山郷 のぞみ
GK
1975年1月16日
身長/体重 164cm/61kg
出身地 埼玉県旧大宮市
ニックネーム のんちゃん
ASエルフェン埼玉は12月9日、なでしこジャパンGK山郷のぞみが今シーズン限りで現役を引退すると発表。
「女子リーグに初出場してから21年目の今シーズン、現役引退を決めました。女子サッカーの苦難の時代から現在に至るまで、応援してくださったサポーター、関係者、先輩、そして喜びも苦しみも分け合い一緒に闘ってきた仲間に、心から感謝します。悔いのないサッカー人生を送れたのは皆さんのお陰です。」
<女子サッカーリーグ(なでしこリーク)での経歴>
1993年~1999年 プリマハムFCくの一;在籍
2000年~2001年 伊賀FCくの一
2002年~2004年 さいたまレイナスFC
2005年~ WPSL;カリフォルニアストーム(アメリカ)
2005年秋~2012年 浦和レッズレディース
2013年~2014年 ASエルフェン埼玉
【リーグ戦・戦績】
年度 | 所属クラブ | リーグ | 出場 | チーム成績 | 表彰 | 皇后杯 | リーグ杯 |
1993 | プリマハムFCくノ一 | JLSL | 16 | 6位 | - | - | - |
1994 | プリマハムFCくノ一 | Lリーグ | 2 | 3位 | - | 優勝 | - |
1995 | プリマハムFCくノ一 | Lリーグ | 7 | 優勝 | - | - | - |
1996 | プリマハムFCくノ一 | Lリーグ | 18 | 2位 | ベストイレブン | - | - |
1997 | プリマハムFCくノ一 | Lリーグ | 18 | 3位 | - | - | 優勝 |
1998 | プリマハムFCくノ一 | Lリーグ | 14 | 4位 | - | 優勝 | 優勝 |
1999 | プリマハムFCくノ一 | Lリーグ | 14 | 優勝 | ベストイレブン | - | - |
2000 | 伊賀FCくノ一 | Lリーグ | 12 | 2位 | - | - | - |
2001 | 伊賀FCくノ一 | Lリーグ | 14 | 4位 | ベストイレブン | 優勝 | - |
2002 | さいたまレイナスFC | Lリーグ | 11 | 3位 | ベストイレブン | - | - |
2003 | さいたまレイナスFC | Lリーグ | 22 | 4位 | ベストイレブン | 3 | - |
2004 | さいたまレイナスFC | Lリーグ1部 | 14 | 優勝 | ベストイレブン | 4準優勝 | - |
2005 | カリフォルニアストーム 浦和レッズレディース |
WPSL Lリーグ1部 |
- 7 |
- 5位 |
- | 4 | - |
2006 | 浦和レッズレディース | なでしこD1 | 16 | 2位 | - | 3 | - |
2007 | 浦和レッズレディース | なでしこD1 | 21 | 3位 | ベストイレブン | 3 | 2 |
2008 | 浦和レッズレディース | なでしこD1゙ | 21 | 3位 | ベストイレブン | 2 | - |
2009 | 浦和レッズレディース | なでしこD1 | 21 | 優勝 | ベストイレブン | 4準優勝 | - |
2010 | 浦和レッズレディース | なでしこ | 18 | 2位 | ベストイレブン | 4準優勝 | 0 |
2011 | 浦和レッズレディース | なでしこ | 6 | 3位 | - | 0 | - |
2012 | 浦和レッズレディース | なでしこ | 13 | 4位 | - | 0 | 4 |
2013 | ASエルフェン狭山FC | チャレンジ | 19 | 2位 | - | 3 | - |
2012 | ASエルフェン埼玉 | なでしこ | 22 | R8位 下位2位 |
- | 1 | - |
<日本代表出場(なでしこジャパン)主な経歴>
1997年 親善試合中国戦で代表デビュー
1998年 アジア大会(タイ)
1999年 第3回FIFA女子選手権(アメリカ)~今のW杯
2002年 アジア大会(韓国)
2003年 第4回FIFA女子ワールドカップ(アメリカ)
2004年 アテネ五輪
2007年 第5回FIFA女子ワールドカップ(中国)
2008年 北京五輪 4位(バックアップメンバーで現地メンバーには帯同せず)
2008年 東アジア女子サッカー選手権@中国 優勝
2010年 東アジア女子サッカー選手権@日本 優勝
2010年 アジア競技大会@広州 優勝
2011年 第6回FIFA女子ワールドカップ(ドイツ) 優勝
【代表試合出場経歴】
年 |
出場 |
1997 | 6 |
1998 | 8 |
