先日、禅道会小金井道場内で、少年用のブラジリアン柔術教室をオープンしました。
一般部では今までもクラスをやっていたのですが、子供たちからの要望もあり開設に踏み切りました。
その時にこんな質問を受けたんです。
「禅道会の組み技の技術とブラジリアン柔術の技術ってどう違うんですか?」
なるほど、確かに禅道会空手でも投げ技、タックル、寝技、関節技を指導しています。
私たちからすれば全然違うものなのですが、格闘技をやっていない方からは、そうは感じない人もたくさんいるのでしょう。
ですので今回その辺の違いを私の知りうる限りの知識でお話をしてみたいと思います。
また6月23日にはRF武道柔術大会がありますし、大会出場を悩んでいる方もご参考にしていただければ幸いです。
空手には本来、投げ技も関節技もある
というか、古来からの武道で投げ技、関節技が無いものは存在しません。なぜなら全ては護身術か制圧術からスタートしていいるからでして、無い方が不自然です。
相手を打撃技、当身技で一撃で倒すというのは空手のロマンですが、今も昔もそんなことしたら捕まってしまいます。
江戸時代などでは、武士同士の身分制度があり上級武士に対して刀を抜くことはできないので、柔術や捕縛術などの技術が発達したという話も聞いたことがあります。
空手のルールである琉球唐手にも、もちろんその元にある中国武術にも投げ技も関節技も存在しますし、日本拳法やオリンピック競技となる伝統派空手でも最近は瞬間的な投げ技からの極めの攻防もあるのです。
また同じ打撃系格闘技でもある、ムエタイやミャンマーラウエイにも投げ技はあります。
空手に組み技が無いというのは、昭和に入ってからのフルコンタクト空手のイメージが強いからでしょう。
そうはいっても開祖の大山倍達先生の演武など見ると、足払いや掴みからの崩し、投げ技も使われています。
武術から武道、そして競技武道、コンバットスポーツと進化していくにつれてその競技デザインの中で安全でかつ他競技との差別化を図る上で、護身性のある大切な技術は失われてしまったと考えて良いと思います。
ブラジリアン柔術のルーツは講道館柔道
1990年代にホイス・グレイシーやヒクソン・グレイシーの活躍で世に知られたブラジリアン柔術。
元を正せば今から100年ほど前に、講道館柔道の前田光世先生が世界中で異種格闘技を戦いブラジルで柔道の普及をしました。
日本ではどんどんスポーツ化して立ち技中心になっていき寝技の技術が減っていった柔道と比べ、護身術としての寝技が残り進化していきます。
古流柔術の実戦的な技術が残っていた柔道がグレイシー家により地球の裏側で綿々と伝えられグレイシー柔術となり、それが世界中に広まりブラジリアン柔術として定着したと考えて良いのではないでしょうか?
この写真は、一昨年、弘前公園の前田光世碑の前で撮影したものです、薄くなっていますが、その歴史がきちんと刻まれていました。
ちなみに柔道の古流型や、グレイシー柔術には当身(突きや蹴り)の技術もありますが、競技化されたJUDO、ブラジリアン柔術には存在しません。
これも上記の空手から投げ技が失われた理由と一緒で、競技化とともに細分化していったのでしょう。
禅道会空手の組技技術は
さて前置きが長くなりましたが、禅道会空手の組技技術はあくまで実戦性を重んじて、総合格闘技、RF空手ルールで使うための寝技です。
上を取られたら、パウンド(寝技状態での打撃)を打たれる、背負い投げにいけば、バックポジションから裸絞めを狙われる、下からの蹴り上げもある、、、、
などの前提から構築されています。
前身の大道塾時代から、組技、寝技の重要性を説いていた小沢首席師範が、二足歩行の原理を元にあらゆる格闘技術をまとめて独自の解釈で作り出した技術です。
その中には当然、講道館柔道や高専柔道の技術も含まれています、ですのでベースとなる身体技術、実は一緒だったのではないかと思います。
貴重な加納治五郎先生の動画、これを見るとすでにこの時代護身を元にした組み技技術は完成されていたのではないかと思うくらいです。
ブラジリアン柔術の寝技技術は
