こんにちは。aonoです。

 

 

内向的な人の中には、

理不尽なことを言われても

言い返さない、

という人が多くいらっしゃいます。

 

 

その中でも、

相手に何か言われた時に

「理不尽だな」

と感じながらも、

 

「言い返すと波風がたつから

 怖くて言い返せない」

という方はまだマシです。

 

 

本日は、

もしこういった傾向がある場合は

注意していただきたい

という点についてお話します。

 

 

 

 

私は大学を卒業して入社して以降、

ある専門部署で勤務してきました。

 

 

しかし、10年が経過した頃、

会社が合併したこともあり人事戦略が見直され、

突然営業部門へ異動することとなります。

 

 

「内向的な自分が

 営業なんてできるのか?」

「また元の部門へ戻れるのだろうか?」

 

 

そういう不安はもちろんありましたが、

とにかく気持ちを切り替えて

新しい仕事を覚えようとしました。

 

 

赴任した当日、

私は何人かの社員に付き添って

外回りをしました。

 

 

私が引継ぐ営業先に、

前任者と一緒に挨拶に回ったのです。

 

 

そして、2日程で全ての担当先を回った後、

私は営業先でどんなことをするのか

レクチャーがあるものだと思っていました。

 

 

そもそも営業面の知識は

全くありませんでした。

 

 

契約に関する知識も事務処理もシステムも

全く分かりません。

 

 

営業先へ行っても何も分からないのでは

信頼関係を築きようもありません。

 

 

私と同時期に入社した新入社員は

一足先に事務処理から教わっている様でした。

 

 

私も早く仕事を覚えようと思い、

周りの社員に見積書を作成する案件を

回してもらい、

練習しようとしていました。

 

 

そうしたところ、

「おい、何やってんだ。

 早く外行ってこいや。」

そう、上司から言われました。

 

 

私は

「え、いきなり?」

「今の状態で行って何したらいいんだ?」

「そもそも何聞かれても答えられないけど…」

 

そう思って、

どうしたらいいのか聞いてみました。

 

 

すると

「とにかく行って喋って来い。

 仲良くなるんだよ。」

と言われるだけでした。

 

 

仕方が無いので営業先へ行って、

とにかく勇気を振り絞って喋れるだけ

喋ってきました。

 

 

仕事の内容も営業先の人から

教えてもらいながら、

徐々に慣れていくことができました。

 

 

 

 

そうして半月程経過したある日、

会議があるというので出席しました。

 

 

会議の中で話されている内容は

同じ日本語とは思えないくらい

何がなんだか分かりませんでした。

 

 

おそらく半分も聞き取れていません。

 

 

その中で、各自の営業数字の見込みを

報告していくという場面がありました。

 

 

私は分からないなりに、

見様見真似で報告をしていきました。

 

 

ひとまず現状の数字を報告し、

目標までの乖離がどれだけあるか、

そして打ち手をどうするかを

恐る恐る説明していきました。

 

 

すると、

上司から「それで数字いけるのか?」

と聞かれました。

 

 

空気からして、

ここはおそらく前向きな回答をしなければ

ならない場面だと思いました。

 

 

私は内心、

「分かりません」

と答えたかったのですが

 

精一杯の虚勢を張って、

「行ける…と思います」

と回答しました。

 

 

口にした瞬間

「しまった…」と思いました。

 

 

次の瞬間、上司は鬼の様な剣幕で

 

「行けると思いますじゃねえんだよ!

 行くようにしますってなんで言えねえんだ!」

「お前の担当している○○店が数字いかないと

 課全体で数字いくわけねえんだよ!」

 

そう怒鳴られました。

 

 

私は急なことでビックリして、

一瞬で身体が硬直し

背中に汗が滲んでくるのを感じました。

 

 

「はい!いかせます!」

 

慌てて返事をしたのですが、

 

「その打ち手で本当に数字いくのか!?」

 

と更に追求が続きます。

 

 

正直、自分の経験では、

本当に自分の打ち手で数字が改善するのか

皆目見当もつきませんでした。

 

 

とにかくやらなければならないので

周りに聞きながら「こうやってみようか」

という程度の状態です。

 

 

その状態で「いきます!」と断言すると

「いくわけねえだろ!」と、逆に

打ち手の甘さを指摘される可能性を考えました。

 

 

そして

「いや…」(分かりません)

と一瞬言いかけましたが、

 

