最高裁が本年2月27日に第一小法廷で扱っていた非嫡出子の相続分差別に関する特別抗告を大法廷に回付するという決定をした時点で、非嫡出子の相続分差別を定めた民法900条4号但書について違憲判決がでることはある程度予想がついていました。
民法900条4号但書は以下のように定められています。
「ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一(以下略)」
この規定については法の下の平等を定めた憲法14条1項に反せず合憲だと判断していたのが従来の最高裁判例(平成7年7月6日大法廷決定)でした。
ところで、裁判所法10条3号は以下のように規定されています。
「憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。
」このときは、大法廷で裁判しなくてはいけません(裁判所法10条本文)。
すなわち、判例変更のありそうなときは、小法廷で裁判できず、大法廷で行わなくてはいけません。
そして、本日(平成25年9月4日)民法900条4号但書は違憲だとする決定が出ました。
理由については、まだわかりませんが、前回の最高裁の判断から18年間の時代の経過を経て、
①我が国は法律婚主義を採用しているのだから、嫡出子と、非嫡出子の間で一定の差があることもやむを得ない
②1/2とはいえ非嫡出子でも相続できるのだから一定の保護はある
といったことよりも、
親が結婚しているかそうでないかは子供が選ぶことは確実に出来ないことで、それによって差別を与えることは合理性がないと判断したのでしょう。
この判決を受けて、国会は民法900条4号但書について改正することになります。