1999 | 10 |
2000 | 4 |
2001 | 10 |
2002 | 15 |
2003 | 10 |
2004 | 5 |
2005 | 4 |
2006 | 4 |
2007 | 3 |
2008 | 3 |
2009 | 2 |
2010 | 7 |
2011 | 1 |
【リーグ戦・歴代出場試合数上位選手一覧】※200試合以上出場選手
①山郷のぞみ 326試合
(プリマ・伊賀くノ一→さいたまレイナス→浦和レッズレディース→エルフェン埼玉)
②澤穂希 300試合
(ベレーザ→INAC)※米リーグの記録は除く
③増田明子 279試合
(日産→フジタ→YKK→狭山→鹿児島)
④小野寺志保 275試合
(ベレーザ→大和)
⑤新甫まどか 260試合
(TASAKI→大原学園→高槻→鹿児島→JSCL→出雲)
⑥大部由美 257試合
(日興証券→OKI→YKK→マリーゼ)
⑦加藤(酒井)與恵 246試合
(ベレーザ)
⑧原歩 245試合
(ベレーザ→伊賀→INAC→エルフェン)
⑨柳田美幸 239試合
(ベレーザ→TASAKI→浦和)
⑩池田(磯﨑)浩美 236試合
(TASAKI)
⑪大野忍 233試合(1部225、2部8)
(ベレーザ→INAC→狭山)※英・仏リーグの記録は除く
⑫那須麻衣子 232試合
(伊賀→INAC→伊賀)
⑫堤早希 232試合
(プリマ、伊賀)
⑬宮本ともみ 228試合
(プリマ、伊賀→マリーゼ→伊賀)
⑭高倉麻子 226試合
(ベレーザ→松下電器→高槻)
⑮小林弥生 223試合
(ベレーザ)
⑯福元美穂 224試合(1部209、2部15)
(湯郷)
⑰荒川恵理子 215試合(1部195、2部20)
(ベレーザ→浦和→エルフェン)※米リーグの記録は除く
⑱三浦香子 213試合
(バニーズ→清水第八)
⑲川上直子 210試合
(TASAKI→ベレーザ)
⑳宮間あや 209試合(1部195、2部14)
(ベレーザ→湯郷)※米リーグの記録は除く
⑳伊藤香菜子 209試合(1部187、2部22)
(ベレーザ→エルフェン)
・甲斐潤子 207試合
(TASAKI→INAC)
・岩清水梓 202試合
(ベレーザ)
・片桐ひろみ
(フジタ→レイナス→新潟)※独リーグの記録は除く
※片桐選手については試合数不明
(2010年4月、250試合出場達成時の記念ユニ)
【レッズレディース(埼玉レイナス)在籍時の思い出】2004~2012年
2007年中国W杯
2008年7月北京五輪メンバー外れた直後の試合で完封勝利!
(@いわきグリーン vsマリーゼ戦)
この姿が、レッズレディースでの最後となった。
山郷さんの秀でたところ、まずやはりコーチング。DFに的確なポジショニングを取らせ、攻め入るコースやシュートを限定させることは、低身長な不利を補うことにも繋がる。同じく低身長ながらも大声を張り上げる福元が、まさに山郷の伝承者だといえます。チームに喝を入れ鼓舞し続ける面でも。
山郷さんで意外と知られてないが、足元の巧さ。2009年のレディーストークショーで、リフティングが最も上手い選手は?の問いに、柳田や安藤選手が山郷さんであることを異口同音に認めました。DFとGK間に出されたボール処理の迅速さは、抜け出して来た相手のプレッシャーにも落ち着いたボール捌きで事なきを得る。
抜け出て来た相手との1対1には、抜群の対応力をみせた山郷さん。至近で対峙する相手との間合いの詰め方の上手さはおそらく今でもなでしこNo.1だと思う。ゴールマウスから離れる勇気のいる処理能力は、セットプレイ時のキャッチングにも思い切りの良さを発揮する。さも当たり前のようにこなすのです。
しかしそんな山郷さんにも、侵してはならない絶対領域があるw 例えば2010年のアウェー新潟戦、右サイドの小原由梨愛選手が放ったクロスが、ミスキックでテンプラ気味にフラフラとゴールへ迫る→あろうことか、山郷さんが必死に伸ばす指先を掠めゴール右上隅に決まってしまう。小原、口を抑えて失笑w
小原選手の失笑が災いしてか!?きっちり逆転勝ちを収めた浦和ではあった。その試合は柳田選手の200試合出場でもありましたが。
華やかななでしこ選手たちとは一線を画し、謙虚で控えめながらも、試合では闘志を全面に、絶対的な存在感で見る者を惹き付けてきました。
今はもうやってないだろうけど、レディースは以前、練習後にレッズランドの土手を駆け上がる辛いアフターがありました。
若い選手達がへこたれる中、誰よりもしっかり健脚ぶりを見せてたのが山郷さん。ハイソックスを脱いだ生足の美しさといったら、俗に言うカモシカのようだった。鍛錬の賜物に他なりません。
つぎはぜひ指導者として、また浦和にも関わってほしいな、お疲れ様でした!
ありがとうございました。