「馬場のぼるのアラビアンナイトの世界」というタイトルの記事が。
子どもの頃に『アリババと40人の盗賊』に出会いアラビアンナイトの世界にすっかり魅了された馬場先生。
1988年に待望の『アリババと40人の盗賊』が出版されると、先日亡くなられた『アンパンマン』の作者・やなせたかし先生は産経新聞の書評で、こう書かれたということです。
「アラビアンナイトといえばその最高傑作は、エマンド・デュラック(仏の有名な絵本画家)というのは定説。~しかし、もしデュラックが生き返ってきて、この絵本をみたなら、『ありゃ!ムッシュー馬場に私は負けた』というかもしれない。」
色鮮やかな史実に基づく絵は異国情緒にあふれ、心地よいリズムの講談調の文章には気分も高揚してきます。
『アラジンと魔法のランプ』とあわせて親子で楽しめる絵本です。
そして、これも馬場先生の代表作。『11ぴきのねこシリーズ』
こちらは馬場先生のお言葉です。
このロングセラーが出たときの、先生のコメントです。
今のおかあさま方は、どうもこどもに甘すぎます。
それはもっぱら、子のためを思う親心から発しているわけでありますが、保護過剰の結果は、必ずしもタメにばかりはなっていないようにおもいます。
そのことは、幼児の絵本についても、確かに言えます。
行く末、わが子に夢多く情操豊かな人間に成長してもらいたいのは、どのおかあさまも変わりはありませんけれども、絵本のすべてが、ほのぼのと心あたたまるお話ばかりになっては、かえって子どもに対して不親切というものです。
~時にはタメになりそうにないものを食べさせて、子どもに、眼を白黒させてやる必要があります・・・・・・。
そんな馬場先生の思いから誕生した絵本が、『11ぴきのねこ』です。
馬場先生いわく・・ほのぼのともしていなければ、心あたたまりもしないし、勧善懲悪のお話でもないこの絵本・・・・が40年以上も読み継がれてきました。
先生はタメにならないものとおっしゃいましたが、きっとタメになったのだと思います。
現にわが家のおちびちゃんは、とーちゃんが大すきだったこの『11ぴきのねこシリーズ』を読んで読んでとせがむのです。
その中で一番のお気に入りは、『11ぴきのねことぶた』
きっとこの子がとーちゃんになっても、この絵本たちは読み継がれていることでしょう。