こんにちは
あっという間に師走も半ばになりました。
「サザンカの花が可愛いな」と思って撮り、ここに貼り付けたとき、「サザンカ」という歌謡曲があったのを思い出しました。
「さざんか」でもなく「山茶花」でもなく「サザンカ」だったなあと思いながら、はて、どんな曲だったか思い出せない・・・
YouTubeで検索して、やっと分かりました。
5年前の曲のようです。あー、あの頃我が子はセカオワが好きで、私もよく聴いてたっけ
特にこの曲のMVは俳優の神木 隆之介さん(だぶん)が夢に向かって頑張る弟を演じていました。このたび数年ぶりに視聴したら改めて感動しました
兄弟の愛ってなかなか語られませんが、思えばドラマ「愛の不時着」は、兄弟の美しくもかなしい愛が描かれていました。
ということで、今回はムヒョク&ジョンヒョクをテーマにすると思いきや、手のひらを返すように全く違う「セリ&ダン母」です
第4話で初登場するダン母
かつて「母」の視点でダンのお母さんについて語ったことがありましたが、ダン母は【第4話】で初登場します
ジョンヒョクとチス、ジュモクで、セリの飛ばしたハート🫰について検討したシーンの後、立派な車から降りて、ダンと弟を従えてデパート内を歩くところです。
この大名行列的なシーン、どこかで見たことがあるような。
ドラマ「シークレットガーデン」でヒョンビンさん演じるキム・ジュオンもデパート内で「大名行列」していたし、「キム秘書はいったい、なぜ」でもパク・ソジュンさん演じる副会長も大名行列していました。この「大名行列」って、企業トップにいる人の「あるあるシーン」なのでしょうか???
「愛の不時着」でもありました。
そうです、【第1話】のセリです。
なんとセリの初登場もから降りるところで、ドラマ上2,3分後にホン広報チーム長らを従えて「大名行列」をしています。なんか似てないとふと思い、似ているところを書き出したら、思いのほかいっぱいあったのでここに語りたくなりました
ちょっと寄り道:初登場のしかた
そのまえに、上記「セリの初登場もから降りるところ」とキーボードを打ったとき、ふと思い出したことがありました。ヒョンビンさん&ソン・イェジンさんが初共演した映画『ザ・ネゴシエーション』(2018年)で、イェジンさん演じるハ・チェユンの初登場シーンも車から降りる美しいおみ足でした。そしてなんと、ヒョンビンさん演じるミンテグも初登場は車から降りるところでした。
急に検証したくなりました。「愛の不時着」主要メンバーの初登場シーン。
ジョンヒョク:【第1話】車中(降りる動作はナシ)
ク・スンジュン:【第1話】車から降りるところ
ソ・ダン:【第3話】飛行機のタラップを降りる手
みんな乗り物にかかわる場面です
車の車種も含め、車の降り方でパッと登場人物の雰囲気がつかめるので、「初登場は乗り物から降りる」は映像表現における常套手段なのでしょうか? 確かにドラマチック
念のため、ヒョンビンさん主演ドラマ「アルハンブラ宮殿の思い出」を確認したら違いました。ヒョンビンさん演じるユ・ジヌは、ヒロイン(パク・シネさん)のホステルを訪れたところが初登場でした。「シークレット・ガーデン」では豪邸の朝が初登場で、2回目の登場が車の運転姿でした。あんまり関係ない、か
セリとダン母の類似点
①初登場シーンは車から降りる
セリ:【第1話】カッコいい赤い車から降り立って初登場
ダン母:【第4話】カッコいい黒塗りの車から降り立って初登場
②「大名行列」のボス
セリ:【第1話】ホン広報チーム長らを従えて。
ダン母:【第4話】ダン&弟の大佐を従えて。
③女性経営者として成功している
セリ:セリズチョイスを立ち上げ、株式上場をとげ、14もの海外店舗を展開している
ダン母:弟の大佐に汚職する心配がないほど高収入
*ふたりとも海外までファッションショーを見に行ったり、買い付けに行ったり、大活躍
④最初から押しが強く、前向き志向
セリ:北に不時着しても、ひるむことなく兵士らに立ち向い「貴重な体験」と捉える。
ダン母:英語で恥をかいたらしいけど、くじけず英語を学んでお客様にも対応
⑤口角泡を飛ばして主張
セリ:【第4話】市場の売り子さんに「累積販売数2000万個なの」
ダン母:【第4話】ママ友に「ダンを7年も待ち続けてきた総政治局長の息子がいるの」
*ふたりとも相手に顔を近づけてツバを飛ばしながら主張しています しかも、上記2シーンはダン母(デパート)→セリ(野外市場)とシーンが連続しています。
やっぱプチ対比を意識しているのかな
⑥【第5話】に試着シーンがある
セリ:さまざまな北のファッションを楽しみ、舎宅村の女性達に見せる。
ダン母:ジョンヒョクが来訪すると知り、さまざまなドレスを試着して弟に見せる。
*セリの試着シーンは、【第11話】ジョンヒョクの試着シーンとプチ対比と思っていたけど、ダン母ともプチ対比できるとは
⑦「鼻をへし折る」志向
