レッズレディース開幕。昨年最も印象に残った試合、仙台戦。昨日も含めて | うらじょ

うらじょ

女サカ好きです。
浦和レッズレディース中心にはなりますけど
いろいろ好き勝手に書いてます。
よろしくですー

昨年のなでしこリーグ、レッズレディースの試合で最も印象に残った試合から、昨季を振り返り、いろいろ思うところを述べてみました。長文ですいません。

今季は選手にサポも、辛い思いをしたくない、思いも込めてー



2013年3月23日の開幕戦で快勝以来、リーグ第2節から第7節まで、あろうことか6連敗中の浦和レッズレディース。
第8節のベガルタ仙台戦は、5月12日仙台ホームでの試合。
前節、浦和のホーム駒場スタジアムでINAC神戸相手に0-3の完敗は、約7000人の衆目のもとで晒され、レッズレディースの降格に現実味を覚える、危機的状況であることが明確となった試合でもあった。
ホーム駒場でINAC神戸相手に、自らゲームを動かして行くことがほとんど出来ず、成すすべなく敗れた。
性急な若返りによりバランスを失い、このような状況に陥ってしまったことは、当初予想されていたより深刻に受け止められ、いろいろな媒体で意見や批判が目に付くようにもなった。
そんな大きなショックの翌週に迎えた仙台ホームでの試合、ひじょうに厳しい試合になると思われても仕方のないところではあった。


試合当日、レッドダイヤモンズ後援会バスツアーに参加し、試合会場である宮城県サッカー場にのぞむ。
バスツアーは、さいたま新都心から会場まで直接往来するとても便利なツアーで、観戦チケットとお弁当も付いて9000円は破格。交通の便の悪い会場であるがゆえ、とてもありがたい計らい、後援会様には頭が下がる思い。
レッズレディースの現状を憂い、熱心なサポーターで満席の車内。なんとか一矢報いようと、レディースでも後押しに遠路へ駆けつける方々がいる。それは、連敗中の岡山・新潟でも、俺の応援でなんとかしてやろうと、そんな気概を抱いたサポーターがいた。浦和の誇りにかけて負けられない、こんな状況だからこそありがたく心強いと実感できる。




会場に入ると、すでに宮城まで出向いたサポーターたちで、ゴール裏が赤くにぎわっている。
INAC神戸試合の後だけあって、厳しい表情が多くうかがえる。なんとか現状を打破したいという連帯感は、言葉を交わさなくても「うらーわ、レッズ!」の一声が挙がっただけでビンビンに伝わって来る。アウェーゴール裏の少数だが精鋭が集う赤い凝固体が一丸となっている。

しかし対岸の黄色で染まるホームゴール裏からの、統率された仙台コールに圧倒される。奥行きの深い響き渡る声、洗練されたJリーグのゴール裏の声だ。今季から昇格した仙台での初めてのホームゲーム。今までなでしこリーグのアウェーでは、聞き覚えのない迫力だ。
やはり仙台は熱い、レディースでも違う。

試合前に、ゴール裏に挨拶に来た選手たち。
心なしか、すっきり穏やかな表情に見える。手塚監督にも笑顔がうかがえる。
INAC神戸戦後、応援の中心の方々が、監督やフロントに掛け合って、共に戦っていくことを再確認しあったと聞く。新たな決意のもと、のぞむ様子が感じ取れる。




キックオフ。
浦和は自らつないで行くポゼッション志向、仙台はブロックを形成しボールを奪えば速い攻撃を展開する、そんな攻防が続いて行く。

後列で回しながらパスを繋いで行こうとするところに、仙台のプレッシャーが容赦なく襲いかかるので前ヘは運べず、
ボールを保持していても低い位置に留まるばかり。
中盤からサイドへ展開できても、パス出しの疎通が遅く、ディフェンスに容易に付かれてしまいゴール前にボールが入らない。むろん有効なシュートには至れない。
また前線の三知(後藤)に直接フィードを入れても、孤立した1トップでは収まりが悪く跳ね返されてしまう。
これは、連敗中何度も見て来た光景であり、やはり毎週連戦続きの状況では改善は難しい。
わかってはいても、また今回も同じかという思いはぬぐえない。連敗中の悪循環とは、つまり、容易に年頭から築いて来たサッカーを変えることはできず、試合毎にさらに停滞を促すということ。これでいいのか?という試行錯誤を選手同士が共有し、互いに慎重にならざるをえない。
ただ歯がゆいのは、レッズレディースにはもっと出来る選手は揃っているのに、ということだ。


