私たちが日頃、便利に使っているレジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみが海を漂い、海の生物へ悪影響を与えていることや、マイクロプラスチックと呼ばれる、砕けた小さなプラスチック片を海の生物がエサと間違えて摂取し、有害物質が取り込まれるなど、プラスチックごみの海洋汚染は世界中で深刻な問題となっています。そして、地球温暖化にともなう異常気象など、気候変動にも大きな影響を与えています。
日本では年間約900万トンのプラスチックごみが排出されており、そのうち約400 万トンが包装容器やペットボトル、レジ袋といった使い捨てプラスチックです。本市としてプラスチックごみ削減に向けた取り組みが早急に必要と考え、質問しました。
■海洋プラスチック汚染の問題について、市として、どのような考えを持っているか。今後の方針は。
世界規模で取り組むべき深刻な問題と認識している。プラスチック依存からの脱却を目指し、市民一人ひとりが海洋プラスチック汚染の問題を身近な問題として捉え、取り組んでいくことが、長期的な視点で重要と捉えている。国は来年7月からレジ袋有料化の方針をまとめており、市民の関心も高まると捉えており、マイボトルの推奨などに取り組んでいきたい。
■府中市が回収しているペットボトルの量と処理経費は。
2016年 841t 4,174万円
2017年 835t 4,384万円
2018年 868t 4,524万円
■給水スポットや、マイボトルOK店などを周知する取り組みについての見解は。
本市の方針に「発生抑制」と「再利用」に重点を置いた3Rを位置づけており、マイボトルOK店については先進自治体の事例を調査・研究する。
■プラスチックごみ問題について、具体的にどのような対策をしているか。課題は何か。
府中マイバッククラブとの協働で市内スーパーでマイバックの持参率調査などを行なっている。小学生への意識啓発も積極的に行なっているが、若い世代に問題意識が浸透していないのが課題。
■市内のイベントなどで出されるプラスチックごみについて対策はあるか。
環境まつりや、府中マルシェで、捨てずに再利用するリユースカップや食器を使用した。9月から11月に行われたラグビーウイークでけやき並木に出店した店舗に、プラスチックコップを使わず紙コップを使用するように要請した。
■リユース食器の取り組みについての効果は。
環境まつりでのアンケートでは、93.4%の方から、ごみの減量につながる、環境への意識が高まる、子どもの教育に良いという意見をいただいた。今年の環境まつりではリユース食器を使うにあたり、72㎏の二酸化炭素削減効果につながった。
■ごみ減量の視点だけでなく、教育や経済活動などの観点も含めた施策で、市のブランド化とあわせて「プラごみゼロ宣言」をするなどの取り組みも有効と思うが、市の見解は。
取り組み内容が広域に渡るので、都や近隣自治体の動向を注視し、調査・研究する。
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今年度の市政世論調査
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/gyosei/johokokai/kocho/yoronchosa/yorontyousa2019.html
で、環境問題に対する取り組みについての12の質問項目がありますが、この中で最も取り組んでいる人の割合が高かったのが「レジ袋や過剰包装の辞退、マイバックの使用」についてでした。
男性平均で60%、女性平均では約80%、50歳代以上の女性は実に86%以上の人が取り組んでいるという結果で大変高い結果となっています。これも市民グループとの連携で続けている活動の成果ではないかと思います。
レジ袋については来年、国の施策としても有料化の義務化をきっかけに市民の関心が高まることをきっかけにして啓発を行うとの答弁でしたが、すでに市民の意識は高いのですから、市民との連携でプラスチックごみ削減に取り組むことは今すぐにでもできることだと思いました。
マイボトル推奨についても取り組むとのことでしたが、現状府中市内では、給水スポットや、コーヒーなどをマイボトルに入れてくれる店についての情報はまとまっていません。
町田市では、マイボトルOK店をまとめたリーフレットなどで周知を行なっています。
府中市ではフードロス対策として食べきり店との取り組みがありますので、同様事業者とともに取り組み、市民を巻き込んだ環境施策として発展させていくことも可能です。
庁内の取り組みとしては、会議などでペットボトルのお茶を出さないようにし、マイボトルをOK
することも徹底していくことを要望します。
プラスチックごみ削減では、使い捨てプラスチックごみを無くしていくことも有効です。
府中でも環境まつりや府中マルシェでリユース食器を使ったごみ減量の取り組みが進んでおり、CO2削減についても効果が出ていることがわかりました。府中市では多くのイベントが開催されており、そこでもごみ減量に取り組んでいくことができると思います。
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昨年12月に「プラスチックごみゼロ」宣言を行い注目された京都府亀岡市の話を聞いてきました。
亀岡市は、伝統的な「保津川下り」が有名で、15年ほど前に保津川下りの船頭さんが、川に流れるレジ袋やペットボトルが多いことをなんとかしたい、と清掃活動を始めたことがきっかけになっています。
その後、保津川の環境保全に取り組むNPO法人が設立され、ボトムアップの活動から始まった活動が市のプラスチックゼロ宣言につながっています。
「ごみ減量」の側面だけではなく、保津川下りのように観光産業の振興や、環境教育、循環型農業の推進、エネルギーの地域循環など、プラごみゼロ宣言から、まちの仕事作りやまちおこしなどに施策をつなげ、まちのブランド力につなげています。
今年6月、都は主催するイベントなどでプラスチック製品を極力使わないようにする「都庁プラスチック削減方針」を公表。庁内で行う会議でペットボトルやストローといった使い捨てプラの使用を禁止しました。
ごみ削減、の前に、プラスチックの使用を削減する方針を打ち出しています。
「プラスチック削減5Rキャンパス」活動宣言を行なった東京農工大学との連携などもふまえて、市としてプラスチックごみ削減に取り組むことを要望しました。