こんにちは。蒼乃勇信です。

 

 

皆さん、交渉は得意ですか?

 

 

交渉といっても色々あると

思いますが、

 

 

私は長年、仕事で交通事故の

示談交渉を行ってきました。

 

 

私自身も大したレベルでは

ないのですが、同僚を見ていると

この交渉が下手な人がいます。

 

 

そういう人は、

あるパターンに陥っている

のです。

 

 

そして、このパターンは

私たちの日常生活でも

頻繁に起こっているもので

 

 

これが理解できると

周りをありのままに見れて

人間関係が上手になります。

 

 

 

 

専門職によくある話

 

交通事故の示談交渉には

色々な知識やスキルが必要に

なります。

 

 

事故の状況を確認して、

当事者同士の責任の度合いを

交渉したり、

 

怪我があれば慰謝料や

休業補償といった損害賠償の

交渉を行ったりします。

 

 

そこには、交通事故に関わる

法律の知識や自動車保険の知識

も必要になります。

 

 

 

人生の中で何度も事故を経験

するという人は稀です。

 

 

だから、正しい知識をもって

いる人はあまりいません。

 

 

そして、人は独自のモノサシを

持っているものです。

 

 

だから、同じような事故でも

責任の度合いや補償に関して、

人によって色んな考えを持っていています。

 

 

そのため、交渉が難航することが

多々あります。

 

 

しかし、こういった損害賠償に

関する考え方というものは、

 

難航して裁判になったケースが

これまで何千、何万件とあります。

 

 

その裁判例が集積しているため、

一定の基準が出来上がっている

のです。

 

 

これは、日本における共通の

モノサシです。

 

 

当然のことながら、

我々の個人的な見解を当事者に

押しつけても納得しません。

 

 

ですので、私たちは

この共通のモノサシをもって、

折衝にあたります。

 

 

 

理解しない人がいると…

 

しかし、この共通のモノサシを

いくら説明しても納得しない人は

一定いらっしゃいます。

 

 

そして、中には感情的になって

怒鳴ってきたり子供のような

言い分を通そうとする方もいます。

 

 

この時、担当者からみると

相手の印象はこんな感じでは

ないでしょうか。

 

 

「無理解な人」

「ワガママな人」

「頭が悪い人」

「迷惑な人」

 

 

また、交渉の中では様々な

感情的やり取りがあります。

 

 

そのため、以下のような印象

を持つことも多いと思います。

 

 

「すぐにキレる」

「高圧的」

「ネチネチしている」

「のらりくらりしている」

 

 

担当者としては、半ば被害者の

ような気持ちになります。

 

 

彼らが根拠にしているのは

裁判例が積み重なって出来上がった

基準であり、

 

これ以上に正しいと言えるものは

他にないわけです。

 

 

それをいくら丁寧に説明しても

理解を示さず、

 

自分の独自のモノサシを当てはめ、

怒鳴ったりネチネチ言ってくる。

 

 

そんな状況にイライラや怒り、

不安や恐怖を感じることを経験

します。

 

 

 

そういった経験を繰り返すと

どうなるでしょうか?

 

 

「自分は正しいことを言うのに、

相手は理解を示さずワガママを

言ってくる」

 

「そういった迷惑な相手に自分は

苦しめられる」

 

 

そういったイメージが出来上がります。

 

 

 

トリガーにより簡単に発動される

 

感情体験によってこのイメージが

出来上がると、何らかのトリガーで

この感情が発動することになります。

 

 

例えば、共通のモノサシから

少しズレたことを口にしただけで

 

「この人は迷惑な人だ」

 

と瞬間的にイライラが沸き起こる

といったことになります。

 

 

交通事故が初めての人が

最初から共通のモノサシを理解

している方が珍しいはずです。

 

 

しかし、担当者にとっては

背景にこれまでの感情体験があり、

瞬間的に感情が沸き起こるのです。

 

 

そして、その感情に呑まれると

相手や状況をありのままに見れなく

なってしまいます。

 

 

担当者の目の前にいるのは

単に交通事故に不慣れな善良な人

でしかないのに、

 

 

正しいことを言っても理解しない

迷惑な人として映るようになる。

 

 

交渉において重要なのは

まず相手の話を聞くこと、

と言うのがセオリーです。

 

 

しかし、この状態に陥ると

話を聞いているつもりで、

 

自分が言い返すタイミングを

はかるだけの状態になります。

 

 

その結果、交渉が平行線を

辿るようになります。

 

 

この時、強い口調で交渉して

いると本人は「頑張っている」

つもりになるのです。

 

 

周りも同じような経験を

もっているので、

「頑張って迷惑な人と戦っている」

とみることがあります。

 

 

しかし、私から見ると明らかに

感情に呑まれています。

 

 

そして、本来の相手や状況を

見ることができていない。

 

 

だから、交渉が下手なのです。

 

 

 

これは、私たちの日常生活でも

起こっていることです。

 

 

皆さんにも、日常生活で何か

不快な関係があるかも知れません。

 

 

その時は、もしかすると、

過去の何らかの感情体験を映している

のかも知れません。

 

 

それが理解できると

目の前の相手をあるのままに

みることができます。

 

 

最後まで読んでいただき

ありがとうございます。