試合は開始13分、仙台が浦和陣に入った積極的な前へのつなぎから、ゴール前の攻防に競り勝って先制点をあげる。
縦のフィードやサイドからのロングクロスからでも、フィジカルを活かして押し込み、波状攻撃を仕掛ける強さのある仙台。
正直申し上げれば、つなぎが粗くボールロストも多いのだが(浦和もそうですが)、
ゴール近くでの球際の激しさは特に執拗で、一気呵成に畳み掛けるゴール意識がどの選手にもうかがえる。
ホームゲームでは負けられない。
これはトップチームからの大きな応援を受けている女子チームだからこそ、特に伝わってくるものを感じる。
前半浦和は、セットプレーから流れて来たボールに、2度決定的なシュートチャンスがあったがものに出来ず終了する。




後半開始からもゲームの流れの中からは依然停滞感が続くが、転機が訪れたのは後半10分。
4-2-3-1フォメの、3の左に入っていた千佳(加藤)が吉良に交代。1の三知が千佳の左へ移り、吉良が三知の1のトップに入ってからだ。
左へ移った三知が、それまでなかったキープ力を発揮し、攻撃を押し上げる原動力となったと言えるだろう。
対峙するDFを引き付けながら、決してロストすることなく(本当にそうだった)クロスを供給、複数に付かれたとしても粘ってコーナーを獲得する。
後半15分、三知の粘りのコーナー獲得から、同点に追い付く吉良のヘッドが仙台ゴールを揺らしたのだ。

その後も起点となる左のストロングポイントができてから、同左サイドバックの竹山の躊躇ない攻撃参加が目立つようになる。
竹山の持ち味である鋭いクロスがゴール前を脅かし始める。1トップの吉良が収まり良く、トップ下の華(柴田)からはスルーパスの狙いが、手薄になった右からは、ゆっきー(安田)がサイドから持ち上がる場面が増える。

連敗中、後半に失速し攻撃の体を成さないレッズレディースをずっと見て来た者として、こんなにゴールに迫る応酬は興奮せずにはいられない。
三知が、相手との狭間に奮闘しマイボールを勝ち取る。コーナーを勝ち取ったあとに、肩を大きく動かしながら息を付いている。
こんな姿を見せられるとたまらなくなる。なんとかチームを鼓舞しようと懸命な姿が、レッズレディース史上もっとも辛い矢面に立たされた新キャプテンが、底意地を見せているのだ。

周囲の反応からしても、胸打たれている様子で、よりいっそう応援コールのボルテージは高まる。
しかし現実は、左サイドからのクロスがゴール前に入るたびに跳ね返され続け、満足なシュート体勢にまでは至らない。
応援を続けながら、懸命にがんばってる選手たちを思うと、ほんの一瞬のこぼれ球でもいいから幸運はもたらせられないか!?とエクスキューズを求めたくなる。
むしろアンラッキーな状況もあり報われず、連敗を重ねたチームのことを思うと、感情的な思いが募り、不覚にも流れ落ちるものがあった。
私自身、6連敗に至るチームを応援し続けることは初めてのことで、多分にうろたえていたのは否めない。

安藤梢という絶対的なエースがいて、トップに君臨するベレーザを常に追いかける立場のレッズレディースから入ったのに、今まで負けたことがなかったチームに、どんどん先を越されて行ってしまうことは、サポとして正直気持ちは穏やかではない。
2013年を振り返るなら、落ちるところまで落ちて再生し、しかしチームがスローガンとして掲げた反転攻勢にまで達したかといえば、皇后杯で早々に敗退し、不完全燃焼で終わった煮え切らない思いが残る。

