今年、新日鐵住金に株式を過半数取得されて、子会社になりました
高炉メーカーの中では、最も規模が小さく、ステンレスに強みがあります
鉄鋼業界第一弾として調べてみました
【沿革】
昭和3年 徳山鐡板として大阪鐡板から分離設立
昭和37年 呉製鉄所に第1号高炉が完成 鉄鋼一貫メーカーになる
平成24年 日新製鋼及び日本金属工業が経営統合
平成28年 新日鐵住金と「子会社化等に関する契約」を締結
【事業内容】
鉄鋼製品の製造・加工・販売及びこれらに附帯する事業
ZAM(高耐食溶融めっき鋼板)、特殊鋼、ステンレス、カラー鋼板などの製品を取扱
【事業拠点】
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
合計 百万円 |
従業員数 (人) |
呉製鉄所 (広島県呉市) |
製銑設備 製鋼設備 熱延設備 |
75,592 |
940 |
堺製造所 (大阪府堺市西区) |
冷延設備 めっき設備 塗装設備 |
32,108 |
640 |
周南製鋼所 (山口県周南市) |
製鋼設備 冷延設備 |
54,786 |
873 |
衣浦製造所 (愛知県碧南市) |
熱延設備 冷延設備 |
35,178 |
417 |
アメリカ |
めっき設備 |
5,349 |
166 |
【業績】
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益(円) |
一株配(円) |
連14.3 |
576,447 |
17,759 |
177.7 |
15 |
連15.3 |
617,525 |
16,947 |
160.5 |
40 |
連16.3 |
547,026 |
-6,613 |
-60.3 |
40 |
平成24年度に統合しており、3事業年度の実績のみ
売上高は5-6千億円で、2期黒字、1期赤字と苦しい状況になっています
【セグメント】
鉄鋼の単一セグメントで記載なし
【財務諸表】
① 資産
・棚卸資産1,248億円(18%)
・有形固定資産2,657億円(38%)
・投資有価証券1,151億円(16%)
② 負債
・有利子負債2,795億円(39%)
社債を500億円程度起債しています
・特別修繕引当金86億円
③ 純資産
・自己資本比率30%
・資本金300億円・資本剰余金763億円
赤字決算により資本剰余金から利益剰余金へ147億円振替
非配当財源(資本金・資本剰余金)は利益剰余金に比して大きいです
④ 損益計算
・支払利息42億円
・出向者労務費差額負担20億円
過去、リストラの一環で従業員を子会社へ出向させたことが分かります
・特別修繕取崩益54億円
・減損損失71億円
・投資有価証券評価損52億円
⑤ キャッシュフロー
・減価償却費265億円
・有形固定資産取得による支出248億円
【トピック】
① 設備投資
・周南製鋼所
2015年11月に衣浦製造所製鋼工程休止し、周南への生産集約による最適生産体制の構築を進めています
周南では製鋼リフレッシュ工事が完工し、新連続鋳造設備など最新設備の稼働が開始
・呉製鉄所
会社名 |
所在地 |
設備の内容 |
投資予定金額(百万円) |
総額 |
|||
当社 呉製鉄所 |
広島県 呉市 |
自家発電設備 更新工事 |
14,300 |
自家発電設備の老朽化に伴う電力需給バランスの適正化とコスト削減を目的に最大出力70メガワットのボイラータービン式の発電設備を導入
② 関連情報
・売上高
日本 |
北米 |
東アジア |
その他 |
合計 |
484,356 |
56,057 |
49,733 |
27,378 |
617,525 |
・有形固定資産
90%以上が国内であり、記載なし
海外売上比率が2割なので、国内で製造し、輸出していることが分かります
③ 投資有価証券内訳
・新日鐵住金80億円
・太平洋金属49億円
・三和HD 42億円
・大和ハウス工業25億円
・日阪製作所24億円
④ 新日鐵住金による完全子会社化
【目的】
新日鐵住金グループに加わることで総合力世界No.1の鉄鋼メーカーの地位を強化し、持続的な成長と企業価値の向上を図ることを目的
具体的には、
・両社グループの経営資源を活かした相乗効果の創出
・鋼片供給等連携施策の推進
・企業価値の最大化と株主・資本市場からの評価の向上
【取引内容】
公開買い付けにより発行済株式総数の51%の確保を目指し、公開買い付けで目標株数を確保できなかった場合、第三者割当増資を行うことになっていましたが、2017年3月の公開買い付けの応募数が買付予定数を超えたため、第三者割当増資は行われませんでした
【株価 購入価額】
1,359円(2017.5.2)
---%(---) 配当利回り(会社予想)
--- 1株配当(会社予想)
---倍 PER(会社予想)
0.70倍 PBR(実績)
---EPS(会社予想)
(連) 1,945.79 BPS(実績)
平成29年3月期は16億円(EPS 15円)の黒字でしたが、来期の見通しは1Q決算時に発表することになっています
国内の鉄板・ステンレスの将来性の期待ができません
また、中国からの格安の薄板が輸入もあるので、しばらく苦しい状況は変わらないと思います
日鉄住金ステレンスと合併し、抜本的な生産拠点の統合!くらいの勢いがないと苦しい気がします
経営統合による生産拠点統合(事業所を閉鎖)が起こるという前提で
PBR0.5倍
972円
1,000円切ったら、購入を検討しようと思います
以上