●改選後、初の議会で「懲罰動議」が出され、否決となりました | 西の なおみ トランジション日記。

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府中市議会議員 西の なおみ のつれづれ日記。
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府中市議会では、「懲罰動議」が出され、議会最終日に「懲罰特別委員会が開催されました。

府中市議会の先例集を見てみると、昭和46年(1971年)、昭和48年年(1973年)に出されたことがありますが、実に50年ぶりとのこと。もちろん私も初めての経験でした。

 

調べてみると、この4年間で全国の自治体で83件で懲罰動議が出されていることがわかりました。

今回の懲罰動議の発議には、議員が感情的になっていることが要因にあると思ったので、冷静に、客観的な意見を伝えたいと思い、新聞記事を引用しました。

引用した記事はこちら。

 

懲罰動議、全国83議会で提出 暴言や無断欠席…乱用疑われる事例も

 

ガーシー氏で注目の「懲罰」、地方議会でも 背景に議員の多様化も

(2023年3月28日 朝日新聞)

 

議員は自由に発言ができることが原則。懲罰は、議会のルールを大きく踏み越えた場合が想定されている。しかし議会の品位、といった言葉で、少数派の議員が対象にされやすく「多数派による権力の行使」という一面がある。

社会課題が複雑で多様になる中で多様な声を議会に取り込むことが一層必要となっている。少数派の意見の排除につながる面を踏まえると、懲罰については理性を持った判断が求められる。

(大正大学 江藤俊昭教授)

 

少数派に対する安易な懲罰の乱用は、地方自治の二元代表制が機能不全に陥っていることの象徴だ。

議会は本来、首長や行政を監視する役割を担っている。だが、現在は議会内の多数派が首長と結びついて、自分たちに都合の良い政策を動かそうとする自治体も少なくない。

そうした議会では公の討議が軽んじられ、慣例や申し合わせといった暗黙のルールで運営される。意思決定過程の情報公開にも消極的で、異議を唱える議員を抑圧するようになる。

多様な議員による議会を実現するために、情報公開や説明責任、透明性の確保がますます重要視されるようになっている。明文化によって、議会のルール自体も議論や説明責任の対象とするべきだ。

(南山大学 榊原秀訓教授)

 

問題点には、鋭い批判や追及も時に必要なのに、言葉尻を捉えて「無礼」「不穏当」といった主観的な評価に基づき、言葉を縛るような懲罰が少なくない。

(かながわ市民オンブズマン事務局長 小沢弘子さん)

 

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このような理由から、この懲罰動議については、反対しました。


私は今回の懲罰動議が出されたことを受けて、府中市議会には客観的に監視できる仕組みの構築が必要だと、改めて確信しました。

倫理条例の審査会も機能しないことがわかりました。

市議会の議会運営委員会で行うことになっている、議会基本条例の見直しの中に、有識者や市民の客観的な意見を入れて議会を見守ることができるような組織を作ることを進めていきたいと思います。

 

府中市役所の議場がある西庁舎は1959年に建築されました。築64年。新築事業が進んでいて、7月に新庁舎が完成し、歴史あるこの議場を使うのは最後でした。

次回、9月議会は新しい議場で議会が行われます。

市民に開かれた議会になるよう、議会を変えていきたいと思います!