「”ディズニーの創造する世界”と聞いて何を連想する?」
と言われれば、
「魔法」、「夢」、「ファンタジー」なんて言葉を浮かべる人は多いはず。

 

 

ただ、運営元であるウォルト・ディズニーカンパニーに、この魔法、夢の世界観を日々革新、アップデートしている一部門、”デイズニー・リサーチ”が存在することはあまり知られていない。

 

**Disney Research WEB サイトより

 

この研究部門は、2006年にピクサー・アニメーション・スタジオを完全子会社した時に、同社の持っていた知的、技術的資産をディズニー・プロダクツに継承、反映させることを目的に組織化されたとされる。

 

現在では、大学等の研究施設と組み、いわゆる産学協同体形式で、魔法、夢の仕組み作りの研究を行っており、
その成果は、デイズニー・リサーチと提携するメディアを通し、いわゆる論文形式で公開されている。


その報告は、下記の公式サイトより全文読むことができる。

 

 

*Disney Research WEB サイト

https://www.disneyresearch.com (①)

 

 

先頃、同リサーチから、スマートな歯・歯肉のデジタル3D化に関する報告(Model-besde teeth reconstruction)があった。

 

*画像は、上記①より

 

スイスのディズニー・リサーチ・チームは、口元の写真や動画だけを元に、被写体の歯・歯肉の状態を簡単に3Dモデリングするツールを開発した。

 


現在、歯科診療でも用いられている歯や歯肉のデジタル化による再現では、口の中専用のスキャナーもしくは型どりからおこされた石膏模型をスキャンし、PC上でフレーム化してモデリングすることによっている。


したがって、ある人の顔を忠実に3D化しようとすると、顔と口を2度スキャニングし、これらをコンピュータ上で合成、再構成しなければならなかった。

 

このスイスのチームは、事前に歯型模型のスキャニング・データを集積して分析、歯、歯列(歯並び)、咬み合わせ等に関して独自のアルゴリズムを定め、これらの各パラメータを得た。
このパラメータを元に、口、歯が写った2次元の写真や動画画像と今回開発したカタログ化されたテンプレートとをマッチングさせることで、自動的に歯・歯列・咬み合わせおよび歯肉の3D化が可能になるという。

 

この成果は、VFXを用いた映画やアニメ、ゲーム等のキャラクター制作を行う上での作業時間の短縮、効率化およびコスト低減効果をもたらすという。

 

 

その他の発表された報告を見ると、
コンピュータ支援により仮想現実を、より自然な形で現実世界に再現することに力点が置かれているものが多いようだ。

 

時代が時代だけに
コンピュータによる技術支援が主役で不可欠になっているのは致し方ないが…

 

 

さて、動画は1942年に製作された映画「バンビ」の1場面。

 

 

*Youtube:バンビ (吹き替え) - 予告編 ディズニー・スタジオ公式チャンネルより

 

 

劇中、バンビが氷上でウサギと戯れるシーンは今見ても秀逸。

擬人化されコミカルな動きにより表現されているものの、それはまさに氷の上で滑り転ぶ”子鹿”である。

 

また、圧巻なのが背景。
圧倒的な画力により、
そこには森があり湖がある。
そして移ろいゆく四季の様子がはっきりとイマジネーションされるアニメーションは芸術的でさえある。

 

一枚一枚”人の手”により書き上げられたセル画により得られる非現実的世界。

そこには、境界不明瞭ながら現実世界が各実に映し出される。

 

 

「魔法」、「夢」、「ファンタジー」は、人の手で作り出される方が心に染みいると思うのは自分だけか?