こんにちは
ドラマ「愛の不時着」から、ク・スンジュンをクローズアップして3回目。
けっこう飛ばして見ることが多いク・スンジュンさん(申し訳ありません)を改めて見てみると、色気のあるハンサムなお方だなあと正視するのも恥ずかしくなる気がしてきました。今さらですが
ま、私がこんなこと言っても、リ・ジョンヒョクさんは観葉植物を弄っていじけたりしないから大丈夫
と、いうことで、今回は誰よりも早く、そんなク・スンジュンの魅力に気づいたソ・ダンとの関係について語りたいと思います。
写真は、先日少し遠出をしたときに撮った柿の実。
色づいて、熟柿は下に落ち、畑の栄養にならんとしているように見えました。
ダンさんとの場面を振り返る
まずは、ダンさんを主語にして、2人が一緒の場面を簡単に振り返ります。
【第3話】平壌空港でスーツケースがぶつかり、会釈する程度①
【第4話】山中で置き去りになっているところ、車に乗せてもらう②
【第6話】平壌ホテルの屋上で再会し、初めて名乗り合う③
【第7話】ジョンヒョク宅前で会い、車中で待った後、ククスを一緒に食べる④
【第8話】電話で呼び出し、喫茶室でリリカップル引き裂き?会議⑤
【第9話】ホテルのバーで昔話。酔って、負ぶわれて自宅まで送ってもらう⑥
【第10話】ホテルでク・スンジュンの窮地を救う。セリ脱出作戦を聞く⑦
【第11話】女子会後、ク・スンジュンの車で新居に行き、ラーメン⑧
翌日デート⑨
【第12話】風邪のク・スンジュンに呼び出され、過去の話を聞き、酔い潰れる⑩
【第13話】翌日、新居に母が来て、母が気に入る。
村の女性達をダンは寄せ付けないが、ク・スンジュンは対応する。その後、ジョンヒョクがソウルに行ったと聞き、ショックを受ける⑪
【第14話】夜、心配してくれてるク・スンジュンに呼び出される⑫
【第15話】舎宅で指輪をもらう⑬。翌日空港へ送る⑭。拉致現場⑮
【第16話】撃たれたク・スンジュンと救急車で話す。+(回想シーン)
ドラマ上ではざっと数えて15回しか会っていない2人です。
最初はお高くツンと取り澄ましていたダンが、いつの間にか惹かれ、別れには涙を見せずとも、別れた後は嗚咽し、再会するまで何年も待とうと思うくらい愛するようになりました。
ク・スンジュンの人生を考えれば、真の愛にたどり着いたのは良かったけれど、それはほんの束の間で、切ないばかり。
ダンさんは、いったい、なぜ?
なんか、ドラマのような見出しタイトルをつけてしまいましたが、ここで問題にしたいのは、【第3話】【第4話】では剣もほろろだったダンが、【第6話】でどうして弱みを見せたのか、ということです。
このシーン、見ていて「あれっ」と思ったのですよね。
あれだけプライドの高いダンが、「ホテルで婚約者が女と一緒にいた」と屈辱を言うなんて。私だったら、絶対に言えない、と思いました。
でも、どうしてダンは、ここで言ったんだろう。。。
うううーん
思えば、ダンは長期海外留学の経験者でもあり、精神的に自立していたように思います。特に私が感心するのは、ジョンヒョクに対する不審や疑惑、不安を母親にひとことも洩らしていないことです。
でも母親にしてみれば態度で推し量れるところがあり、不安になってジョンヒョクの家まで行ってみる(第8話)こともするのですが、それを聞いたダンは、かなり驚き、中隊員達から聞いた呆れた話を酔っ払って忘れたと聞くや、ほっと安堵しています。
母に知れたら大騒ぎになる、母が知ったら心配すると、冷静なダンは母の性格から、そんなことを考えたのでしょうか。それとも、婚約者が他の女性に気持ちが行っていることを明らかにするのはプライドが許さなかったのでしょうか。
母には知られることなく解決したいダンです。
私は、一種の権力者たる母に頼らないダンをエラいと思いましたよ
話を戻して、女友達の場合、【第6話】で女友達から注進されても「知ってるわ」とウソをつき、口が裂けてもホントのことは言いません これはプライドですな。
それでは、なぜ【第6話】で、ダンはク・スンジュンに話すことができたのでしょうか。この時点では、彼がセリと知り合いだということを知っていません。
うーん。
理由をあげるとすれば、別件でク・スンジュンが言っていたように(第13話)、「どうでもいい俺」に話したということ?
ダンちゃんは、リ・ジョンヒョク以上に表情を変えないアイス・ドールだからよく分かりませんが、誰にも心を分かち合って話せないから、まったく赤の他人なら話せたということ? 普通、口の軽そうな男とは関わり合いになりたくないけど、ダンは、そう思わなかったのね。それほどまで苦しく、誰かに言ってしまいたかった???
