人間を誕生させる、宇宙の見えないエネルギーを別とすれば、人間を生かしているエネルギーの大元は、食べ物と呼吸だけです。

 

この二つ以外に、エネルギー源は何もありません。

 

そして、食べたものを消化吸収し、身体の各部に運んで、細胞活動を維持し、実際にエネルギーとして使うためには、呼吸による有効酸素が必要です。

 

 酸素は、呼吸によってしか得られませんから、食べ物をエネルギーに変換するための必須条件としても、呼吸があるわけです。

 

 食べ物は、場合によっては2週間くらい採らずにでも生きていられますが、呼吸は、そういうわけにはいきません。

 

呼吸が止まれば、脳はダメージを受けますし、ほんの数分で生命活動はストップします。

 

 生きていることが人間なのですから、呼吸は、人間を人間たらしめて最も根源的な営みなのです。

 

 誰でも普段は意識せずに呼吸をしていますが、意識的に呼吸の仕方を変えることもできます。

 

つまり、人間は、自分の力でエネルギーの根源に働きかけていくことができる存在なのです。

 

 一生涯、呼吸に対して意識を払わなくても、生きてはいられます。しかし、それでは与えられた運命を、「ただ生きる」ことになってしまいます。

 

通常、呼吸が生きるための条件として自然に行い、たしかに運命のまにまに生命は維持していられる。けれど、意識して呼吸の仕方を高めていけば、生物として「ただ生きる」というのではなく、「自分で運命を切り開く生き方」ができるようになるのです。

 

 だからこそ、私は「人間は素晴らしい」と思うので

 

西野流呼吸法を実践することによって変わっていく”呼吸”というのは、ただ肺の中で行われるガス交換=外呼吸だけを意味しているわけではありません。