彼は、暇潰しに小さなゲームセンターで
MJ3という麻雀ゲームを始めた。しばらくすると、段位は十段に。
当然、小さなゲームセンターなので、全ての部門ですぐ1位(笑)
そこでは、若い美男美女のカップル達も打っており
この場所というか、麻雀に合わないし、所詮、この子らは
暇潰しだろと思いつつ、打ってたら「うまいですね」と声をかけられた。
彼は驚いた。彼の麻雀を一元の第三者に評価されたのは
初めてだったからである。「プロなんですか?」「いえ、違いますが
プロの主催する研究会には参加した事はありますよ」
話してみると、その青年は、某ファッション雑誌のモデルであった。
年は21。モデルだけにさすがに格好いい。連れも美人。
彼にとっても、その出会いは衝撃的なものとなり、嬉しくて
すぐに打ち解け、彼に麻雀を教えたりしながら、閉店まで話した。
そして、お互い笑いながら、その日は帰った。
しばらくして、青年の紹介で彼は利発な青年の同級生と知り合った。
同じように容姿も整っており、麻雀のセンスの高さも感じ取れた。
また、言葉遣いも礼儀も正しく、好感を持った。
とはいえ、何よりも麻雀が好きなのに、一番の好感があった。
青年は地元で、たくさんの知人がいた。その為、たくさんの若者と
彼はゲームセンターで知り合うようになった。
その中でも、彼は、青年の同級生と良く飲みに行くようになり
週に1度は、いきつけの飲み屋で麻雀談義に花を咲かせた。
彼の今まで培った知識を、必要以上に話して伝えた。
しかし、麻雀打ちの心がまだ宿ってないのに、技術だけを
説明している自分に不安は感じていた。
今考えると、魂のない人形に心を込めようとしている行為に
似ていたのかもしれない。
飲みの話の中で「ウチのゲーセンで、よそから流れて来た人が
いきなり、王者で登録してトップなのはいやなんですよ。抜いて
またトップになって下さい」というので「興味がない」というも
かわいい青年の同級生がいうので、やってみる事にした。
ほどなく、私は覇者となり、またも全部門で1位となった。
青年の同級生は喜んでいたし、彼も夢を与えたようで嬉しかった。
麻雀打ち冥利に尽きる事だなと、この結果をありがたく受止めた。