予算特別委員会で「いのちのとりで裁判」に関する、生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について市の対応を聞きました。
2013年からの生活保護基準額引き下げをめぐり、全国で1000人以上が原告となり争われた、いのちのとりで裁判において、最高裁は昨年6月に、引き下げは違法とする判決を下しました。
それを受けて厚生労働省は11月に、補正予算として、国負担の保護費1055億円のほか、支給事務に必要な各自治体への補助で401億円、手続きの問い合わせなどに対応する相談センターの設置などで17億円も計上しました。
これらの国が負担する金額については、来年度予算の中に入っているのか
令和8年度中に対象世帯に対し追加支給を行うことを想定しているが、令和8年度当初予算案においては、これを措置できていない。
2月18日に開催された厚生労働省の事務説明会において、初めて支給事務の詳細が明らかになり、所要額を積算することができなかっためである。
説明会では、今年の春以降から追加支給の準備作業を開始し、令和8年度中の支給を想定しているとのことで、本市においても、これに従い、できる限り準備を急ぎ、令和8年度中の追加支給に係る予算措置を行っていく。
追加支給を受ける方の手続きはどうなるのか。
手続きをする必要は一切ない。市から能動的に追加支給が発生する旨を通知して、追加支給していく。
ただし、生活保護が廃止となっている世帯については、本市で生活保護を受給していた旨の申出書を市に提出し、それに基づき支給することとなる。
追加支給のスケジュールや対象世帯数、金額規模はどのくらいになるのか。
現在受給中の世帯を優先し支給する方針との説明を国から受けており、現役世帯については、令和8年の春から準備を順次始め、各自治体の実情に即して追加支給をすることとなっている。
すでに廃止となっている世帯については、現役世帯の支給終了後に支給をすることとされているが、令和8年度中に追加支給を完了できるように進めていく。
市内の対象世帯数は、受給中の約4000世帯と、過去に廃止になった3000世帯以上の合計、7000世帯以上が対象となるものと予想している。
金額の規模については、国の説明によると、概ね全期間で1世帯あたり10万円程度になるとのとのことで、扶助費は総額7億円程度の規模になるものと考えている。
申出書が必要な方への周知方法はどのようにするのか。
厚生労働省が立ち上げる相談センターがホームページや各種広報媒体を利用して行うこととされており、各自治体において、個別に通知することは控えるよう説明を受けている。
そのため、本市としては個別の世帯に対して周知を行う予定はないが、市のホームページ等により広く周知をしていく。
国が個別に通知を控えるようにと言っている理由は何か。
過去の支給データを持ち合わせておらず、能動的に通知を送ることができない自治体があるなか、能動的に通知を送る自治体があることは、不公平を生むことにつながり、全国で不公平が生じることを抑止するため。
また、通知をすることで世帯主が過去に生活保護を受給していた事実が、生活保護廃止後に増員された世帯員に漏洩する場合があるためと聞いている。
一連の追加支給にともなって、実際の事務負担はどのくらいあるのか。
追加支給に関する制度の説明をしなくてはならないことと、追加支給の事務である。
金額の計算については、過去の生活扶助費の支給実績データを、生活保護システムから抽出し、これをもとに対象期間のすべての月において各月ごとに追加支給額を計算し、これを合算する作業となり、決定した追加支給額を対象世帯に通知し、実際にこれを振り込む作業がある。
作業の事務負担については、具体的に所要時間を算出することはできないが、対象世帯数が7000世帯以上となる可能性があり莫大な事務負担が生じるものと考えている。