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※2022年の再投稿記事です※
これは今から2年前のお話です。
就学先をどうしようか悩んでいた時、ばったり保育園時代の園長先生にお会いしました。
息子は1才半から3才半まで保育園にお世話になったのですが、退園後も一時帰国の際には必ず家族でご挨拶に伺うなど、お付き合いを続けていました。
息子くんは元気?と聞かれたので、私は流れで就学相談の話をしました。
先生は話を聞くと、驚かれた顔でこうおっしゃいました。
正直私も日本にいた頃は全然気づきませんでした。診断が下りてから、「今振り返ればあれは特性だったんだな。」と思うことがたくさんありました。先生は息子を保育されていた中で、今振り返れば・・・と何か思うことはありますか?
先生は少し遠慮がちに、こう続けられました。
そういう子の親御さんに癇癪の相談をしてみても、「あ~うちの子家でもこんな感じなので~。」と明るく流されてしまうこともあって。勿論全員がそうではないわよ。でもそう言われてしまうと、保育士はそれ以上踏み込めないんです。
敢えて一歩踏み込んで療育や発達センターの話なんかをする保育士もいるんですが、逆に園や役所が訴えられたケースもあります。
「うちの子を障害者にする気か!」
「医者でもないくせに、保育士に何がわかる!」
って‥。
話を聞いて、私は心がずーんと重くなりました。
私は母親の立場なので、子どもの発達を指摘されてショックを受ける気持ちは痛いほどわかります。
自分が疑うのと、他人から指摘されるのは全く違いますから。
でも同時に、私はもっと早く息子の障害に気づきたかったという思いもあります。
診断がつくまでの2年間、誤診なども経験して、出口の見えない迷路をぐるぐる回っているみたいで本当に辛かったから。
もっと早く息子の障害に気づいていたら、間違った𠮟り方をしなくてよかったのに。
もっと早く療育や医療機関と連携をとれていたら、特性に合った関わり方を学べたのに。
今でもそんな後悔を引きずっています。
発達の話はとてもデリケートで、伝える側も、受け止める側も、とても勇気がいります。
そもそも専門家ではない保育士や教師が、これまた素人の保護者に発達の話をするのってハードル高すぎやしませんか。
もっと医療や自治体があいだに入って、長期的に子どもたちの発達を見守る仕組みは作れないものでしょうか。
何か良い案が思いついたら自治体に提案してみたいものです。
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