こんにちは
ドラマ「愛の不時着」のヒロイン・セリを演じられた、ソン・イェジンさんのお誕生日が過ぎましたが、まだ続けているお企画「セリの名セリフ」。
昨日の13日、イェジンさんのInstagramが更新され、1月7日に行ったチャリティー・バザーを総括されているのを見ました。寄付の受領証か感謝状のようなものもアップされていて、その日付を見ると1月11日、イェジンさんのお誕生日となっていました。
毎年お誕生日にはケーキやプレゼントがたくさん届くようで、一昨年のInstagramでも認証ショットがお礼とともに挙げられていました。もしかして、そのようなプレゼントをもらう代わりに、ファンの方々とチャリティを、とお考えになったのかな、と思いました
写真は、先日ご近所さんで撮らせてもらった金柑です。
キンカン、砂糖、酢を入れた鍋に蓋をして、石油ストーブの上に置き、ほったらかしにしても美味しくできる金柑シロップ、大好きです
さて、これまでに【第1話】から【第16話】まで、お気に入りのユン・セリのセリフを選出してきましたが、今回大賞ならびに各賞を授賞いたします
セリの名セリフ 各章授賞式
敢闘賞
【第15話】その必要もないのに、義務もないのに、命懸けで私を守ってくれました。私を懐柔したことも利用したこともありません。お話したとおりチョが私を殺すために来ました。リさんは、犯罪者のチョを捕まえようとここに来たんです。彼を隠したのは私の意志でした。私も彼を無事に帰してあげなきゃ。その先の問題は、私がここで解決するなり、処罰を受けるなりします。
ジョンヒョクがしてくれたように、「無事に帰してあげる」そのために衰弱した身を押して語るセリフに感動しました
愛に酔わないセリの、高い品性もうかがえる名セリフだと思います。
回復途上のさなか、よく頑張りましたよって敢闘賞を授賞いたします
殊勲賞
【第7話】生きていたくはないけど、死にたくはないって。愛する人たちに愛されないとしても、生きる価値があるし、生きなければならない。
絶望で憔悴しているところ、スイスの自然のただ中にあって至った思い。
よく持ちこたえました ←激甘の差し入れ
これを乗り越えたからこそ、後の幸せ(ジョンヒョクとの出会い)がありました。
積極的な強い言葉ではないけれど、受身になってやり過ごすことの意義をにじませた名文句。
同じように生きる希望を失っている人にも伝えたい、普遍性がある大事なメッセージです。
技能賞
【第9話】本棚を見ればその人の性格や好みなどが分かると思うんですが、私が知ってる誰かと非常に似てる気がします。
知性のなせるワザ、というべきセリフですが、元をたどると【第3話】でセリがジョンヒョクの本棚で見つけたピアノの楽譜を問うシーンが下敷きになっていて、本棚は【第9話】【第16話】で「愛してる」と伝える手段にもなるモチーフとなっています。
セリの技能だけでなく、脚本家先生の技能の高さに敬意を表して授賞いたします
なんだか、お相撲の三賞みたいになってきました
誰がパクったんだ?「私よ」(第6話)
「生きる知恵」賞
【第2話】これも良い経験だと思うことにしよう。こんな貴重な経験は大金を積んでもできないわ。すごく貴重よ。
【第3話】タマネギも褒められるとよく育ち、ののしられると枯れると新聞に書いてあった。しっかり水やりをして、1日10個きれいな言葉を。
困難を前向きに肯定的にとらえる力、植物に触れて良い言葉をかけながら自分自身を癒やす力、そんな生きる知恵を視聴者に教えてくれた名セリフでした。同時授賞です
