かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等について | 西村くにこ オフィシャルブログ Powered by Ameba

かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等について

令和2年第2回定例会 一般質問の内容について、紹介させていただきます。


まず、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等についてす。

 

相談電話 045-322-7379(ナヤミナク)


平成29年8月「かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」が開設し、孤立しがちな被害者に寄り添いながら、医療をはじめとする支援につなぐ仕組みを構築したことは大きな前進であったといえるでしょう。しかしながら、立ち上げから3年近くが経ち、新たな課題も見えてきました。

言うまでもなく、性犯罪・性暴力は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する悪質、卑劣な行為であり、被害者は、身体だけでなく精神的にも長期にわたり苦しめられ、その被害の深刻さから「魂の殺人」とも形容されています。

許されざる犯罪でありながら、被害者が被害を届け出ないことにより顕在化しない事案が多い犯罪でもあります。

 

平成31年に法務省が行った、いわゆる「暗数調査」の結果においては、実に8割もの人が、捜査機関に被害の届出を行っていません。被害が潜在化すれば、社会において厳正な対処ができなくなるのみならず、被害の継続化・深刻化も懸念されます。

 

こうした状況を改善するため、努力や取組がなされてはいるものの、被害者の届出に対する精神的なハードルはまだまだ高いと言わざるを得ません。

 

そもそも、被害直後の混乱の中で、被害届の提出を決断することは難しく、その心情は充分に理解できます。しかし、その一方で、時間経過とともに、証拠が消失されてしまう可能性は高くなります。 

 

「かならいん」では、被害後間もない時期に緊急に必要な産婦人科医療を被害者に提供しています。もし、この段階で、医療従事者による証拠の採取やそれに引き続く保管の仕組みができれば、後に被害者が落ち着きを取り戻してから、捜査機関への被害届や証拠の提出が可能となり、被害者の迷いや苦しみが大きく軽減されるのではないでしょうか。

 

新型コロナウイルス感染症対策が最優先される現在、医療機関を交えた新たな取組の検討が難しいことは理解しています。しかし、状況が改善したときに、この証拠採取と保管に向けた取組が進むよう、いま、出来ることから行っていただきたいと願うばかりです。

 

 

卑劣な性犯罪から、一人でも多くの被害者を救済し、被害を防止していくためには、被害者への適切な対応とともに、潜在化防止などを含めた性犯罪への厳正な対処を進めるための効果的な施策を、明確な方針のもとに強力に推進し、本県として性犯罪・性暴力を許さない姿勢をはっきりと示すことが肝要であると考えます。

 

そこで私は

かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等について、どのように考えているのか、

知事のご所見を伺いました



実は性犯罪・性暴力については、昨年度所属していた防災警察常任委員会で、通年で取り上げてきたものです。

それを受けて県は、産科婦人科医会の協力を得て、本年3月に、証拠採取等を含めた被害者 のワンストップ支援に意欲のある医療機関の募集を行っていたのです。複数の医療機関から検討に前向きな回答をいただいたのですが、具体的な調整に入ろうとしていた矢先に、新型コロナウイルス感染症の問題が発生してまいました。医療機関は、現在もその対応に追われており、証拠採取等に関する検討は、中断を余儀なくされています。

知事からは「県としては当面、医療機関に新型コロナウイルス感染症への対応を最優先としていただきながら、状況の落ち着きなどを見据えて、かならいんにおける証拠採取等の実現に向け、検討を再開してまいります。」との答弁をいただきました。