9人でもあきらめない
福島・富岡高女子サッカー部
全国の舞台に照準
~2011年8月6日 朝日新聞より~
被災地の「なでしこ」もあきらめない。
福島県の富岡高女子サッカー部が、東日本大震災の影響で部員が11人未満になってもピッチに立っている。
6月には全日本高校選手権の県予選を9人で制覇した。
離散した仲間と「全国の舞台で再会したい」そんな思いが苦境にある彼女立ちを支えている。
震災後、20人いた部員は10人に半減した。
1人は右ひざ靭帯の大怪我で秋まで復帰できず、6月の県予選は4-3-1の布陣で臨み、控えGKがDFとして出場した。
6チームが参加した県予選では、準決勝を3-0、決勝を7-1で完勝。
東北大会は初戦で敗退し、5年連続の全国大会出場は逃した。
それでも部員は前を向く。
日本女子代表(なでしこジャパン)の世界一に勇気付けられた。
主将のMF大木汐(3年)は「最後まであきらめない大切さを教えてもらった。私たちも人数が少ないことをハンデと思わず頑張る」と話す。
2006年に創部。
県外出身者が多く約9割が寮生だった。
「今年は全国ベスト8以上を狙える」(松本勝則監督)はずが、原発事故で暗転した。
学校は福島第一原発から約8・5キロ南で半径20キロの警戒区域内。
サッカーを続けられないかもしれないという不安と、被曝を心配する親の声もあり、転向者が相次いだ。
ただ、松本監督は「富岡で最後までやりたい子がひとりでもいる限り、部をなくしてはいけないと思った」という。
ルール上、7人いれば試合は成立する。
今は福島北高に間借りし、学校や近くのスポーツ施設を転々としながらトレーニングを続ける日々だ。
長野県茅野市出身のGK平出遥夏(3年)は、それぞれの地元に戻って競技を続ける元部員とメールなどで連絡を取り合う。
「これまで一緒に戦った仲間。全国大会でまた会えるよう、お互い置かれた環境でベストを尽くしたい」
今月下旬から始まる全日本選手権の県予選に照準を定めている。
JFAアカデミー福島に所属しながら富岡高校で学ぶ選手は多かったです。
卒業後は、なでしこリーガーになったり(主に近隣の東電マリーゼの選手として)、サッカー強豪校へ進学するなど、多くの選手を輩出してきた女子サッカーの名門校です。
震災後に、部員すら足らず存続も危うい状況であるのを初めて知りました。
それでも県予選で優勝する実力を保ち頑張っているのは、凄いことです。
試合の時だけでも、外部から助っ人を取り入れて11人揃うことが認められる措置とか、難しいでしょうかね。
年末の全日本女子選手権本選では、東北代表として出場出来るように願いたいです!