セリ:【第5話】市場で舎宅村の女性達に「平壌で婚約者の鼻をへし折ってきなさい」と言われ、「昨日スッピンで(ダンの)鼻をへし折りました」と返す。
ダン母:【第4話】ダンに「(友人の)鼻っ柱をへし折ってきてやりなさい」と言う。
*朝鮮語ではどのような表現になっているのか知りませんが、「鼻をへし折る」という表現に久しぶりに接したなーと思いました。さすが翻訳者の言語センスは素晴らしいと思います
⑧村の女性達に最初は嫌われるけど、すぐ飲み会するほど親しくなる
セリ:【第5話】タラビー(鱈&ビール)
ダン母:【第14話】シャンパンで乾杯
⑨「さっき何て言った?」という聞き方
セリ:【第5話】ジョンヒョクに対して、3つ前のセリフを言わせる
ダン母:【第14話】ウォルスクさんに対して、3つ前のセリフを言わせる
*思うに、これが一番の類似点な気がします。ひとつづつセリフを遡らせて、3つめをちゃんと答えられるジョンヒョクとウォルスクさんてすごいなー
⑩言いたい放題言える人(男性)がいる
セリ:ホン広報チーム長や、購買チーム長
ダン母:弟の大佐
*偶然かもしれないけど、こういう存在がいてくれるって、幸せだよねと思います
⑪果敢に乗り込み、財力を使って懐柔する能力
セリ:【第12話】強面の男達に屈せず中国語でやり返し、家賃無料や礼金で情報を求める
ダン母:【第7話】村の女性達から邪険に扱われるけど、化粧品でをつかむ
【第9話】エレベーター係にお金を渡して口封じ
⑫冷蔵庫を開ける
セリ:【第10話】【第16話】自宅の冷蔵庫を開け、中身を見る
ダン母:【第7話】新居を見学に行ったとき、中身を見る
*冷蔵庫は、ジョンヒョクも【第14話】エピローグで、ダンも【第12話】風邪で寝込むク・スンジュンに呼ばれて、冷蔵庫を開けるシーンがありました
⑬大事な家族を早くに失っている
セリ:母
ダン母:夫
⑭公平なバランス感覚
セリ:【第4話】ヨンエさんにい取り入りたいからと手柄を独り占めすることなく、ミョンスンを立てる
ダン母:【第15話】ク・スンジュンが詐欺師だからといって娘から引き離そうとするのではなく、娘の気持ちを第一に考える
⑮アルバムを見る
セリ:【第9話】ジョンヒョクのアルバムを見て美貌に感心する。
ダン母:【第10話】ダンのアルバムを見て美貌に感心する。
⑯村の女性達にプレゼントをする
セリ:【第8話】市場の質屋で物々交換
ダン母:【第7話】【第13話】【第16話】化粧品
数え間違いを防ぐために、ナンバーを振ったら「16」あった
すごくない?
類似点から思うこと
セリとダン母は、ドラマの中で一度も会って話をしたことがありません
唯一同じ場所にいたといえるのは【第7話】沙里院の病院で、見舞いに来たダン母子を、セリが見かけて避けるシーンで、ほぼすれ違いです。
なのにこのシンクロ率の高さといったら
どう解釈すればいいのでしょうか?
まさか、セリの将来像という訳でもないでしょう
人生は人それぞれの物語があるはずです。
セリとダン母は、どちらも財力があり自信満々で、ともすれば嫌味な人になりかねません。でもそれぞれ心に傷みがあり、健気なほどに一生懸命に生きています。そんなところを愛せずにはいらせません
いろんな愛を語る「愛の不時着」において、愛さずにはいられないキャラクターを生み出してくれたことで、私たちは「人を愛する」というあたたかさを心に宿すことができたのかもしれないな、と思います。
愛すべきキャラクターだけど推しの強い2人が相まみえたら、どんな戦争が勃発するのかしらと思います。でも、これだけ類似点があれば、セリ&ピョ・チスみたいに案外いいコンビになったりして
セリ&ダン母のハイライトシーン
似たもの同士のセリ&ダン母のハイライトシーンといえば、ずばりコレでしょう
【第16話】化粧品「クリオ」を村の女性達が手にする
「北の市場にセリズ・チョイスの商品が置いてあるのなら、彼女たちへの思いを込めた商品を作ろう」そう思って、セリは「クリオ(恋しさ)」の商品を作ったのでしょうか。
村の女性達に対するセリの思い、そしてそれをしっかり受け止める女性達。会えないけれど、心を交し合うさまに、ぐっと感動する素晴らしい名場面でした
でも、これ、村の女性達が市場で見つけても良かったと思うのですよね
元々セリズ・チョイス商品は北の市場にありましたから。
それをなぜダン母がわざわざヨーロッパから持ち込んできたのか。
これは想像の域を超えないけれど、このシーンには「セリ&村の女性達」の心の交流だけではなく、「セリ&ダン母」の心の交流を感じます。
セリはダン母のことをまったく関知していませんが、ダン母にとっては「目の前にいれば骨でも折ってやりたい」ほどの存在です。それなのに「会えないのでは憎しみも湧きません」と言って、セリと村の女性達との橋渡しとなってくれました。
このダン母の「ゆるし」を語りたいがために、このシーンがあったのかな。
そう思うと、ここで、もうひとつの、とても大切な愛を教えていただいたような気持ちになりました