そして、赤の他人でも、「この人なら」という恃みがあったの?
何か第6感でも働いたの?
そうなの? そういうこと? それしか考えられません。
なんでグチグチ考えているかといいますと、このホテル屋上で「婚約者が女と一緒にいた」と話したことが、2人の関係を変えた重要ポイントと思うからです。
人に知れるのもイヤなことを、ク・スンジュンには話せた・・・・・・これは、すごいカミングアウトで、分岐点になったのではないでしょうか。
ここで弱み?みたいなもの、すなわち「素」をさらけ出して言える勇気があったからこそ、ク・スンジュンから手を差し出されて一歩踏み出し、名乗って握手することができたように思います。
これをきっかけに、彼女は「私の方が先に出会ったのに」(第9話)と愚痴を言い、「忘れられるなら愛じゃないわ」(第10話)と未練がましい本心までク・スンジュンの前では言えるようになります。
その後、いろんなことを経て愛を感じるようになるのは、この時に想像できたように思います(感の鈍い私は初見の時に想像できなかったけど)。
やっぱり、なんであれ、自分をさらけ出すことができてこそ、人と心を通じ合わせることができるのか―――そんなことを考えさせられたシーンでした。
ダンに伝えた、ク・スンジュンの名言
ク・スンジュンは準主役として、この物語を牽引する(事の重大さをセリに認識させる、セリの脱出やジョンヒョクの南行きを助けるなど)大きな役割を果たすのですが、それだけでなく、メモして記録しておきたいような人生の名言を多く吐いています。
「暗い顔をしていると婚約者が離れていく。男は自分の女が苦しむのを見たくない」
「男女関係は最初がすごく肝心」(第6話)
「人がときめくのは結末を知らないからだ」
「結婚式の日を決めるより先に心をつかむべきだった」(第7話)
「初恋に長く浸りすぎるのはよくない。恋に恋してちゃダメだ」
「淡い思い出にしておくのがお互いにとって良い、美しい」
「それは愛じゃない執着だ。愛が古くなって腐ったんだ。そんなものは捨てろ」(第10話)
「欲深いヤツを騙すのは本当に簡単」
「真の復讐は幸せになること」(第12話)
これらの名言は、すべてソ・ダンを前にして発せられたものでした。
彼の名言をダンちゃんが引き出してくれたと思うと、やはり2人はベスト・パートナーということ
彼女と一緒にいるク・スンジュンは人間的魅力にあふれています。
「どちらかが生き残る」とは?
【第15話】のラスト、ク・スンジュンのモノローグがあります。
「もし俺たちのどちらかが死に、1人が助かるとしたら、そう決まっていたのなら、死ぬのは俺で、助かるのは君であるべきだ」
これは順当に言って、俺たちとは「ク・スンジュンとダン」のことなのでしょうね。
死ぬなら自分で、ダンさんには生きてほしいと。
空港でチケットを食い千切り、逃亡ではなくダンを守るほうを「選択」したことに対する、自己肯定なのでしょう。
でも、このシーン。残酷なことにセリの危篤と同時進行になっています。
ものごとに陰と陽があるように、このドラマではあらゆるものが対比する仕組みになっていますが、
こんな場面で対比はやめてーと、一番大きい文字サイズを選んでしまいましたが、ホントにそう思いますよ。
そのために、ク・スンジュンの「俺たち」が「ク・スンジュンとユン・セリ」にも思えてしまいます。
この時点で、ク・スンジュンは当然セリの危篤は知らないのですが、ドラマの仕立てで、私たち視聴者に「俺たち」のもう1人が「ダン」「セリ」2重の意味で伝えてきたのかなあと。なんと重層的な。なんと文学的な。
となれば、第15話のラスト、次号予告というと変ですが、この時点で運命を告げていましたね。でもやめてー
ちょっとこのままの気持ちでは終われないから、もう少しおしゃべりいたします。
ダンとの関係におけるク・スンジュンの功績
ダンちゃんは、ク・スンジュンと出会ったことで「素の自分」をさらけ出すことができ、(第9話で「私の勝手よ」と言わせるあたり。私もハートを射抜かれましたよ)、また愛される幸せを実感することができました。
それは切ないながらも、私たち視聴者にとっての喜びでもありますが、ク・スンジュンの功績として第1は、あのダンちゃんの笑顔を引き出してくれたことに感謝したいと思います。
ラーメンのときに見せた神秘的な笑顔(第11話)。
デートの車中で見せた屈託のない笑顔(第16話回想)。
そして、それはク・スンジュン、あなたが目の前にいるときだけではないの。
【第16話】ダンちゃんがラストに出て来る場面、チェロを肩にかついで平壌の並木道を颯爽とひとりで歩くときにこぼれた素敵な笑顔。
これはね、あなたがダンちゃんを今も支えていることを伝えてくれる笑顔よ。
ありがとう。←いつの間にかク・スンジュンに語りかけてる・・・。
まだ語り足りないので、続きは次回にいたしませう。