<2007年>
◆第5回FIFA女子ワールドカップ
開催地:上海、杭州、武漢、成都に天津を加えた5都市
開催期間:9月10日~9月30日
日本の成績;グループリーグA組 (4チーム) 1勝1敗1分 勝ち点4でグループ予選で敗退
中国の成績;決勝トーナメント準々決勝、ノルウェーに0-1で敗退。
※中国のW杯最高位: 1999年 準優勝
◆AFC U-19女子選手権2007
開催地:重慶
開催期間:10月5日~10月16日
日本;
大会グループ予選2勝1敗 2位
準決勝 10月13日 韓国 0 - 0 (PK5-6) 日本
決勝 10月16日 北朝鮮 1 - 0 日本
※日本は準優勝、中国は3位。
<2008年>
◆東アジアサッカー選手権
開催地:重慶
開催期間:2月17日~2月24日
(日本・韓国・北朝鮮・中国による総当りの決勝大会)
2月18日 日本 3 - 2 北朝鮮
2月21日 日本 2 - 0 韓国
2月24日 日本 3 - 0 中国
※3勝0敗勝ち点9で日本の優勝
◆オリンピック北京大会
開催地:北京
開催期間::8月6日~21日
日本;
グループステージ (G組) 1勝1敗1分け 2位
~決勝トーナメント~
8月15日 (準々決勝) 日本 2-0 中国 秦皇島オリンピック・スタジアム
(得点:澤穂希、永里優季)
8月18日 (準決勝) 日本 2-4 アメリカ 北京工人体育場
(得点:大野忍、荒川恵理子)
8月21日 (3位決定戦) 日本 0-2 ドイツ 北京工人体育場
※中国のオリンピック最高位;1996年 銀メダル
<2009年>
◆AFC U-19女子選手権2009
開催地:武漢
開催期間:8月1日~8月12日
日本;
大会グループ予選 1勝 2 分け 2位
同グループ対戦、8月5日日本 1 - 1 中国
~決勝トーナメント~
(準決勝)
8月9日 北朝鮮 0 - 1 日本
(決勝)
8月12日 日本 2 - 1 韓国
※日本が優勝、岩渕真奈が大会最優秀選手賞
<2010年>
◆第17回AFC女子アジアカップ
開催地:成都
開催期間:5月19日~5月30日
日本;
グループA組 3勝0敗 1位
~決勝トーナメント~
(準決勝)
5月27日 日本 0 - 1 オーストラリア
(3位決定戦)
5月30日 日本 2 - 0 中国
※優勝オーストラリア、準優勝北朝鮮、3位日本が、来年のドイツW杯女子大会に出場決定。
中国は、1986年から1999年まで大会7連覇 2006年にも優勝
◆第16回アジア競技大会2010
開催地:広州
開催期間:11月12日~11月27日
2007年のW杯開催から今年まで、7つもの大会が立て都築(続き)です。
世界的に注目される北京五輪の影響を受け、五輪前後に中国各都市で国際スポーツ大会の開催誘致がブームとなり、イベントを通じて都市の知名度とイメージの向上を計る狙いに、女子サッカー大会も一端を担うところはあったのでしょうか。
ビーチバレー、格闘技、ビリヤードなど、マイナーなスポーツが多く招致されているため盛り上がりに欠けるのが実情だそうで、招致された国際大会の中には、地元行政の懸命な宣伝にもかかわらずチケットはほとんど売れず、結局観客を動員せざるをえないことも多いとか。
最近の中国での女子サッカー大会は観客席がガラガラなのがふつうで、中国バブルの典型にもうかがえます。
2006年にオーストラリアで開催された第16回AFC女子アジアカップで中国は優勝しましたが、皮肉にもその翌年から自国開催ラッシュとなったにもかかわらず、今までどの主要大会にも優勝がありません。
アジアカップ優勝時にはFIFAランクが3位だったのが、現在は10位。
この間の中国での日本vs中国対戦成績は、アウェー日本の3勝0敗1分け。
国際大会を招いての自国強化を図る効果、ホームアドバンテージはうかがえません。
2007年、W杯の対ドイツ戦に0-2で敗退後、中国の大観衆の大ブーイングにもかかわらず、試合後には、「ARIGATO 謝謝 CHINA!」と書いた横断幕を掲げたなでしこジャパン。
涙ながらに罵声を受けながらも、中国の人たちに深々と頭を下げた彼女たちは、そこから不屈の勝負強さを中国で発揮していきます。
