東京瓦斯からの大阪瓦斯
大阪に在住なので、お世話になっています
大阪瓦斯も4月のガス自由化で影響は受けるのか?
前回、カギを握るのが調達力だと分かったので、競争力の源泉、調達力にもフォーカスをあてていきます
関西の雄 大阪瓦斯
調べてみました
【沿革】
明治30年 設立
明治38年 大阪市内にガス供給開始
昭和20年 神戸・京都など14ガス会社合併
昭和46年 泉北製造所第一工場稼働開始(翌年ブルネイLNG導入開始)
昭和59年 姫路製造所稼働開始
平成2年 天然ガス転換完了
平成21年 泉北天然ガス発電所稼働開始
【事業内容】
子会社149社、関連会社55社で光栄
ガス、LPG・電力・その他エネルギー、海外エネルギー、ライフ&ビジネス ソリューション事業
・ガス:ガスの製造・供給・販売、ガス設備及び機器の保守点検、ガス配管工事
・LPG・電力・その他エネルギー:LPGの販売、電気供給事業、産業用ガス、LNGの冷熱を販売
・海外エネルギー:LNG輸送タンカーの賃貸、石油及び天然ガスに関する開発・投資等
・ライフ&ビジネス ソリューション:ファイン材料、炭素材製品、活性炭及び木材保護塗料の製造・販売、不動産開発・賃貸・管理・分譲
【業績 セグメント】(百万円)
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益 |
一株配 |
連12.3 |
1,294,781 |
45,207 |
21.7 |
8 |
連13.3 |
1,380,060 |
52,467 |
25.2 |
8.5 |
連14.3 |
1,512,581 |
41,725 |
20.0 |
9 |
連15.3 |
1,528,164 |
76,709 |
36.9 |
9.5記 |
連16.3 |
1,322,012 |
84,324 |
40.5 |
10記 |
売上高は1兆2,000-5,300億円と微増傾向にある
利益も増加傾向にあり、12.3と16.3を比較すると2倍に
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
百万円 |
ガス |
LPG |
海外 ギー |
ライフ& |
売上高 |
948,501 |
206,433 |
18,701 |
221,702 |
計 |
95,724 |
28,852 |
△277 |
18,834 |
原油が下落傾向にあったため、ガス・LPG・電力事業の利益率は非常に良い
逆に、ガスの調達である海外エネルギー事業規模が小さいが赤字
調達部門が全社の損益に与える影響が少ないと思います
ライフビジネスソリューションの比率が高いと思います
【財務諸表】
① 資産
・有形固定資産9,117億円(資産比50%)
供給設備が2,974億円
建設仮勘定が1,730億円で資産比10%以上を占め、前期よりも10%増加しています
・投資有価証券2,368億円(13%)
・現金預金2,100億円(11%)
キャッシュリッチ、前期から40%以上増加しています
② 負債
・有利子負債5,401億円(30%)
社債の発行額が半数を占め、10年物利率が1-2%であり、高利率だと思います
社債の発行量を減らすために、長期借入金(利率1.3%)に転換、投資・配当による資金流出を抑制する必要があると思います
配当利回が2.3%であるので、負債で同水準の運用利率になっています
・ガスホルダー修繕引当金16億円、保安対策引当金125億円、器具保証引当金84億円
球形ガスホルダーの修繕引当金、経年ガス導管の対策工事に要する費用を見積計上、器具の販売に伴い保証するサービス費用の支出を見積計上
計画的に積み立てを行っており、修繕・事故により業績に大きな影響があることはないと思います
・投資損失引当金18億円
資源開発に投資を行い、リスクを負っていることがわかります
③ 純資産
・自己資本比率49.5%
・利益剰余金7,124億円(49%)
配当財源が厚い
・配当性向24%
④ 損益計算
・支払利息100億円
前期よりも増加
・持分法による投資損失45億円
原油価格の下落に伴う北海油田の持分法投資利益の減少
・減損損失146億円
【トピック】
① 減損損失146億円
パプアニューギニアのガス開発事業への投資、オーストラリアの天然ガスの精製・液化プロジェクトへの投資が原油下落により収益性が低下したため
東京瓦斯と同様エネルギー投資で減損が発生しているが、エネルギー価格の上昇局面では、業績のプラスに働くと思います
② ガス小売全面自由化への対応
自由化により、大阪瓦斯のガス導管に他社のガスが乗り入れるため、業務フロー・ITシステムの整を推進し、ガス導管事業の中立性を向上
乗り入れにより、手数料収入はあると思いますが、調達力が劣ると、大きな損失が生じると思います
③ 研究開発費113億円
触媒・材料技術、LNG気化器・PC(プレストレスト・コンクリート)型LNGタンク・LNG冷熱発電・LNG受入基地等の設計・建設技術、天然ガスコージェネレーション・燃料電池・燃焼技術等のエネルギー利用技術等を保有
有機材料・活性炭等各種材料の開発、情報通信技術等、エネルギー分野にとどまらず、ライフ&ビジネス ソリューション分野への取組を推進
ライフ&ビジネス ソリューション分野の比率が高く、会社の期待が伺えます
【株価 購入価額】
437.5円(2017.2.9)
2.29%(15:00) 配当利回り(会社予想)
10.00(2017/03) 1株配当(会社予想)
(連) 14.11倍(15:00) PER(会社予想)
(連) 1.03倍(15:00) PBR(実績)
(連) 31.01(2017/03) EPS(会社予想)
(連) 425.14(2016/03) BPS(実績)
ガス会社にしては割高だと思います
ガス開発投資による調達力は投資に失敗し、減損する可能性も高いため、なんともいえない気がします
他のガス会社の水準を考えると、PER12倍、PBR0.7倍ぐらいが妥当な気がします
PER31×12倍=372円
PBR425×0.7倍=298円
(372+298)/2=335円
340円になったら、検討します
以上