こんにちは。aonoです。

 

 

先日、ある記事の中で

「逃げると怖くなる」

ということをお伝えしました。

 

 

皆さんも、職場で誰かに連絡しないと

いけないけど怖くて連絡しづらいとか、

 

誰かに何かを依頼しないといけないけど

何となく怖くて声がかけられない

ということが無いでしょうか?

 

 

先延ばしして時間だけが経過して、

「どうしよう…」

と不安が大きくなっていき

余計に連絡しづらくなる…

 

 

今日はそんな方に向けて、

別のケースからお話していきたいと

思います。

 

 

 

厄介な人々

私は仕事で交通事故の示談交渉を

行っています。

 

 

交通事故に関わる折衝と言うのは

感情的なやり取りが多いものです。

 

 

事故当時者と話をする中で

ほんの少しの言葉の使い方で

 

「お前はどっちの味方だ!」

「あんたじゃ頼りなくて話にならない」

「誠意が無い!」

 

等と怒られることは

若い頃は日常茶飯事でした。

 

 

それは、相手方とも限らず、

当方側のクライアントであることも

よくあります。

 

 

そして、一番面倒なのは

クライアントと直接ではなく、

その間に取引先が入る場合です。

 

 

私達の仕事は少し変わっていて、

クライアントと直接商談をする

ことはありません。

 

 

必ず取引先を経由して

契約をいただくこととなります。

 

 

取引先はそのクライアントから

直接的に契約を受けているので、

 

責任感の強い方などは

自分が窓口となってクライアントの

要望を伝えてきたり、

状況を説明したりするのです。

 

(大半の方は専門的な事故の対応は

当方側に任せてしまうのですが)

 

 

もちろん、そういった方の中には

一般的な交通事故に関する知識に精通し、

クライアントをしっかりグリップして

協力的な方も多くいらっしゃいます。

 

 

しかし、中にはそうではない方もいます。

 

 

交通事故に関してしっかり学んだことはなく

経験則だけで

 

「以前は~してもらったから、

 今回も~なるはずだ。」

「普通は~になるはずだ。」

「自分はこの仕事を何年もやってて

 よく知ってるんだ。」

 

という様なことをおっしゃる方もいます。

 

 

「~だった」という経験だけで、

その理由を理解していないため応用が利かず、

条件が違えば結果も異なるということが

理解できないのです。

 

 

そして、質が悪いのは、

そういった方の中には

 

「自分達は長年経験を積んだプロだ」

 

という認識が強く、

我々から見れば明らかに間違っていても

本人は絶対正しいと思っている方が多いのです。

 

 

取引先へ電話するのが怖かった若手時代

そういった方と話をしている中で

最も気苦労が多いのは、

クライアントにとって不利な状況を

説明する時です。

 

 

交通事故の責任関係や

交渉の落としどころについては、

一般の方にはなかなか理解しづらい

面が多々あります。

 

 

例えば、道路を直進中に

道路外のコンビニの駐車場から

車が飛び出してきて、

自車の横っ腹に衝突したとします。

 

 

この場合、直進車両に責任が

発生すると思いますでしょうか?

 

 

まあ、こんな聞き方をすれば

「責任が発生する」

というのが正解だと察しが

つくと思いますが、

 

実際に事故に遭った方の大半は

この話を聞いて激怒します。

 

 

やはり、かなりの割合の人は、

直進車に責任が無いと思うでしょう。

 

 

また、一般的な責任関係を前提に

交渉を進めたとして、

相手方がそれで納得せず交渉が

平行線になることがあります。

 

 

例えば、当方の責任が一般的に

1割だとしても、相手によっては

3割だと主張するかも知れません。

 

 

人によって物事の尺度が違うので

交通事故に精通していない限り、

これは致し方ありません。

 

 

そんな場合、

もちろん当方側の主張が正しいことを

色んな材料を使って説明していき、

交渉を重ねていきます。

 

 

しかし、我々には法的な強制力は無いため、

相手方が了承しなければ示談にはなりません。

 

 

明らかに当方の主張が正しくても、

相手がゴネれば示談できないのです。

そんなバカなことがあるのか?と

思うかも知れません。

 

 

しかし、これはよくあることです。

 

 

理由は色々とありますが、

一つは開き直りです。

 

 

相手が当方の主張を理解していながらも

お金を払いたくないがために

開き直ってしまうというケースです。

 

 

または、独自の考え方が強くて

一般的な理屈が理解できないケース

もあります。

 

 

もしくは、感情面でのこじれです。

 

 

事故後の当事者の態度が

気に入らないとか、

そういった事故の発生原因とは無関係

な面でこじれることは結構あります。

 

 

こういった場合、最終的には

選択肢としては3つしかありません。

 

 

相手の要求を呑むか

折衷案を提示するか

法的な措置をとるかです。

 

 

我々には強制する力は無いので、

相手の主張が不当であれば

最終的には法的措置しかないのです。

 

 

しかし、こういった理屈に取引先が

納得しないことがあります。

 

 

「理屈的に考えて当方側が正しいのだから

それが通らないというのはおかしい。」

と言うのです。

 

 

もちろん、道理としてはその通りです。

 

 

しかし、民間人である我々には

それを強制する権力が無いのです。

 

 

だから、裁判所があるわけです。

 

 

もちろん、こんなにストレートな

言い方を取引先にはしないのですが、

 

こういう趣旨のことを言うと、

「そこを上手いこと言うのが仕事だろ!」

「努力が足りないからだ!」

という反論をしてくる方もいらっしゃいます。

 

 

しかし、交渉は口喧嘩ではありませんから

強く言ったり、上手く言ったり、

努力すれば有利になるという単純なもの

ではありません。

 

 

いくら交渉を尽くしても

相手が開き直ってしまえば、

交渉するどころか電話にすら出てくれません。

 

 

こういったことを取引先へ説明を

していくのですが、

どうしても理解が得られない人がいます。

 

 

そして、大抵の場合、

そういった方に限って私たちに対して

感情的になって怒鳴ってくるのです。

 

 

 

 

これは私たちにとっては

非常にストレスになります。

 

 

取引先は自分が「プロ」なので

絶対正しいと思っていて、

いくら説明しても

そもそも聞く耳をもっていません。

 

 

稀ですが、場合によっては

苦情という形で私の上司に電話が

入ったりすることもあります。

 

 

今であれば、上手く信頼関係を作って

話を聞いてもらうこともできますが

若い頃はそこまでのスキルもありませんでした。

 

 

電話をする度に怒鳴られ、

上司に何か言われるんじゃないか

という不安を感じながら、

理不尽な時間に耐えなければならない。

 

 

そんな状況を経験すると、

やはり人間としては

その人に電話するのが嫌になります。

 

 

「このタイミングで電話した方が良いな」

と頭をよぎるのですが、

 

「いや、まだ話がまとまってないから…」

「もう少し相手の腹積もりが見えてから…」

 

と合理化して引き延ばしてしまうのです。

 

 

そして気付けば数か月連絡をしていない

という状況になっていることもありました。

 

 

10年程前は、時代もおおらかだったので

全社的にそういった案件は結構ありました。

 

 

しかし、ご想像のとおり

数か月後に電話をして同じ話をすると

 

「何カ月も放置しておいて、

 今頃そんな話か!ふざけるな!」

 

と激怒されることとなります。

 

 

そして、更に電話しづらくなる

という悪循環に陥るのです。

 

 

その続きは、別の記事で書きます。