先程「いかせますと言え!」

と怒鳴られた経緯から

何とか声を振り絞って「い、いかせます!」

と回答しました。

 

 

「本当だな!?」

「はい!」

 

 

それでその場のやり取りは終了しました。

 

 

怒鳴られている時はびっくりして

それどころではありませんでしたが、

 

課のメンバー全員がいる前だったため

我に返ってからは

ばつの悪い思いをしました。

 

 

 

 

しかし、これはまだほんの始まりでした。

 

 

その辺りからは結構な頻度で

怒鳴られるようになります。

 

 

前回は会議室の中でしたが、

事務所には他の課の従業員もいて、

フロア全体で100人くらいがいました。

 

 

それだけの人数の前で、

フロア全体に響くような大声で叱責される

ということが日常茶飯事となります。

 

 

朝は課長からの叱責で始まります。

 

 

席が隣だったのですが、

営業先へ行く前に

今日はどこへ行って何をするのか、

細かく聞かれました。

 

 

そして

「なんでそんなことをするんだ」

「営業先でどんな話をしているんだ」

「それでどうなるんだ」

と細々と詳細を聞かれるのです。

 

 

最初は冷静に話を聞いているのですが、

何かをきっかけに瞬間湯沸かし器の様に

突然火がついて抑えが利かなくなる感じです。

 

 

30~40分程怒鳴られた後

営業先へ行く約束もあるため

そのことを告げて逃げる様に外出します。

 

 

営業先を回って帰社するのは

夕方になります。

 

 

帰社してからは、

次席者から詰められます。

 

 

次席者は瞬間湯沸かし器ではありませんが、

ネチッこく詰めてくるタイプでした。

 

 

「今朝、なんか怒られてたな。

 何言われてたんだ?」

「で、お前は何が問題だと思うんだ?」

「で?」

「で?」

「で?」

「で?」

 

 

こちらを見ずに、ずっとパソコンを操作しながら

延々と禅問答の様な会話が続きます。

 

 

営業先で依頼を受けた見積もりを作成したり、

勉強会資料を作成する予定があるのですが、

取り掛かることができません。

 

 

そして、徐々に苛々した顔になっていき、

少しずつエスカレートしながら声を荒げていきます。

 

 

夕方で人が少なくなったフロアは

余計に声が響いて目立ちます。

 

 

私は

「はい」

「はい」

「すいません」

「はい」

とひたすら背中を丸めて謝るしかありません。

 

 

そして、それが終了した後は

50過ぎの先輩から

呼びかけられます。

 

 

「おい!○○!

 この数字なんだよ!?」

「はあ?

 なんで~なんだよ!?

 バカかお前!」

 

 

といった感じで怒られながら

また数十分を過ごすこととなります。

 

 

 

 

そして、その先輩とは帰宅方向が同じため

帰りの電車の中でも話が続きます。

 

 

その先輩はひと際声が大きく、

あまり周りを気にしないタイプでした。

 

 

そのため、社内でも叱責されているのが

皆に聞かれて恥ずかしいのですが、

 

それ以上に電車内でも同様に叱責されて

周囲の人に聞かれているのが恥ずかしくて

たまりませんでした。

 

 

そんな上司、先輩達でしたが

毎週水曜日は

課の営業先がほぼ休みなため

一緒に昼食にでかけます。

 

 

そこでも3人からの色々な突っ込みが

続きます。

 

 

一番嫌だったのは

次席者の方が時々説教の中で

「まあ~なんだけどね(笑)」

と言っておどけて笑うことがあるのですが、

 

次席者が笑ったので、

こちらもホッとして笑うと

「笑い事じゃねえんだよ!」

と凄まれて

どう反応したらいいのか分からなくなる

ということがありました。

 

 

殴られるということはありませんでしたが、

机を蹴り上げられたり書類を投げられたり

変なあだ名で呼ばれたり、

「アホ」だの「バカ」だの言われることが

日常茶飯事でした。

 

 

当初はそういった叱責を受けて

「恥ずかしい」とか「悔しい」という気持ちを

強く感じました。

 

 

社歴は10年程度でしたので、

周囲には自分よりも年下の後輩もいます。

 

 

逆に年上だけど役職は下の社員もいます。

 

 

そういった人達から自分がどういう目で

見られているのかと思うと、

いたたまれなくなりました。

 

 

しかし、徐々に悔しさは消えていき

「情けない」という気持ちに支配されます。

 

 

