②『使われ上手から使い上手へ』
株式会社 明西エンジニアリング
代表取締役会長 西岡 仁克
今月から経営の四要素と言われている《人》・《物》・《金》・《情報》をいかに上手く使いこなせる様になるか、その術(すべ)を4回にわたってお話させていただきます。
テーマとしては、下記のように各回のテーマに沿って進行していきます。
今回は第2回目として 《物》がテーマです。
Part1 人 = 人脈接渉術
Part2 物 = 対物効用術
Part3 金 = 有利運営術
Part4 情 報 = 知的有効術
Part2 テーマ 《物》
対 物 効 用 術 と は …
前回のPart1では『人』=人脈接渉術について述べさせていただきましたが、社会生活を営んでいく上において、どうしても避けられないのが『人間関係』である事は言うまでもありません。
人間関係の上手な人、苦手な人、人それぞれの性格があると思いますが、スムーズな人間関係を築くことができれば、これほど楽しい人生はありません。(人間大好き人間になる)
会社においても同じ事が言えます。社内・社外を問わず相手方(上司・部下・同僚・お客様・業者・友人・知人)との対話(コミュニケーション)が、うまく捗る(はかどる)為には、人間とはどういう行動を起こすものかを知らねばなりません。
そこで、今回は経営の四要素である『人』に続いて『物』をいかに上手に使うかについて考えてみましょう。それはいわゆる「 対物効用術 」のことであって、ややもすれば近代人は“物”に使われているきらいがあります。
成熟化された現代には物があり溢れています。確かに便利な物もありますが、その殆どが作った人(メーカー側)の言いなりに使わされているのではないでしょうか?
それは作った人(考案者)が便利だと思い、使う側の人の事は余り考えていないからです。なぜなら使う側の人にはそれぞれ、それを使う目的があって同じ品物でも使う目的が異なれば使い方も違ってくるのは当然の事だと思うのは私だけでしょうか?
ここで、対物効用術の一つの例として私が聞いたあるお話をいたしましょう。
ここにガラスコップが一つあるとします。
このガラスコップは何の目的で作られたのでしょうか。
おそらく考案者(メーカー)は水を入れて飲む為に便利だと思って作った器だと思います。しかし、これを使うにあたり考案者の意図(仕掛け人)に洗脳され、水を飲む為だけに使う器がガラスコップだと固定観念で思い込んでいては、ただの“使われ上手”に過ぎません。ガラスコップも使う人の目的によって色々と変化します。使い方の例として、例えば入院している人にお花を持ってお見舞いに行ったとしましょう。もし、ガラスコップだけしかなかったら、それは花瓶に変化します。また、ガラスコップ7個にそれぞれ異なった量の水を入れて並べて叩けば、楽器に変化します。
今度は一人で自室に居る時、強盗が入ってきたとしましょう。そこにガラスコップ1個だけしかなかったら、あなたはどうしますか?多分それを強盗に投げつけるなりして、身を守る為の武器と変化させるのではないでしょうか?
このようにガラスコップ一つをとっても、その使い方の目的によって多様に変化する事がご理解いただけると思います。
要は使う人が何の目的でその“物”を使うのかをよく考えれば、色々な使い方があると思います。⇒固定観念の打破
そうして今一度、皆さんの周りをよく見渡してみてください。
私たちの周辺には沢山の“物”があります。工場設備・事務機器・工器具・計器・消耗品…等々、これらの使い方もその使用目的によって効用差が出てくるものだと思います。
その目的とは、いかに「速く」「安く」「安全に」効率よく使う事が会社の利益に貢献するか、これが『 使い上手 』の“コツ”ではないでしょうか?
今後、どんな“物”でも、使用する際にはその目的意識の中に、前述の事柄を照らし合わせて参考にしていただければと幸いです。
こうして常に“一歩先”を考えることで、人間的な成長を得られるものだと私は考えます。
以 上
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