◆浦和レッズレディースとINAC神戸のこれまでの対戦成績;
浦和レッズレディースの10勝3敗2分け
内、2009年全日本女子選手権準決勝の3-2勝ち、2010年なでしこカップ準決勝3-2勝ち(いずれも西が丘サッカー場)を含む。
浦和はINACが2006年L1リーグ参入以来、06・07年にかけてリーグ戦で5連勝していましたが、08年5月にホーム駒場で1-1と引き分けると、同年7月に高槻萩谷で行われたアウェー戦で2-3と初黒星を喫し、同10月には鴻巣で0-3と完敗。08年は日テレベレーザに2勝1分けと勝ち越していただけに、この取りこぼしは大きく響き、優勝を逃し3位に終わりました。
08年以来のリーグ戦においての戦績は3勝3敗2分けと互角、アウェーゲームでは08年から09年0-0引き分け、10年0-1負けと、ここ3年間勝てずにいます。
INAC神戸というチームは、浦和レッズレディースに対しては特別な闘志を燃やしてきます。
浦和に追いつき追い越せと、L1昇格から短期間でチーム力は、その卓越した補強力と強化策により、年々増しています。先に見据えているのは、もちろんリーグ1のクラブに成り上がることでしょう。
各ポジションに、アグレッシブで縦に速いサッカーを展開するための強靭な選手たちが集い、局面における粘り強さ、衰えることのないスタミナで、90分試合において一切諦めた様子を見せたことがありません。
浦和としては、これまで勝利を収めたときと同じどおりに、INACのアタックをしっかり受け止めて凌駕し、ゴールをめざすこと。
特に、中盤の激しくぶつかり合う局面では、侵入を許さず、数的優位をつくってボールを保持し、優勢にゲームを運んでもらいたい。これが肝で、INACの那須、田中、川澄、高瀬、米津といった攻撃的な選手を捕らえ切れないと、浦和陣内に押し込まれるケースが続いてしまいます。
波状攻撃を得意としているINACペースに飲まれないように攻撃を断ち切るには、セカンドボールを拾っていけるか、プレッシャーを跳ね除け迅速な判断でボールを繋いで反撃に転じられるか、浦和のチーム力、一丸となったサポートと連携、集中力、闘う姿勢、すべてが要求されると思います。
ーー高瀬ーー川澄ーー
米津ーーーーーー中島
ーー田中ーー那須ーー
高良ーーーーーー甲斐
ーー小野ーー坂井ーー
ーーーー海堀ーーーー
これが、全日本女子選手権で不動のINAC神戸のスタメンです。
リーグ戦時から目新しいのは、左SBの高良、右SBに甲斐を配置してきたこと。
甲斐を置いたことで守備が安定し、高良がとても運動量の多い攻撃を繰り返し新たな厚みを増したと見受けます。
相変わらずCB坂井は強く、明日浦和のFW荒川とのマッチアップは注目だと思います。同じく荒川に対応するCBの小野も含めて、浦和の勝負どころのはずです。
MF田中の2列目からの攻撃参加、MF中島のキック力・サイドの突破力、それから那須のプレスキックは気をつけたい。
浦和との対戦用に、布陣を変えてのぞんでくるのか!?
今季10月のアウェーINAC戦、中島を右SBに下げ、左SBに宮迫を起用しサイドの裏を警戒してきた時のように。これまでとは違い守備的で、シュート数5本と最小に終わるも、0-1勝利のINACでした(浦和もシュート数6本に抑えられる)
いずれにせよ浦和をよく研究し、攻守の押し引きを巧みに挑んで来ることでしょう。
警戒したいのが、90分の中で勝負どころを捉えると、凄まじい集中力で得点できてしまうこと。
INAC神戸の全女2戦を観戦して、いちばん感じたのは、今までにないゲーム支配力が身に付いているという印象でした。
浦和レッズレディースが、全女制覇のために、少しでも予備知識としてINAC神戸のことを知っておいてもらいたい、後押しに役立ててもらえれば幸いです。