福島第一原子力発電所事故によるものと思われる放射能汚染物質が東京でも検出されたと報道された日、1枚のFAXが父より送られてきました。
缶詰と西日本地区の玄米を確保すること。大分日田天領水をできるだけ確保すること。とりあえず、水は確保次第、順次実家に送るように。
同じようなことを考える人は他にもたくさんいらっしゃったようで、日田天領水はどのネットショップでも売り切れ。
私は当時関西地方に住んでいましたので、近所のスーパーや百貨店、コンビニに行ってみると、日田天領水どころか、水そのものが売り切れていました。
ネットショップを検索すると、西日本地区を産地とするミネラルウォーターは売り切れでも、外国のもの-エビアンとか、クリスタルカイザーなど-には在庫があったので、とにかく買えるだけ購入し実家に送る手配をしました。
当時の記録を見ると、日田天領水は2011年3月30日に在庫があるネットショップを見つけたので、これも送る手配をしました。3月中、国内だけで以下の水を注文して、送りました。
奥日田の癒し水[日田つえの水]20l
霧島の天然水20l
日田天領水10Lx2
龍王山天然地下水「ファインウォーター」(福岡県飯塚市と篠栗町の間の天然地下水)5ガロン
清水湧水(うきは市のもの) 2L×6本入
5月初旬から関西地区の物件情報が連日、父からFAXで届けられるようになってきました。当初は関西地区に一時的に避難することを考えていたようです。
ですが、私自身もそんなに長い間、関西地区に住むつもりはなく、関西地区への避難は反対していました。
そんな訳で、私が、産まれ育った東京よりも将来的には戻りたいと思っていた福岡市が移転先が候補になったのです。他には、沖縄も候補になっていました。
放射能汚染にびびって東京から避難するなんてバカげているとお思いの方もいらっしゃることでしょう。父の心境は、あの時は大騒ぎしすぎたということになってもの笑いの種になっても構わないというものだったそうです。
報道によると、東京での放射能の健康への影響はほとんど無いとのことですが、それを信じることは自由ですし、一般的だと思います。
ですが、2011年3月11日以前は、「原子力は安全なエネルギー」ということがお題目のように連日CMで流れていたのです。
事故の起きる確率だって、100万年から1000万年に一回と、まず事故はありえないということをどこかの電力会社は言っていたような記憶があります。
裁判所ですら、原発裁判で、ことごとく原発の安全性にお墨付きを与えてきたわけです。しかし、現実的には原発事故が起きたわけです。
なので、「健康への影響はほとんど無い」を信じないことにも一理なくはないのです。自分の体のことですから、大切にしてもしすぎることはありません。
そういう訳でとりあえずの、一時的な避難先候補を私が見てくることになりました。
当初は賃貸を探すとのことでしたが、福岡への出発前日になって、賃貸は家主が鍵を持っているから嫌だと言い出し、購入できる一戸建てもしくは、マンションをさがすことになったのです(続く)。