みなさん、おはようございます。
予備校「英語」講師の西です。
前回は、「#11 リスニングができるようになる3つのトレーニング」でリスニングのトレーニング方法については反響が大きかったので、今日はその続きで、「どのようにすればリスニングの問題が解けるのか」という話をします。
まず、前提として①と②は全く異なるということを理解してください。今回は②の話です。
①ネイティブ・非ネイティブにかかわらず、相手の言っていることが聞き取れるというタイプのリスニング
②共通テストや英検やTOEIC(R)などの各種試験のリスニング
①ネイティブ・非ネイティブにかかわらず、相手の言っていることが聞き取れると言うタイプのリスニング
この場合、相手が目の前にいると仮定してください。
私たちは、相手の話す言葉だけでなく、表情、雰囲気などからも「話の内容」は推測できます。かつて私は10年以上日本に住んでいるニュージーランド人に「どのくらい日本語が分かるのか?」と尋ねたことがあります。その方は「全て聞き取れているわけではない。断片的に言葉をつなげつつ、相手の表情などを見ながら、言っていることを理解している」とおっしゃっていました。
相手が超高速で話したとします。私が「?」という顔をすれば、きっと相手は「もっとゆっくり」話してくれます。それでも私が「?」という顔になれば、「同じニュアンスの言葉に変える(=パラフレーズ)」してくれます。これが、リアルなリスニングです。
しかし、試験で求められるリスニングは上記で述べた内容とは異なります。
(リアル)
・聴き手に合わせて、話し手が調整してくれる
・話し手の質問に対して、どう答えるかは聴き手の語彙力次第
(テスト)
・話し手は調整してくれない
・答えが選択肢として用意され、選択肢のなかに答えがある
②共通テストや英検やTOEIC(R)タイプのリスニング
これらのタイプのリスニングが「苦手」ならば、「テスト用のリスニングトレーニング」も行う必要があります。
特に、「設問の英文は聴きとれるのに、正しい選択肢が選べない」という場合は、圧倒的に語彙力が不足しています。
例えば、What is the movie like?は、どのような意味でしょうか?
きっと、「What is the movie like?」という英語は聴きとれるはずです。しかし、この英語の意味を正確に理解できますか?
"What is the movie like?"は、「その映画はどのようなものですか?」という意味です。この表現は、映画の特徴や印象について尋ねる際に使います。例えば、物語の雰囲気やキャラクターの性格、映像の質など、総合的な印象を尋ねる場合に利用されます。
さて、資格試験の問題で以下の設問の英文が流れてきたとします。
(例1)Why don't we work on the problem after dinner?
これは、どのような意味でしょうか?
ア. 私たちは、夕食後にその問題の仕事をなぜしないのか?
イ. 私たちは、夕食後にその問題の上でなぜ歩かないのか?
ウ. 私たちは、夕食後にその問題の上でなぜ働かないのか?
もし、ア~ウのどれかを選んだならば、「圧倒的に知識の不足」です。
英語そのものは聴きとれたとしても、内容の理解ができていません。
Why don' we~?「~しませんか」
work on A「Aに取り組む」
だから、「夕食後にその問題に取り組みませんか」となります。
(例2)Her presentation on the topic was impressive, wasn't it?
A. She gave me a nice present.
B. She was present at the meeting.
C. Was that so?
D. It was my pleasure.
さて、どうでしょうか?正しい答えはCですね。
人は、「似たような音・文字の単語」を選びがちです。
presentation(プレゼン)が、なぜかpresent(プレゼント)になったり、be present at(~に出席している)になったり、「プレゼンをしている場所はthe meeting」と勝手に想像したり、impressiveのimが弱く発音されるからpressiveだけが聞こえて、なぜかpleasureになったり・・・。
このような傾向があるかたは、語彙を増やすだけでなく、「精読(丁寧に訳す)」ことと、「ディクテーション(書き取り)」の練習をしたほうが良いです。