27年前への時間旅行 その38 | どこでも漫遊記

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福岡市にある旅行会社「旅の漫遊」の代表西山がつづる海外情報や日々の日記。あなたを非日常の世界へとお連れいたします。

インドの観光地で唯一行っておきたかったところはタージ・マハール。

インドをあまり知らない人でもその名を聞いたことがあるくらい有名な建物。

実はこれはお墓である。

タージ・マハールがあるのはアグラという町。

デリーからアグラまで地図で見るとすぐ近くの様に見えるが結構距離はある。

デリーの南230kmに位置し、車で行くと5時間はかかる。

 

私はデリー市内の旅行会社で見つけた日帰りアグラツアーに参加する。

日本人は私だけで英語での説明である。

他に赤い城壁で有名なアグラ城なども見ることができるので大変便利だが、

もうこのころには旅が長すぎて普通の観光地というのは飽きていた。

とにかくタージ・マハールだけは見ておきたい。

 

タージ・マハールに到着するとガイドの説明のもと、ぞろぞろついていく。

ヒゲボーボーで髪伸び放題で何人か正体不明なのは私だけで、みんな小ぎれいだ。

 

タージマハールはムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンの愛妻のお墓である。

愛妻の名前がムムターズ・マハル。そこからたーじ・マハールと付けられたのかな?

白い大理石が美しいのと正面からみると左右対称になっている姿が美しい。

正面からだけではなく、いろんなところが左右対称に作られている。

このとき今まで見てきた建物の中で一番美しいと思った。

それほどこの大きな真っ白な美しい建物は心を鷲掴みにした。

中に入るときは靴を脱いで裸足でいく。

ひんやりとした大理石が気持ちいい。

 

スケールのでかい建物に満足しタージマハールを出ると

乞食が出口で何人も待っている。

手足がない乞食も何人かいる。

聞いた話では手足を子供のうちに切ってしまうそうだ。

乞食にとっては憐れと思われることがお金を稼ぐ武器だということ。

中には目が見えない乞食もいる。

こちらも同じで小さい時に目を潰されるそうだ。

そういえば映画の中でそんなシーンがあった。

 

タージ・マハールの美しさに心を奪われていたが、インド社会をハッと気づかされた出来事だった。

インドを歩いているとこういう光景はよく目に入ってくる。

ここはやっぱりインドなのだ。

 

(続)