不動産もう上がらない
忍び寄る資産デフレの影
今週の日経ヴェリタスで気になりました
相続対策で賃貸アパート建設の急増し、人件費を含む資材の高騰でマンション価格が上昇しているため、東京でさえマンション価格は上昇しないということでした
ただ、不動産株、不動産関連銘柄は危ないと分かっていても指数が非常に割安で気になってしまいます
姫路・三宮の関西地域で高いシェアがあり住む可能性があるので、調べてみました
【沿革】
明治32年 神戸市にて不動産賃貸業を創業
昭和43年 宅地開発及び分譲、木造戸建住宅の販売並びに仲介業務を開始
昭和60年 自社ブランド「ワコーレ」にて分譲マンション事業を開始
平成8年 震災復興のための優良再開発建築物整備促進事業に従事
平成14年 バリューアップ方式による賃貸マンションの開発を開始
平成16年 株式上場
平成17年 首都圏での分譲マンション販売開始
平成23年 大阪府下で分譲マンション販売を開始
平成28年 東京営業所を閉鎖
【事業内容】
主に兵庫県神戸市及び主要地域(明石市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、姫路市)エリア及び大阪府北摂エリアにおいて「ワコーレ」のブランド名により、
・分譲マンションの開発・企画・販売を主力とした不動産販売事業(セグメント別名称:分譲マンション販売、戸建て住宅販売及びその他不動産販売)
・賃貸マンションを中心とした賃貸その他事業(セグメント別名称:不動産賃貸収入及びその他)
【業績】
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益 |
一株配 |
単13.2 |
25,396 |
761 |
76.2 |
18 |
単14.2 |
32,480 |
1,066 |
106.6 |
20 |
単15.2 |
30,097 |
1,180 |
118.1 |
22 |
単16.2 |
28,950 |
1,238 |
123.9 |
26記 |
単17.2 |
31,374 |
1,370 |
137.1 |
27 |
売上高は250-330億円で年度によって増減しています
赤字期はなく、利益は毎年増加傾向です
【セグメント】(百万円)
分譲 マンション 販売 |
戸建て 住宅販売 |
|
売上高 |
26,390 |
1,356 |
損益 |
2,713 |
△6 |
資産 |
34,165 |
1,534 |
その他 不動産販売 |
不動産 賃貸収入 |
計 |
1,185 |
2,345 |
31,278 |
118 |
952 |
3,777 |
4,854 |
22,848 |
63,403 |
分譲マンションが売上高・利益ともに大半を稼いでいますが、不動産賃貸収入の利益率が非常に良くなっています
【財務諸表】
① 資産
・現金預金110億円(14%)
・販売用不動産・仕掛販売用不動産383億円(50%)
仕掛販売用不動産が前期から68億円増加しています
・有形固定資産240億円(31%)
土地が132億円と大半を占めています
② 負債
・有利子負債442億円(58%)
社債を9億円起債しています
・前受金43億円(6%)
③ 純資産
・自己資本比率25%
・配当性向20%
・利益剰余金170億円(22%)
④ 損益計算
・広告宣伝費9億円
・ガイドルーム費7億円
・支払利息7億円
・資金調達費用2億円
当期純利益が14億円なので、負債の費用規模の大きさを感じます
⑤ キャッシュフロー
・投資額(百万円)
科目 |
前期 |
当期 |
減価償却費 |
642 |
770 |
固定資産に対する支出 |
1,706 |
357 |
・財務活動によるキャッシュ・フロー
前期:62億円、当期:16億円と2期連続借入超過となっています
【トピック】
① 分譲マンション事業
・当社供給実績
供給年度 |
平成25年 2月期 |
平成26年 2月期 |
全供給棟数 (棟) |
23 |
22 |
全供給戸数 (戸) |
737 |
1,307 |
内、神戸市 (戸) |
(465) |
(1,000) |
供給率 |
(63.1%) |
(76.5%) |
平成27年 2月期 |
平成28年 2月期 |
平成29年 2月期 |
16 |
18 |
17 |
661 |
714 |
560 |
(536) |
(509) |
(195) |
(81.1%) |
(71.3%) |
(34.8%) |
神戸・明石地方を中心にマンションを供給していましたが、大阪北摂エリアや姫路市への進出を強化しており、神戸市以外も増えています
② 借入金等明細表(百万円)
区分 |
当期首残高 |
当期末 残高 |
平均 利率 (%) |
短期借入金 |
4,336 |
5,432 |
1.479 |
1年以内に返済予定の長期借入金 |
12,212 |
16,810 |
1.715 |
長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く。) |
24,591 |
21,061 |
1.493 |
合計 |
41,139 |
43,304 |
- |
借入金残高が多く、長短ともに借入利率が1.5%前後と非常に高くなっています
利益が多く、配当利回りが3.4%と高いですが、借入利率が高く、負債によるレバレッジ効果は薄いともいます
売上高・利益を追求するより採算重視でマンション着工を減らし、有利子負債を圧縮した方が良いと思います
【株価 購入価額】
823円(2017.8.25)
3.40%(14:59) 配当利回り(会社予想)
28.00(2018/02)1株配当(会社予想)
(単) 5.88倍(14:59) PER(会社予想)
(単) 0.43倍(14:59) PBR(実績)
(単) 140.00(2018/02)EPS(会社予想)
(単) 1,919.00(2017/02)BPS(実績)
直近5期の平均EPSは112円なので、進行期の見通しは強いです
指数も割安で、配当利回りも魅力的ですが、自己資本比率と有利子負債の残高が気になります
仕掛品の不動産が完成し、販売も順調に進み、資産が圧縮されれば、購入の期待が持てますが、今後もマンション着工を増やしていくようであれば、購入をしたくないです
1Q決算を見ると、仕掛販売用不動産が増えており、自己資本比率も減少しています
自己資本比率3割を超えないと、指数がいくら割安でも購入はできません
以上