その昔、三日で保育園を自主退園したという主人の言い訳が、
「あんな、くっそまずいもんが食えるかい」「おえっーや
」「絶対あんなもん食うんやったら行けへん
」
本人いわく正当な理由でやめたんだそうです。
そんな主人とおんなじような人がここにありました。
長谷川義史さんの新刊・・・『はいチーズ』(絵本館刊)
~ああ、かみさま。よのなかとはこういうもんか。
おもっても、おもっても、
ああ、かみさま。
ああ・・・・ぼくはあかんにんげんやろか。
ぼくは・・・、うらやましい。ぼくは きんじょにすんでる
ふじいのよっちゃんが、うらやましい。~
何がうらやましいかというと・・・ふじいのよっちゃんがいつも食べてる肉屋のチーズなのであります。
そしてよしふみ少年は思い切ってお母さんに頼むわけです。
~「おかあちゃん、にくやのチーズこおてえな」
「えっ、チーズ あんなんおいしないで」
でた、きまりもんくや。
しかし、おかあさんはそないまで食べたいんやったら一回こうたるわ。と言ってくれるわけです。
~ああ、あこがれのふじいのよっちゃんのにくやのチーズ。
ゆめにまでみたにくやのチーズ。
ぼくはたいせつにかわをむいて、
そおっと、まえばでかみとって、おくばで、にかいかんでみた。
おくばで、さんかいよんかいかんでみた・・・。
ま、まずい!
ふじいのよっちゃん なにたべとるんや。
ぼくは・・・ぼくは、
たべたことないけどくさったせっけんのあじがした。~おお、かみさま。
こうして夢にまで見た、ふじいのよっちゃんのにくやのチーズはよしふみ少年によって、おかあちゃんにみつからんように、そおっとどぶに捨てられるわけです。
ほら、やっぱりな 三日で保育園をやめた誰かさんの得意げ(?)な顔が目に浮かぶようです。