映画ファンクラブ賞
【第7話】グァンボムさん、私が大好きな映画はね、「マッドマックス怒りのデス・ロード」
映画の感動が、その人の背を押し、勇気を与える――映画の良さを語ったセリフが、映画界で高く評価されました
文学賞
【第10話】愛とは何だろうと考えてみる。私があなたに会いたいと願っているように、あなたにも願ってほしいと思ったなら、それが愛だろうか。あるいは私に会いたいなんて気持ちがわかないほど幸せでいて欲しいと願ったなら、それが愛だろうか。それともあなたに会うためなら、あの出来事を最初からもう一度繰り返してもかまわないと思えたら、それが愛だろうか。
ドラマを通じて、非常に考えさせられました。
文学的境地に達したような気がして、本賞を受賞いたします。
「とはなんだろう」私も追い追い考えていきたいと思います。
ユン・セリ特別賞
【第12話】平気よ。私は山も、海も、空も、制覇したわ。それにソウルは私の庭よ。(略)私は恩返しと復讐はきっちりやるの。
これはセリでなくては発することのできないパワーワード
ソン・イェジンさんの赤ちゃんが生まれて一ヶ月ほどたった時のInstagramコメントが思い出されます。
「自分よりも愛する人に出会った時、自分の無力さを感じると同時に、何でもできる強靱さを感じました。」
セリは、どんなことだってしてみせる気でいたでしょう。
それを端的に表現しえたセリフ、お見事です
「フロンティア精神」賞
【第13話】自分は自分で守る。私を信じて。私は自分の世界で私の持っている地位や人、お金全てを動員してチョルガン、いえ、誰にだってやられないわ。私を信じて、もう行っていいわ。あなたの世界へ。
同じくセリの強さをみせたセリフです。
愛する人の人生を思えばこそ、みずからが強くなる「新しいヒロイン像」を開拓したことが評価されました
「世界平和」賞
【第14話】ウピルからお父さんの教えを聞きました。「友達とは仲良く」って。なのに私は否定したんです。「世の中はそんなに美しくない。「先にパンチを食らわせなさい」って。でも内心は、お父さんの教えが正しいといいなって、そう思いました。美しい世の中になってほしい。
ドラマ「愛の不時着」で北の生活を、いくぶん盛っている部分はあるかもしれないけど、きちんと取材して、また人情味のある描き方をしているのは、世界中の国であろうと、人であろうと、「仲良く」できれば「美しい世界」になるのでは、という願いが込められているからではないかと思います。
それは政治的なイデオロギーを超えた理念で、視聴した全員が願ったことでありましょう。
ノーベル平和賞を意識して、「世界平和賞」を授賞することにいたしました
「ドラマ」賞
【第13話】私は今、すごく幸せだわ。人は死の間際に一瞬だけど走馬灯のように人生で一番よかった瞬間が頭をよぎるというでしょ。たぶん、その瞬間の中に今があると思う。(後日)リさん、私はあなたのその言葉だけで十分だったわ。十分に私に与えられた幸せを満喫したの。
ドラマティックのひとこと。
このセリフだけで、ひとつのドラマを感じたので、「ドラマ」賞を設定しました。
初見の頃は、ぼんやりしてて感じなかったけれど、この「走馬灯」発言が、直後の悲劇を予告しています。そして、その悲劇に見舞われたときの、セリの言葉には泣かされます。セリのこれまでの身の上を思えば、「十分」と満足するセリの慎ましさに胸が震えます。(あれだけ高飛車発言を繰り返してきたのに!)
