こんにちは。

 

 

 

 

 

さて、今日は、

言葉を伝えているのに伝わらない、

違った意味で伝わってしまった、の原因の1つ、

「曖昧な表現」についてお話しします。

 

 

 

事件取材で、容疑者宅の近くに住む方にお話を伺った時に、実際にあった例です。

 

 

 

「その人なら、若い女の人と一緒にいるのを、

駅前のスーパーでしょっちゅう見かけたわよ。

この前も二人で仲良く買い物していたけど」

 

 

 

と、親切に教えてくださいました。

これを聞いて、皆さんはどのように感じるでしょうか。

 

 

 

容疑者は、若い女の人と頻繁に仲良く買い物していたんだな、と、

その人の様子が少しわかったように感じられたでしょうか。

 

 

会話の続きを見て見ましょう。

 

 

 

 

若い女の人 とは何歳くらいですか?

「うーん、30代か、よくいってて40代前半じゃないかしら」

 

しょっちゅう とは、どのくらいの頻度ですか?

「そうねえ、月に1回か2回は見かけたわね」

 

今、6月の上旬ですが、この前見かけた、とはいつ頃でしょう?

「今年になってから・・まだ寒かったから3月とかそのくらいには見ましたよ」

 

仲良く見えたとは、二人が手を繋いでいたとか、ぴったり寄り添っていたとか?

「そういうんじゃないけど、ほら、雰囲気っていうか、ねぇ」

 

 

 

 

いかがでしょう。

 

最初の証言の印象と、

その証言をひとつひとつ確認したあとの印象は変わりましたか?

 

 

最初の証言には、人によって使う幅が異なる表現が入っています。

 

 

若い しょっちゅう この前 仲良く

 

 

これらの表現にきちんと引っかかり

より具体的な情報に詰めていくことで、

初めて情報になり得ます。

 

この、

引っかかるというのは

「聞く」技術の中で、最も大切なこと

だと私は思っています。

 

 

 

これをしないまま、情報が聞けた、

と思ってしまうと・・・

せっかくご協力いただいた情報を、

曖昧であるという理由で採用できなくなってしまいます。

 

 

 

 

また、最初の証言のまま放送すると・・・。

 

「近所の方のお話では、容疑者は自宅近くのスーパーで、

 若い女性と買い物する姿を、しょっちゅう見かけられていたそうです」

 

 

 

被害者が22歳の女性だったとしたら、

この方が見たのは被害者である可能性があるのかな、

容疑者と共にしょっちゅう見かけられていた人が被害者なのかな、

と、想像をさせていまします。

 

 

 

ですが、この方が見たのは、

30代から40代くらいと見られる女性とのこと。

もちろん、人の印象ですので、老けて見える22歳もいるでしょう。

 

ただ、被害者と年齢も一致しなさそう、

3ヶ月前の目撃、となると、その時点では、

放送に採用すべき証言ではないな、と、判断しました。

 

 

 

 

同じようなことは結構あります。

 

「結構」ってどのくらい・・・このくらいです。

 

 

 

結構、たくさん、何度も、しょっちゅう、たびたび、頻繁に、いつも、大抵、大変な、ほとんど、普通は、すごい、すごく、いくつも、とっても多い・少ない、

かなり、いろいろ、最近、この前、時々、大丈夫  など

 

 

他にも、

若い、年配など、年齢の見立てや、早い・遅い、高い・低いなどの感じ方人通りが多い・少ないうるさい・気にならないざわついていた・もめていた大変なことになっていた

 

 

 

などの、

状況や印象も、

より正確に情報を得るためには、

具体的な回数、頻度、例えるなど、

より明確な表現で確認すべき表現です。

 

 

 

伝えているようで、伝えていない。

伝えているようで、伝えた言葉の示す範囲が広く、聞き手により印象が異なる。

 

 

より具体的に明確に伝えているか、

こちらが伝えたことが、相手にそのまま伝わっているか、

にピントを合わせる癖をつけると、

あなたの言葉はより「伝わる」言葉になるはずです。

 

 

 

日常の会話では、なんとなく通じてしまうので意識していないかもしれません。

 

でも、おおやけに切り替えた途端に、

明確な言葉の表現に切り替えられます!

 

を目指すよりも、言葉遣いと同じで、日頃から

 

「いくつもの受け取り方が出てきてしまう表現になっていないかな?」

 

と意識する方が確実です。

 

 

 

日頃から、「自分が発する言葉」に、

興味を持っていただくきっかけになりましたら嬉しいです。

 

 

 

 

お読みいただきまして、ありがとうございます。