後半からの攻勢を生かせなかった浦和は、終盤には仙台の必死の勝ち越しを狙う攻勢を凌ぎ、なんとか引き分けに持ち込み勝ち点1を獲得する。
終了近く、ゴールキックを蹴るGK池田が明らかに時間を稼いでいる様子がある。反面、仙台はアウトボール後のスローインに懸命に急ぐ姿がある。
残念だけけれど、あの時の現状を踏まえれば、浦和にとっては妥当だったと思う。次節のアウェー伊賀戦では、0-0のスコアレスの終盤は、さらに露骨な引き分け狙いがうかがえた。結果勝ち点1の上積みが、降格圏脱出の8位に浮上となった。

リーグ前半戦最後に降格圏か否かは、当該チームに及ぼす重圧は大きく異なるであろう。
浦和にとって幸いだったのは、多くの衆目の無い遠方アウェー2連戦で、この引き分け狙いが実践できたことであり、これが浦和駒場だったのなら、攻撃姿勢を見せないことに目の肥えたサポーターから、非難轟々だったのは明らかだったことだろう。
あの悪状況時に長丁場のリーグ戦で、仙台・伊賀という強豪相手に、最後は勝ち点狙いに行ったことは間違いではない。しかし悲しいかな、その後の短期決戦であるカップ戦では、本来の戦い方を喪失した影響が出てしまった。チームのバランスが不調和で精彩を欠き、手塚監督が退任するに至ったことは、致し方ないところかもしれない。




試合後、なでしこリーグにはエールの交換がある。
「ベガルタ仙台!」のこちらからのコールに返って来た、「うらーわレッズ!!」コールの声の奥行きの深さ、
そしてどこか暖かに、励ましを帯びた音色が、ずっと今でも忘れられない。
思い過ごしかもしれないが、仙台サポーターがどれだけ辛酸を舐めてきたのかその歴史が深いぶん、凋落したこちらに同情を覚える部分があったのかもわらないけど、あの時のエール返しは、他の居合わせた方々に聞いても、一様に感動したと言う。
あの時、すぐ前に居合わせたコールリーダーが、かつて見せたことのない仙台側への、深々と首を垂れたお辞儀が物語っていたと思う。
いつもは熱くやり合う同士が、窮地に立たされた相手に表す懐の深さ。
この試合、仙台は勝っていないのにである。




{10C17542-8CE1-4D80-9DE9-FBE2DC9A140D:01}

昨日の神戸ノエビアスタジアムゴール裏、
今までの超然とした応援の気勢が、削がれていたのは明らかでした。
主にゴール裏中央の各所から、立ち上がるコールに、全体が合わせて行く格好となりましたが、ゴール裏左右で声が合わなかったり、太鼓が無いので声が立ち消えになりロングチャントを成さなかったり、従来の後押しとならず試合結果も悪く、やり切れない思いで終えたサポは多かったはずです。
埼スタホームに戻り、またどんなゴール裏が形成されて行くのでしょうか。いろいろ戸惑いを覚えることは、今後も尽きないでしょうね。

ですが、試合前の「ようこそ!浦和サポーターの皆さん!」の場内アナウンスに大きな拍手が沸き起こり、神戸のスタメン発表に、峻希、相馬、徳重と告げる度にも拍手、試合中の相手のボール返しにも、かつてない大きな拍手で応えていました。
なんだか、今まで出せなかったゴール裏の良心が、芽生えて来た感じにもうかがえました。
浦和だってそんな思いを表したいサポはたくさんいる!好感を抱かれる新たな胎動が継続されれば、また新たにゴール裏に集う人だって呼び込めるはずです。


{DD2EAACA-3399-4D4B-A78D-A9709C26814B:01}


今日これから、なでしこリーグ開幕戦、再度ノエビアスタジアム神戸にのぞみます。
レディースの応援もアウェイ、少なからず警戒を持たれ、注目を受けるでしょうね。
いろいろ支障をきたさないように意識しながら、後押しに励んで参ります!