【Jリーグ第32節 @埼スタ】
浦和レッズ 2-0(前半1-0) サンフレッチェ広島
◆得点者:41分 梅崎司、61分 鈴木啓太
◆入場者数:41,296人
浦和は、広島の攻撃をしのぎ、間隙を突いたゴール2発で快勝。
リーグでは、9月29日@国立:柏戦以来5試合ぶりの勝利。ホームゲームでは8月18日鹿島戦以来こちらも5試合ぶりの勝利となる。
先制を決めたMF梅崎のゴール、
左サイドMF啓太からのスルーパスを、ゴール前へ飛び込みDFに付かれながらも、ゴール右上の絶妙なコースを突いたファインゴール。
昨年の10月22日@日産で行われたM横浜戦、降格ピンチを救う梅崎の、あの決勝ゴールの弾道がよみがえる。
梅崎を介しての記憶に残るシーンが、またひとつ刻まれた。
ここいちばんでやってのける、苦労を重ねて来た梅崎だからこそ、多くのサポに愛される所以である。
暗く停滞していた浦和に、杭を打つ一撃が、埼玉スタジアムじゅうに赤い活気を喚び起こす。
今度こそ勝ち切りたいホームゲームのために、赤く躍動する後押しの声量・こもった思いが、いつにも増して響き迫ってくる感じを受ける。
不安定な守備なのは、誰もが承知している。
しっかり引いて守ったとしても、広島の多彩な攻撃に、ゴール前を度々脅かされる場面が途切れることはない。
そんな中、CB暢久が秀逸だった。
入って来る人・ボールに対し、首を振って状況を確認しながら佐藤寿人を1stケアに、彼が出来うるベストの対応を果たしていたのではないか。
寿人の挙動を、掴み切ることはできなくとも、上体を寄せじゅうぶんな形で撃たすことは許さなかった。
完封勝利へ導いた暢久の功績は、高く評価されるべき。
リーグ1の得点力を誇る、広島相手であるー
左の阿部から中央で受けた啓太が、敢然とドリブル突破を図る。
棒立ちで構えていた広島のDFが、まさかの所作に意表を突かれた様子がありありと窺える。
対応が遅れたブロックを交わした啓太が、ゴール左へ流し込む!
意外な人の意外な形での追加点、してやったりのゴールに、埼スタじゅうが笑みを湛えている。
幸せの瞬間を味わった高揚感が、大脱走のリズムに乗って曇天をつんざき響き渡る。
イケイケの浦和ペースへ、さらなる悪乗りこそが真骨頂。
広島の尽きない攻勢を、その都度粘ってチャンスを摘み取り凌ぎながら、時間は刻々と経過してゆく。
奪取したボールは、空いたスペースへのカウンターへと、度々沸かす場面が訪れ、きょうの埼スタはゲームを楽しんでいる。
やがて、成す術を尽くし運動量が落ちて攻め手のなくなった広島の選手に、疲労が滲み、諦めた様子が窺えてくる。
アディショナルタイム4分を経過、試合終了のホイッスル。
赤いバックスタンドが一斉に立ち上がり、喜びを分かち合う様子が見える。久々のホーム勝利、本当に嬉しそう。
すぐさま、We are REDS!の大合唱が、スタジアムじゅうを覆い尽くす。
首位広島相手に、浦和の意地を貫き通し、消えかけていたプライドが、今ふたたび高らかに響き渡る。漲っている。
残り2節、踏ん張り続け、ふたたびアジアへと出帆できるのかー
長らくの低迷からようやく抜け出すためにも、自力で掴み取り有終の美を遂げることこそ求められる。
広島に勝てる浦和には、期待しないわけにはいかないのだ。