんだり。

 

「変わったもの」や

「変わらないもの」を発見したり。

 

自分の中でそんな機会になれば、、、

そう思って、綴っております。

 

 

❀ ❀ ❀

 

 

まずは横綱土俵入りから

 

当場所、白鵬関・鶴竜関は休場。

横綱は稀勢の里関のみの出場でした。

 

この前場所(平成三十年九月場所)では

10勝⚪︎を挙げていましたが、

当場所では初日からの連敗⚫︎を喫していました。

 

その後休場となり

翌初場所にて引退。

 

現在は荒磯親方として

人気留まらずで活躍されておられますね。

 

 

露払いを務めておられたのは

嘉風関。

 

令和元年九月場所にて引退、

現在は中村親方です。

 

あの時。

 

今に繋がるお相撲への関心を

呼び起こしてくださったのは、

他でもない

嘉風関の素晴らしい一番だったよなぁ、、、

写真を眺めながら

感謝の思いが溢れます。

 

 

そして太刀持ちは

輝関。

 

先、先々場所では連続の二桁勝利で

大活躍でした。

 

本日の番付発表では

西前頭六枚目。

 

同じ高田川部屋の竜電関(東前頭五枚目)とも

均衡して、まさしく互いに切磋琢磨です。

 

大阪場所では

白鷹山関も十両復帰で

個人的には嬉しさ、楽しみでいっぱいです。

 

高田川部屋の三関取、益々応援です。

 

 

さて、先導の行司さんはというと、、、

 

木村庄太郎さんでした。

 

当時は

横綱土俵入り先導と

その後の顔触れ言上の担当は

 四名の三役格行司さん

(式守勘太夫(現・四十一代式守伊之助)氏、

木村玉治郎氏、木村容堂氏、木村庄太郎氏)

が交代で務めておられました。

 

❀ ❀ ❀

 

本題へ。

 

横綱土俵入りの先導を終えられた

庄太郎さんは

 

引き続き

顔触れ言上(翌日の幕内取組披露)を

行うため、花道からご登場。

 

手には

取組が書かれた和紙(=顔触れ)

を持っています。

 

この時に使用する扇は

丸められた顔触れの中に

入れられている模様です。

 

はばかりながら、明日(みょうにち)の取組をご披露つかまつります~  」

の口上で始まります。

 

この日

顔触れを行司さんから受け取る

補助役の呼出しさんは

健太さんでした。

 

当時

序列上一番お若い呼出しさんで、

どうやらこの日が顔触れ言上補助の

デビューだった模様…??

違ったらスミマセン。

 

動画を撮っていて

それを見返していると

 

健太さんは

立ったりしゃがんだり…。

土俵に上がるタイミングを図りかねたのか、

手前にいらっしゃった先輩呼出しさんに

アイコンタクトで伺っている感じでした。

 

すると

向正面へスタスタと移動してこられた

先輩呼出しさんのお姿が。

 

そのお方は鶴太郎さん。

 

身振りで健太さんに

タイミングを伝えておられました。

「今、上がれ」という風に。

 

臨機応変に

迅速に

意思疎通をする。

滞りなく着々と進行するように。

 

そんな瞬間を再発見することができました。

 

健太さんも無事に土俵に上がられ

顔触れ言上スタート。

 

○○に△△~、、、 」と

庄太郎さんが取組を読み上げ、

各観客席に向けて提示してゆきます。

 

当代伊之助さんの場合は

正面→東→正面→西

と正面に二度顔触れを向けている様子ですが

 

庄太郎さん(容堂さん、玉治郎さんも)の場合は

東→正面→西

と回されている様です。

 

庄太郎さんの口上や所作は

 

淡淡、さらり。

 

すらすらと流れていくような

流麗さを感じます。

 

タメがあって、

じっくりと進行していく

当代伊之助さんとは

正反対のような…。

 

どちらも

行司さんの個性やお考えが反映されているようで

非常に大好きです。

 

個人的な感覚ですが

一つの取組披露を行うスピードは

庄太郎さんは

伊之助さんの

2/3~半分位に感じます。

 

健太さんは

庄太郎さんから顔触れを受け取ります。

 

行司さんは呼出しさんの前方に立っており、

もちろんお二人が視線を合わせることはありません。

 

手渡しと受け取りは

一瞬の呼吸です。

 

健太さんは

受け取った顔触れを

西→向正面

さらにすべての束に重ねて

東→向正面

へと提示します。

 

一部始終

ぐっと一点を見据えておられました。

 

その懸命さは

こちらにもひしひしと伝わってきて、

心の中で応援した記憶を今でも覚えています。

 

頑張るお若い方の姿は

エネルギーに満ち溢れ、

見ている我々にも

元気と爽快さをもたらしてくれます。

 

立呼出し拓郎さんが

土俵に上がられ

タイミングよく

とざい、とーざい 

と掛け声。

 

その時の↑

少し小首を傾げた柔らかな物腰と

穏やかな表情。

 

一生懸命な健太さんを

後ろからそっと

見守っていらっしゃる様にも見えます。

 

終盤になるほど

長い時間の蹲踞と、上半身の動きが相まって、

キツさが増してくるのかも知れません。

 

健太さんは

時折バランスを崩しつつも踏ん張って、

無事に顔触れの披露を終えられたのでした。

 

 

最後は

庄太郎さんの口上後に

拓郎さんのがはいります。

 

その時。

 

拓郎さんは

土俵に上がりつつ、

 

入れ違いに土俵から下りようとする健太さんに

ちらりと視線を向けられたのでした。

 

一秒にも満たないほんの一瞥。

 

お若い呼出しさんの晴れ舞台。

大役を無事に務めらた

一番下の弟弟子さんへ向けられた

安堵、激励、期待…

そんな様々な想いが込められている様な、

本当に優しい目だと感じました。

 

先程のシーンとも相まって

その瞬間の想いを

今、勝手ながらに想像してしまいます。

 

また

土俵下でずっと控えていらした鶴太郎さんは、

健太さんに手振りで捌ける道筋を伝えた後、

再び自らのお仕事に戻ったのでした。

そんな若い兄弟子さんの

頼りになる姿にも感動です。

 

❀ ❀ ❀

 

流麗に行いを司る姿。

懸命に駆け抜ける姿。

静かに導く心強い姿。

一瞬に滲む温かな姿。

 

様々な顔触れが交差し合う、

 

 

そんな午後4時前のひとときでした。

 

 

 

 

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顔触れ言上、式守伊之助さんVer.はコチラから。