自分が何もできない無力感を感じ

自分のことを完全に駄目な人間だと

思うようになっていました。

 

 

 

 

当時は、自宅に帰ろうにも

家族に合わせる顔がなく、

泣きべそをかきながら家の周りをグルグルと

歩き回っていたものです。

 

 

ある頃からは、週末だけ飲んでいたお酒を

平日も寝酒代わりに飲むようになり、

休日は何もする気が起きず

寝巻で一日過ごすようになっていました。

 

 

幸いに、2年目は課長が異動しましたし、

結果にも少し恵まれたこともあり

少し扱いはマシになりました。

 

 

そして異動希望が通り、

元の部門へ帰還することができました。

 

 

しかし、あのまま同様の状況が

続いていたらと思うとぞっとします。

 

 

今になって考えてみると、

やはり理不尽さを感じます。

 

 

社歴こそあるものの、

初心者に何も教えず放り出しておいて

結果が悪いと罵声を浴びせる

というのはいかがなものでしょう。

 

 

私が異動してきたとの同時期に

入社した新入社員は事務処理から教わり、

先輩と営業先へ同行しながら仕事を覚えて、

それから担当をもっていました。

 

 

そこまで至れり尽くせりを望みませんが

せめて教えを乞うた時に具体的な手順等を

教えてくれても良かったと思うのですが…

 

 

また、人前で度々罵声を浴びせられたり

嫌がらせの様なやり取りも、

今考えれば腹立たしい限りです。

 

 

実は2年目の頃に、もう一人別部門から

営業へ異動してきた社員がいましたが

私と同じような感じになり、

半年程度で退職してしまいました。

 

 

しかし、ここが重要なのですが、

実は当時の私は彼らの言動に対して

理不尽だとは感じていなかったのです。

 

 

むしろ罪悪感すら感じていました。

 

 

「自分ができないから

 罵声を浴びせられるのは仕方がない」

「机を蹴り上げられるのも仕方がない」

「食事中につられて笑うなんて

 自分の罪の重さを分かってなかった」

 

 

叱責される自分が駄目で情けない奴

だと思っていましたし、

そこまで怒らせていることに対して

申し訳ないと思っていたのです。

 

 

 

 

一方で、彼らもそう思っていたのではないか

と思います。

 

 

「こいつができないから

 皆の前で怒鳴り上げるのは普通のこと」

「アホと罵るのも仕方がない。

 指導だから。」

「食事中に笑う資格なんてない」

「だって、こいつができないから悪いんだし」

「こっちは迷惑を被っているんだから」

「厳しく指導しなければならないから」etc

 

 

今思えば、客観的には理不尽な面が

多かったと感じるのですが

当時の私達はこうしてお互いに

この状況を正当化していた様に思います。

 

 

この頃、他の課の人達からは

「大変だね…」

と声をかけられることもありました。

 

 

しかし、私は「自分が悪いんです」と

どちらかと言えば自分を責めていました。

 

 

人間は何かしらの、不安や葛藤を感じる時

それに理屈をつけて合理化する習性があります。

 

 

これはもっともらしい理由をつけることで

直面するのが辛い問題を回避する心の仕組みです。

 

 

本当は、正しいかどうかは別としても

当時の課長や先輩へ言いたいことが

山ほどありました。

 

 

しかし、それを言う勇気が無かった私は

そこに直面しないために

自分ができないからこの状況が生じている

と考えてしまっていたのだと思います。

 

 

そして、それは上司も同様で

罪悪感の様なものがあったとしても

それに直面しないために

「こいつが駄目だから」という

理由を用いてごまかしていたと思います。

 

 

そして、それを後押ししているのは

私の自己肯定感の低さです。

 

 

自分に価値が無い=相手の言う事が正しい

と考えてしまうため

相手が行き過ぎているとか落ち度がある

と考えることが苦手なのです。

 

 

内向的な人の中には

こういった形で、

理不尽な状況を自分のせいにして

受け入れようとする人が多くいます。

 

 

そして、そういう人を見ると

もう一方の当事者は

更に勢いづいてしまうのです。

 

 

これは無意識に行われているため

なかなか気づくことが難しいものです。

 

 

お勧めとしては、

日常から自分を責めてしまう時に

100%自分が悪いと考えずに、

「自分が〇%悪くて他人が〇%悪い」

と割合で考えてみてください。

 

 

それだけで客観的に物事を見ることが

できるようになります。

 

 

最後まで読んでいただき

ありがとうございました。