今回は、下顎第一小臼歯の抜髄を行った症例
意外と真っ直ぐなようで
曲ってます。
術前のデンタルX線写真を確認すると、根管は比較的強い湾曲を示していました。
強い湾曲も分類があります。
特に根尖側では急激な湾曲があり、さらに頬側方向への湾曲も疑われる形態でした。
また、縁下カリエスを認めたため、まず電気メスによる歯肉切除を行い、処置野を確保しました。
その後、髄室を確認すると、根管口付近にも石灰化を認め、根管口の確認にも少し注意を要しました。
今回のような根管では、最初から「真っ直ぐな根管」と考えて器具を進めてしまうと、本来の根管の走行から外れてしまう可能性があります。
そこで、
「この根管は曲がっている」
ということを術前から意識し、細いKファイルを使用して、根管の形態に沿わせながら慎重に探索しました。
特に根尖側の湾曲が強かったため、無理に押し進めることはせず、プレカーブをつけた一番細いファイルから開始。
根管の走行を確認しながら進めることで、無事に根尖まで穿通することができました。
その後の確認では明らかな分枝は認めず、強い湾曲を持つ1根管として処置を進めることができました。
術前の検討が、治療の道筋をつくる
今回の症例を通して改めて感じたのは、
根管治療は、ファイルを入れてから始まるのではなく、ファイルを入れる前から始まっている
ということです。
術前のX線写真から根管の走行を予測し、
「ここは急に曲がっている」
「ここでは無理をしない」
「まずは細いファイルから始めよう」
と、あらかじめ治療の道筋を考えておく。
実際の処置では、その予測を確認しながら、根管本来の形態をできるだけ尊重して進めていきます。
患者さんには、
「少し曲がっていて、ちょっと癖のある歯ですね」
と説明しました。
すると、患者さんは笑っておられました。
そして治療中は……なんと眠っておられました。😊
難しい根管であっても、患者さんにはできるだけ安心して治療を受けていただきたい。
歯を診て、人も診る。
それも、西原歯科クリニックが大切にしていることの一つです。
「歯の形態を知り、無理をせず、その形態を尊重する。」
今回の症例も、術前の小さな気づきが、治療を進める大きな道標になりました。
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