アルガルベカップ・アイスランド戦、後半11分、左SBの北川選手が負傷退場しました。
スローインのボールを、ライン際でアイスランド16番の選手と競り合い、背後からタックルを受けました。
スライディングしたアイスランドの選手の足先に、北川選手の右足の先が引っ掛かってしまい、足首を内側にひねった様子です。
ひねった形で地面に落ちれば、足首の外側が伸びたまま自体重が乗って靱帯を損傷した可能性が高いです。外くるぶしをアイシングする応急処置が施されていたので捻挫でしょうか。
なでしこジャパンとして初選出され、大会前から特集が組まれ注目の選手として脚光を浴びていただけに、なんとも残念なアクシデントにより、リタイアとなってしまいました。
フル出場したスペイン戦から引き続きスタメンは、欧州の上背が優り体格差ある相手との連戦となり、北川選手にとってはまだ時期尚早ではなかったかとも思えます。
スペイン戦を見る限り、まだ代表選手としては未成熟で敵わない体力面や、チームの連携に戸惑う場面が多く見受けられましたので、パフォーマンスを欠いていたぶん今回も先発から出場は意外でした。ですが、人気選手に仕立てようという思惑もうかがえて、いつも以上に無理を強いられてはいなかったか、気になる点ではあります。
北川選手は特に、パンクするまで全力でプレーを貫こうとする人一倍がんばる選手であり、今までも試合後半になるとアクシデントに見舞われるのは何度か見て来ただけに、いずれ大事に至らないかと心配ではあったのですが。
若く回復力があり起用されるかぎり、とことん全力でプレーに臨む姿勢は、レッズレディースでも好感を抱かれる部分ではありますが、外からうまく適度に制御してあげなければ、酷使され潰れてしまう危険もはらんでいると思われます。
もちろん、今回のアクシデントは、後ろから不意に足が伸びて来て交わし切れなかった不運に見舞われたことで、必要以上に起用されて来たとか、どこかに責任を問いただすつもりはないのですが、初の大舞台でもう少し余裕をもって臨ませていたならと、つい親身な思いにも駆り立てられるのです。
欧米では日頃から当たり前のマッチアップした場面であることは、女子ブンデスリーガなど見ていれば解るのですが、それにしてもなりふり構わず突っ込んで来て危険でした。北川選手にとっては、かつてないタックルの深さであり足の長さでもあり、初陣から欧米の洗礼を受ける形になってしまったでしょうか。
今までどんなに叩きつけられ痛められても、這い上がって復活してきた選手だっただけに、担架に乗せられ退場はショックでした。
今はとにかく大事に至らないことを、切に願っています。
まだまだこれからの、意欲あふれる選手に、ご加護のあらんことを。