JXの東燃ゼネラルの買収、出光興産の昭和シェル石油の買収しかり、石油業界ではダイナミックな業界再編が進んでします
エネルギー供給構造高度化法により、ハイペースで再編が進み供給も縮小しています
供給が減ることで、価格優位性が高まり、石油業界の業績が増加しやすくなります
数年前に購入した時は、全然株価が上がらず、全株売却し、撤退していましたが、原油高も進み、市場環境が変化している気もするので、調べてみました
原油開発のアラビア石油と精製の富士石油が統合。
上流開発から撤退。
13年10月に精製専業化(四季報)
【沿革】
・富士石油
昭和39年 アラビア石油、住友化学、東京電力、コスモ石油、JXTGエネルギーなどの共同出資により設立
昭和43年 袖ヶ浦製油所の操業開始
平成5年 ベンゼン・キシレン製造装置稼働開始
・アラビア石油
昭和33年 会社設立
昭和36年 株式上場
平成25年 資本金を1億円に減資(もともと130億円)
・当社
平成15年 アラビア石油及び富士石油が共同して株式移転により設立
平成17年 資本金を244億円に増資
【事業内容】
石油の精製、貯蔵、調達、売買及び原油・石油製品等の輸送・入出荷を主な事業
【事業拠点】
千葉県袖ケ浦市・石油精製施設
【業績】
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益 (円) |
一株配 (円) |
連14.3 |
702,942 |
-11,897 |
-154.4 |
5 |
連15.3 |
666,179 |
-18,109 |
-235.0 |
3 |
連16.3 |
425,522 |
-9,409 |
-122.1 |
0 |
連17.3 |
419,530 |
15,503 |
201.2 |
8 |
連18.3 |
423,772 |
7,945 |
103.1 |
8 |
売上高は4,000-7,000億円で、上流開発から撤退したことで、売上高が激減しています
直近2期は黒字ですが、それ以外は100億円規模の赤字を計上しています
【財務諸表】
① 資産
・現金預金160億円(5%)
・たな卸資産817億円(28%)
・有形固定資産1,073億円(37%)
・投資有価証券170億円(6%)
② 負債
・有利子負債1,255億円(43%)
・修繕引当金(特別含)32億円
③ 純資産
・自己資本比率24%
・配当性向8%
・利益剰余金177億円(6%)
④ 損益計算
営業利益率2.6%
経常利益率2.0%
当期純利益率1.9%
・支払利息
前期19億円、当期24億円
⑤ キャッシュフロー
・投資額(百万円)
科目 |
前期 |
当期 |
減価償却費 |
5,447 |
5,821 |
固定資産に対する支出 |
16,823 |
11,504 |
設備投資額が減価償却を大幅に上回っています
・投資有価証券の売却による収入56億円
【トピック】
① 大株主の状況
氏名又は名称 |
割合 (%) |
東京電力フュエル&パワー株式会社 |
8.85 |
クウェート石油公社 |
7.52 |
サウジアラビア王国政府 |
7.52 |
昭和シェル石油株式会社 |
6.66 |
住友化学株式会社 |
6.54 |
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) |
4.84 |
日本郵船株式会社 |
3.56 |
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口9) |
2.79 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) |
2.65 |
JXTGホールディングス株式会社 |
1.74 |
計 |
52.72 |
② 販売実績
相手先 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
昭和シェル石油㈱ |
265,914 |
62.8 |
JXTGエネルギー㈱ |
51,077 |
12.1 |
2社への販売が大半を占めています
国内需要:ガソリンは低燃費車の普及進展もあり、前期を下回
灯油:冬場の低温、また、軽油は堅調な貨物輸送を背景に、前期を上回
電力用C重油:発電用燃料の石炭・LNGへの転換が進んだこともあり、前期を大きく下回
【株価 購入価額】
452円(2018.8.13)
1.77%(15:00) 配当利回り(会社予想)
8.00(2019/03)1株配当(会社予想)
(連) 4.25倍(15:00)PER(会社予想)
(連) 0.48倍(15:00)PBR(実績)
(連) 106.41(2019/03)EPS(会社予想)
(連) 943.40(2018/03)BPS(実績)
・進捗:56%(1Q)
・需要構造(▲20%):日本国内は、人口減少、低燃費車・電気自動車・水素自動車など新しい車両の開発で、ガソリン・軽油需要は漸減しそうです
・競争環境(+20%):
石油精製プレーヤーが寡占化しており、製油所の統廃合で、供給の集約化はありそうです
富士石油=袖ケ浦製油所であり、事業縮小=事業閉鎖であり、ジリ貧に陥ろうが、事業を続けることになると思います
JXTG、出光興産、コスモの再編に加わるとしたら、TOBをして、丸々事業を飲み込んでから、始まるので、富士石油株としては比較的良い立場だと思います
・ビジネスモデルの有望性(▲10%):精製事業一本であり、良くも悪くも業界の動向次第だと思います
・株主優待(+%):なし
・個人的な好み(+20%):2期黒字で、進行期も黒字なので、来期が黒字見通しであれば、繰延税金資産の回収可能性分類が変更により、当期純利益は大幅に黒字になりそうです
原油価格起因の棚卸資産比率が高く、原油価格に業績が大きく影響します
来年度まで原油価格が高止まりしていたら、保有していてもよさそうです
・目標株価
赤字見通し、算定不可
来期の業績見通し発表による好決算を期待して、100株程度保有していてもよさそうです
以上