現在のブラジリアン柔術はアカデミーによってファイトスタイルは千差万別ですが、寝技に特化する流れにはなっています。世界中で色々な技が研究されYou Tubeやインスタグラムに新しい技術がアップされ進化し続けているというのが特徴です。
モダンスタイルと呼ばれる最近の流行では総合格闘技からはかなりかけ離れた技やスタイルになっています。
ルールもポイント制で、体重、帯色、年齢でかなりカテゴリーや禁止技が細かく設定されていて競技としてとても洗練されています。
その分芸術的な動きもあり、見ていてもやる方もスポーツとしての魅力はかなり高いものですし、ダイエット目的のフィットネスとしても人気があります。
RF武道柔術とは
空手道禅道会では組技技術上達の目的で、どこの地区でも年に1〜2回柔術大会を開いています。
以前はグラウンド戦と呼ばれていましたが、数年前よりRF武道柔術という呼称で統一されました。
こちらは旗判定、基準は総合格闘技、RF空手ルールに準じたものとなっており、段級によりルール、禁止技が変わってきます。
5級以下、4級以上で代わります。
子供の上級者、有段者用ルール
子供の一般的ルール、このルールから打撃技術を全て抜いたものになります。
禅道会はあくまで総合格闘技ルールの空手なので、育成という意味合いが強いのが特徴です。
禅道会の組技とブラジリアン柔術の違い結論
寝技技術に特化しているブラジリアン柔術の技術の進化は素晴らしいもので、禅道会のトップ選手が組技だけの試合でブラジリアン柔術の黒帯レベルの選手と試合をすればまずかないません。
しかしそれはRF空手ルールで試合をすれば逆の結果にもなるわけでして、技術は競技ルール、使用目的によって当然変わってきます。
また道着の形状も全く違うので、ブラジリアン柔術の技でも使えるものもあれば使えないものもあります、そのままRF空手で使うことは難しいのです。
そして何より文化が違います。
中国、沖縄、日本、そして世界へと受け継がれて来た空手の文化と、日本からブラジルに渡り世界中に広まった文化は全く違うものです。
これは当然どちらが良い悪いでは、ありません。
文化の多様性を尊重することが大切なんです。
禅道会小金井道場では、禅道会空手のクラスとブラジリアン柔術のクラスと開講しておりますが、武道、格闘技、文化というものを通じて様々な文化を楽しんで欲しいというのと、クロストレーニングとして別競技に触れて身体感覚を鋭敏にして欲しいという思いからです。
また競技には当然向き不向きがあります、自分自身を見つめて向いている競技を通じて心身を鍛えて豊かな生活の一部となれば良いでしょう。
また指導員にブラジリアン柔術黒帯と禅道会黒帯両方持っているという無二の存在、工藤修久がいるというのも大きな理由です。
他にも禅道会空手とブラジリアン柔術、またフルコンタクト空手やキックボクシング、柔道、様々な格闘技を身につけている猛者がたくさんいます、多様性の時代にはふさわしい形の道場となっていると自負しております。
もしこの記事を読んでご興味を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度道場に足を運んでみてください。
またRF武道柔術大会に出場してみたいという方も、ご連絡をいただければと思います。
より多くの人が武道、格闘技という文化を体験し、より良き人生となることを心より願っております。
総合格闘技 空手道禅道会 東京支部では、新規会員募集中です。
初心者、女性、壮年大歓迎、運動不足、ストレス解消、健康増進、ダイエットまたMMAのプロや武道空手道の指導員になって活躍したいという方も随時受け付けております。
また一般稽古の時間に来れない人のためにパーソナルトレーニング、プライベートレッスンも受け付けております。
東京都小金井市、小平市、花小金井、西東京市、新宿区、港区、芝浦、麻布十番、田町駅近辺でお住まい、または在学、在勤の方、ぜひ一度ご見学無料体験にいらっしゃって下さい。
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