翌2008年2月、東アジア選手権で地元中国に勝利し、日本女子代表としては初の主要大会優勝を果たしました。W杯の時ほどではなかったとはいえ、穏やかな状況ではない中での完勝でした。
同年北京オリンピック、地元中国との準々決勝でも、秦皇島スタジアムの圧倒的なアウェーの中でさえ、ここでも内容的にも圧倒した完勝を遂げベスト4進出の快挙。しびれた方も多かったかと思います。
東アジア同様、中国の観客たちは、形勢が悪くなるにつれ沈黙し席を後をする人が絶えませんでした。
2009年にはU-19代表が、準決勝・決勝と接戦を乗り越えての初のアジア王者に輝きました。
今年5月のアジアカップでは、日本と中国のどちらかにW杯出場のかかった直接対決の大一番を、日本がまたも中国のアウェーで勝利しました。
2007年から、相手の懐に果敢に飛び込んで戦って来ているなでしこたちに、国力の上辺を誇示し始めた中国の女子代表は、自国開催を経るにごとに勝てなくなっています。
逆なら、聞く話ですがー
北京オリンピックの頃、なでしこジャパンに随行していた河崎三行さんというライターの方のコラムを、よく読んでいました。→こちらです
コラムの中で感銘を受けた部分があり、以下に抜粋しておきますー
~昨年中国で行われた女子W杯の時、なでしこジャパンの取材に来ていた女性記者と知り合った。
彼女は女子W杯中なでしこにずっと張り付いていて、その間に僕と日中の女子サッカー事情などの情報交換をしていた。
僕がなでしこの五輪での戦いを追いかけて中国に来ていると知って、日本-中国戦の感想などを聞かせてほしいと電話でコメントを求めてきたのである。それをまとめた記事が掲載された。
その記事中にも掲載されたのだが、彼女が僕の話を聞いていて新鮮に感じたのは、なでしこの選手たちは自分や代表チームのためだけに試合を戦っているのではないということだった。
日本ではまだまだマイナー競技である女子サッカー人気を高め、現在プレーしている選手たちの周辺環境を少しでも充実したものにする。次世代を担う子供たちに、女子サッカーに対する興味を持ってもらう。そのためには日本中の注目を集める最高の媒体露出機会である、オリンピックで好成績を挙げることが最も効果的だ。だからなんとしても好成績を収めなければならない。そんな使命感を持って選手たちは戦っている―。
これは僕だけじゃなく、なでしこの選手たちが折に触れて語っているから、少しでも女子サッカーを取材をしたことのある人間なら誰でも知っている。
しかし中国でのスポーツ選手の常識に慣れている彼女は、なでしこ選手が抱く使命感に心を動かされたようなのだ。
「それは感動的な話です…。中国でも女子サッカーはあまり人気がありませんが、選手が考えているのは自分のことだけです。なでしこジャパンのような選手は誰もいませんよ」。
美談仕立てのコラムにするつもりはないのだが、彼女の反応は実話である。日本戦で大勢の観衆が集まったのは女子サッカーへの関心が高いためではなく、中国という国家がオリンピックでどれだけ活躍できるかの関心に過ぎないそうだ。なるほどだから、2点目を取られた時点でそそくさと席を立つ中国人が多く見られたのだ。
なでしこジャパンのメダル獲得まであと1勝。ここまででも大健闘だし十分日本国民へのアピールは果たしたとも言える。だがこの先メダルを取ると取らないでは、訴求力の度合いがまた桁外れに違う。
なでしこの選手たちが自分自身で背負った使命を果たすため、北京でやらねばならないことがある。~
代表の主力をつとめている、大野、近賀、澤、岩清水、山口の日テレベレーザ勢は、赤いサポーターたちの応援やブーにびくともしないです。
培われてきた違う次元の強さを、なでしこリーグ最終戦の赤い埼スタでも見せ付けられた思いがいまだ残っています。
11月20日週末の準決勝か22日の決勝で地元中国と対戦する可能性は高いです。
優勝のかかる対戦となってくるだけに、また熱い戦いとなるはずです。
試合会場の状況はどんなものになるのかはわかりませんが、なでしこジャパンが動じない戦いぶりで今回も完勝することを信じています。