やっぱ「ドラマ」賞以外は考えられません
「感動の渦」賞
【第16話】それより、もう会えないの? 2度と会えない? 一生? どうしよう。会いたくてたまらなくなったら。
視聴者がいちばん泣いたのは、このセリフだと迷いなく断言できます。たたみかけるように発せられる短いフレーズが、聞く人の気持ちを揺さぶります
「脚本」賞
【第15話】あなたと出会うために全ての出来事を最初から、もう一度経験する選択。時間を巻き戻しても、100回巻き戻しても、あなたと出会い、あなたを知り、恋に落ちる。その危険で悲しい選択をすると、私は分かっていた。その選択をして、私は幸せだったわ、リさん。
セリは結構、哲学的というか、理論派というか、結構(私には)難しいことを言います。
なぜその言葉なのか、どうしてこういうことを言うのか、分かりたくなります。
そして私は「愛の不時着」を何度も観ることになり、100回観ても(数えていないので、実際は何回観たか分かりません)、まだ発見することがあります。
100回観る選択をして、私は幸せだったわ、脚本家の先生
「愛の不時着スピリッツ」賞
【第10話】「会いたいと心から願えば、会いたい人に会えるかな」
【第16話】会いたいと願わないと生きていられないから。だけどあの人は、私がどこにいても見つけてくれるの。いつかは会えるはず。
一連の流れをくむセリフとして、同時授賞です
ヒョンビンさんもこのセリフがお気に入りなのか、2020年に「愛不時」のファンだと語った鶴瓶師匠に手紙を寄せたとき、このフレーズをお使いになっていました。
「愛の不時着」のテーマを具現化した、人の心の真に迫る美しいセリフだと思います。
ワタクシは、これを「大賞」候補にしておりましたよ。
コメントをくださったmargaretさんも、ドラマ後半はこのセリフ押しですって
nisneディレクターズチョイス賞
【第16話】彼とは暖かい春も、暑い夏も過ごしたことはなかったけど、数日ごとに届くステキなメールのおかげで四季を共に過ごしている気分になれた。私が悲しむと、彼もそうなりそうで、私は精いっぱい笑って、感謝して、幸せになろうと努力した。
文学賞にしたいくらい美しいセリフです。
確かに「暖かい春も、暑い夏も一緒に過ごしていないなー」と、しんみりしているところに「メールのおかげで四季を共に過ごしている気分になれた」なんて、いじらしいセリのモノローグを聞けば、ぐっと心をつかまれます。
それに続いて、自分が悲しむと、ジョンヒョクも悲しくなりそうで、彼のためにも「私は精いっぱい笑って、感謝して、幸せになろうと努力した」なんて
こんなセリを愛さずにはいられません
私でよければ、抱きしめてあげたい・・・・・・。(←迷惑よね)
「愛の不時着」大賞
【第5話】インドではこう言う。「間違った電車が時には目的地に運ぶ。」
私もそうだった。私の人生は乗り間違いの連続。だから1度は途中で全て投げ出したくて、どこにも行きたくなくて、飛び降りようとした。
でも今の私を見て。とんでもない乗り間違いで、なんと38度線を越えちゃった。
でもね、思いどおりにいかなくても、将来を考えてみて。
私は、私が去ったあとも、あなたには幸せでいてほしい。どんな電車に乗っても、必ず目的地に着いてほしい。
なんだかんだいって、コレでしょう
このセリフが、ドラマ「愛の不時着」のすべてを表現しています。
セリの、このセリフに導かれるように、ジョンヒョクは常識を乗り越えた発想で「将来」を考え、「目的地」に着きました。
モンゴルでロケをしたというこのシーンは、ヒョンビンさんが「記憶に残るシーン」として挙げていらっしゃるだけあって、ビジュアル的にも最高で、寄り添う2人の姿も美しく、また衣服、髪型などのファッションも最高にカッコ良く、もちろん2人の表情もすべてにおいて、最高でした。セリフも最高だったのですね
選考前から、うっすらこのセリフが優勝候補だと予想していましたが、審議中は後半の感動セリフを押す流れがありました。しかし熟慮のすえ、本セリフがやはりドラマを代表するセリのセリフだと押す内なる声が聞こえ、大賞受賞に至りました
100回時間を巻き戻しても、この選択になると思います。多分
まとめ
ドラマを視聴していて、「このセリフ素敵だな」「このときの表情好き」とか、いろいろ考えますが、セリ1人だけのセリフに着目して考えたことがなかったので、今回のシリーズを通して、改めてセリの人物像に惚れる思いがしました。
賢くて、思いやりがあって、けなげで、強くて、美しくて、可愛いセリの、唯一欠点を挙げるとすれば「高飛車」ですが、もうそれさえも愛おしく思えます。
ソン・イェジンさんご自身がとても魅力的なお方だからこそ、卓越した演技力とあいまって、セリのキャラクターがみごとに体現されたのだと思います。そんなイェジン様のお誕生日をお祝いし、ますますのお幸せをお祈り申し上げます