真っ裸で、すってんころりん。 | HawkerBase ムカイ林檎店 西淀店ブログ

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新しい年を迎えて間もない13日。

あんなことが自分の身に起こるなんて思いもしていなかった。


その日の午後、長らく調子の悪かった家のテレビを引き取ってもらう為、母と共に電気店に行き、リサイクルの申請を無事に終えた。

気持ちもすっきりとその足で姉の家に遊びに行き、姉の美味しい夕食をご馳走になり、賑やかな一家団欒の時を過ごした。

そろそろ帰ろうかという時間になった頃、スマートフォンを眺めていた母が言う。近所の洋服屋が今日まで格安セールをしていると。それでは是非行こうではないかと時計を見ると、閉店の15分前。車に荷物を運びこんでくれた姉や姪との挨拶もほどほどに慌てて車に乗り込みお店へ急いだ。

このまま行けば5分前に入店できるのではないかと順調に車は進み、目的地が見えて来たところで、お店の電気が消えているのが目に入る。閉店時間は1時間前だったのだ。小さな舌打ちレベルの落胆を経て、まっすぐ家路へついた。


帰宅後、入れ替わりで手に入れた貰い物のテレビを早速つないでみたところ、廃棄したテレビと同じような症状になるではないか。だとすると原因はテレビではなく、ケーブル、もしくはアンテナ等なのか。それではあのテレビを手放す必要はなかったではないか、という結論にいたり、これには、なかなかがっくし悔しんだ。


明日の朝になれば、電気店にちょっと待ったの電話をしてみよう。そんなことを考えながら、シャワーを浴びるため浴室へ向かった。全ての衣をはがし、最後に眼鏡をはずし、寒い寒いと身体を縮めながら、浴室の扉を開けて一歩踏み出したとたん、「あっ」と思った時には打つ手なし。浴室の床に足をとられて、すってんころりん。重量49.25㎏の肉の塊が鈍い音と共に床に叩きつけられた。幸い身体はさほど痛くもなく、それよりも衝撃だったのは右手に握られた物体だった。それは浴室の扉の取っ手。扉を開けた際に手にしていた取っ手を、滑った瞬間に支えにしようと手放さなかったのだ。そうして49.25㎏もの重さをかけられた取っ手は残酷にも本来の場所からはぎとられてしまった。

やってしまった、、と素っ裸で呆然としていると、衝撃音を聞きつけた母がすっとんで来てくれた。しかし、こちらは素っ裸。加えてすっ転んだ恥ずかしさと、扉を壊してしまった申し訳なさが相まって、「頭打ってないか?!」の返答に「大丈夫です。とりあえずお風呂に入ります。」と身を小さく折り畳んで返答。転倒が原因となり風呂場で死んでしまいやしないかと母が心配するであろうと、早くあがるべく、いつもより倍速で頭髪を、顔面を、身体を洗いながら、つい先ほどの出来事にやっと向き合うことが出来たとたん、ひとりクスクスにやにやと笑いが込み上げてくること。ひと通りにやけた後は、扉の心配である。

母がひとりで住む一軒家。ここを取り壊してアパートにでも引っ越したほうがいいよね。どこかガタがきて修理費が必要になる前に引っ越さなくてはね。と、つい昨晩家族で話したばかり。引越しの時期を早める原因を私が作ってしまった。。ごめんなさい。

とりあえずは扉崩壊の原因ともなった、この身体の肉を成敗すべく節制いたします。


まさにトホホ。

これぞトホホな一日。


こんなに何もかもうまくいかない日っていうのはあるもので、それでも笑っていられるのは、それは近頃、さくらももこさんのエッセイを読むのにハマっているから。どんなトホホも不運も喜劇にしていまうお話が面白くって。そんなイズムで今年も乗り越えるぞと新たな年をスタートさせます。