何このアルファベットの会社?外資なの?
第一印象の感想です
アルミの会社で業界では有名な企業らしい
アルミは、素材の中でもリサイクル率が高く、軽く加工しやすく強く魅力的な素材だと思います
鉄のライバルになりうる存在
調べました
【沿革】
・古河スカイ
明治29年 横浜電線製造設立
昭和34年 米国アルコアとの共同出資により古河アルミニウム工業を設立
昭和36年 栃木県に工場完成
昭和42年 埼玉県深谷市に圧延工場
・住友軽金属工業
明治30年 大阪市で伸銅事業開始
昭和16年 名古屋市に製造所建設
・UACJ発足
平成25年 古河スカイと住友軽金属工業が経営統合し発足
平成26年 タイ王国のアルミニウム板圧延工場が操業開始
【事業内容】
子会社65社及び関連会社12社で企業集団を形成
・アルミ圧延品事業:アルミ及びその合金の板圧延製品、箔製品、押出製品等の製造・販売
・伸銅品事業:銅管・銅合金管及びその接手等の製造・販売
・加工品・関連事業:アルミ・銅等の加工製品の製造・販売、関連する土木工事の請負
【事業所 規模】
事業所名(所在地) |
設備の内容 |
(百万円) 合計 |
名古屋製造所 (名古屋市港区) |
アルミニウム板製品 の製造設備 |
79,249 |
福井製造所 (福井県坂井市) |
アルミニウム板製品 の製造設備 |
28,767 |
深谷製造所 (埼玉県深谷市) |
アルミニウム板製品 の製造設備 |
10,148 |
Logan工場 (アメリカ合衆国・ケンタッキー州) |
アルミニウム板製品 の製造設備 |
31,611 |
本社工場 (タイ王国) |
アルミニウム板製品 の製造設備 |
65,010 |
海外はアメリカとタイの2拠点で、国内規模に匹敵する設備規模があります
【業績】
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益 |
一株配 |
連12.3 |
193,972 |
3,540 |
15.6 |
6 |
連13.3 |
183,702 |
3,146 |
13.9 |
6 |
連14.3 |
364,107 |
9,946 |
30.4 |
9記 |
連15.3 |
572,541 |
8,649 |
20.2 |
6 |
連16.3 |
575,735 |
5,105 |
11.9 |
6 |
売上高は1,840-5,760億円で統合を境に倍増し、タイ工場の立ち上げタイミングでも倍増している
利益額も増加傾向にあったが、昨年は若干落ち込んでいる
【セグメント】
|
アルミ圧延 品事業 |
伸銅品 事業 |
加工品・ 関連事業 |
売上高 |
460,858 |
46,878 |
167,081 |
利益 |
18,121 |
339 |
3,747 |
アルミ圧延品事業が大半を占め、アルミ加工品・関連事業も大きく、アルミの上流から下流まで幅広く事業を展開していることがわかります
伸銅品の規模が小さく、利益率もよくありません
良くも悪くもアルミ次第であることがわかります
【財務諸表】
① 資産
・商品・製品・仕掛品・原材料等1,093億円(資産比16%)
棚卸資産が多く、アルミの価格の変動によっては、低価法による評価損の影響を受けそうです
・のれん432億円(7%)
・投資有価証券294億円(4%)
② 負債
・有利子負債3,084億円(46%)
負債の規模が大きく、キャッシュの確保が必須だと思います
社債も発行しています
・事業構造改革引当金10億円
板圧延事業の構造改善に伴う支出に備え引当計上
③ 純資産
・自己資本比率24.9%
H24.3が32.9%
買収により貸借対照表が膨らんでいることがわかります
・利益剰余金361億円(5%)
・配当性向50%
当期純利益額51億円に対し、25億円
自己資本比率が低く、利益剰余金が潤沢ではないため利益が減少した場合、ダイレクトに配当額に影響すると思います
④ 損益計算
・減価償却額229億円・固定資産への支出306億円
取得が償却を上回っており、設備投資の投資が伺えます
・支払利息35億円
当期純利益が51億円なので、インパクトの大きさを感じます
・販管費・人件費関係156億円
少し多い気もします
【トピック】
① 前期減損損失16億円
マレーシアの機械装置831百万円、他遊休資産の減損を実施
② のれん432億円の内訳
住友軽金属工業との経営統合、それに伴うアメリカの子会社化により発生し、20年間で均等償却
日本基準を採用し、時の経過とともに償却されるので、東芝みたいに突然の減損損失の可能性は少ないともいます
のれん償却額が25億円と損益への影響が大きくなっています
IFRSを採用し、のれんが非償却になると、損益が一瞬良くなると思います
③ アルミの可能性
・国内アルミ需要は、前年比微減
缶材でコーヒー缶用需要の伸長が継続し、自動車材ではトラック・バス関連需要が堅調、アルミ外板を採用している人気車種のモデルチェンジにより需要増
アルミ厚板のLNG船の需要も本格化
アルミの強度は、温度が低下するにつれて上昇し、鉄鋼などと違って極低温下でも破壊されないため、しLNG船の主流になる可能性があると思います
④ アルミの電力消費量
アルミをボーキサイトから精錬して1トン製造するには1.5万KWの電力が必要で、1.5×10円/KW=15万円/tの電力が必要
国内アルミ精錬事業は電力代の大幅値上げによって、日本軽金属の蒲原製造所を最後に完全撤退(14.3)
原発停止による電力単価の上昇の影響はどうでしょうか?
アルミのリサイクルで要する電力は450KW/t(=1.5万KW×3%)×10円/KW=4,500円
UACJが年間国内で200万tアルミを生産しているので、年間90億円(売上比2%)
電力単価の影響は小さいと思います
【株価 購入価額】
315円(2017.2.17)
1.90%(02/17) 配当利回り(会社予想)
6.00(2017/03)1株配当(会社予想)
(連) 19.24倍(02/17)PER(会社予想)
(連) 0.84倍(02/17) PBR(実績)
(連) 16.37(2017/03)EPS(会社予想)
(連) 372.98(2016/03)BPS(実績)
アルミの需要は将来的にあり、安定保有できると思います
ただ、PERが割高
自己資本比率、のれんを考えると、PER15倍以下
16円×15倍=240円
ちょうど1年前の200円前後の時が買い時だったのだと思います
以上