痩せた人が食べていたもの、太った人が食べていた野菜や果物 | 心と心のふれ合いを大切に 新潟市西区 西原歯科医院 

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津川友介先生(医師・UCLA准教授)著 ヘルス・ルールズ 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣

 

より、大切と思われることを抜粋いたしました。

 

 

 

(p70~p74)

 

結論から先に伝えると、体重を減らすのが目的であれば、最も効果的なのは食事を変えることであり、運動はそれと比べると影響は小さいと考えられている。

【痩せた人が食べていたもの】

 

摂取カロリーを減らせば痩せるとか、消費カロリーを増やせば痩せるという類の話はおそらく聞いたことがあるだろう。でもよく考えてほしい。もし本当にカロリー摂取量のみで太るか痩せるか決まるのであれば、100キロカロリーをいちごのショートケーキで摂取しても、野菜サラダで摂取しても、理論上は体重への影響は同じになるはずである。でも実際にこの2つが体に与える影響が違うことを私たちは経験から理解している。カロリー計算を用いてダイエットをすることが間違っているのである。 なぜならば同じカロリーや同じ糖質であっても、体重への影響は違うからである。
 

ハーバード公衆衛生大学院の研究チームが行った研究を2つ紹介しよう。
 

1つ目の研究は、米国人約12万人を12~20年間追跡し、食生活の変化と体重変化の関係を評価したものである。 4年ごとにデータを区切り、その期間における「食事の変化量(4年間で食事がどれくらい増減したか)」と「体重の変化量(同時期に体重がどれくらい変化したか)」の関係を解析した。その結果、 フライドポテトやポテトチップスの摂取量が増えている人ほど体重が増加しており、ヨーグルトやナッツの摂取量が増えている人ほど体重が減少していることが明らかになった。 ここで興味深いのは、似たような食材でも加工方法の違いで、体重への影響が正反対になるものがあることだ。例えば、パン、パスタ、白米などの「白い (精製された) 炭水化物」 の摂取量が増えている人ほど体重が増加していたのに対して、全粒粉、玄米、オートミール などの「茶色い (精製されていない) 炭水化物」の摂取量が増えている人ほど体重が減少していた。果汁100%のフルーツジュースの摂取量が多くなっている人ほど太っていたのに対して、(未加工の) 果物の量が多くなった人ほど痩せる傾向があった。巷では太ると言わ れているナッツの摂取量が増えていた人は実は痩せる傾向があり、最近日本で太らないと言 われるようになってきた赤い肉(牛肉や豚肉のこと)の摂取量が増えた人は実は太っていた。
 

【太った人が食べていた野菜や果物】


2つ目の研究は、同じ研究チームで、米国人約13万人を追跡し、野菜と果物の種類によって体重が変わってくるかを評価した研究である。先ほどの研究では食事全体を評価していたのに対して、こちらはその中でも野菜と果物に絞ってより詳しく解析を行ったものである。 その結果は、野菜や果物の種類によって体重への影響は異なるというものであった。 


じゃがいも、とうもろこし、えんどう豆のようにデンプン質の多い野菜の摂取量が増えている人は、太る傾向にあることが分かった。野菜の中でも、特に食物繊維が グリセミック負荷(グリセミック指数=GI値に対象の食品に含まれる炭水化物の割合を掛け合わせた指標で、最近ではGI値よりも適切な指標であると考えられている)が低いものは痩せる傾向にあることが明らかになった。

 

具体的に痩せていた人が多く食べていた果物は、ブルーベリー、プルーン、りんご、梨、いちご等であった。野菜に関しては、大豆、カリフラワー、 ズッキーニ、サヤインゲン、ピーマン、ブロッコリーなどを食べていた人は痩せる傾向にあった。
 

これらの研究はあくまで研究であり、ある食生活をしている人を追跡して、その人の体重 がどのように変わったかを評価したものである。総摂取カロリーだけでなく、運動量、1日 のうち座っている時間やテレビを観ている時間、喫煙習慣、睡眠時間などのほかの生活習慣 に関しては統計的な手法を用いて影響を取り除いている。つまり、同じような生活習慣の人 で、食習慣が違う人を比べているのである。