こんにちは。aonoです。

 

 

皆さんは、職場で後輩から

信頼されていますか?

 

 

逆に、

「なめられてる」

「信頼されない」

「心を開いてくれない」

 

と感じている人は、

もしかしたら矢印が自分に

向いているせいかも知れません。

 

 

 

 

私の職場での出来事ですが、

ある日、5年目くらいの

若い担当者が

お客様から苦情を受けました。

 

 

彼女は最近担当職務が

変更になり、

まだペースがつかめていない

様子でした。

 

 

業務に慣れない中で

抜け漏れが生じるのは

仕方のないことですが、

 

先輩社員が隣で指導しても

放置することも多く、

少し問題視されていました。

 

 

正直、傍目からは

やる気がない様に映り、

私は見ていてイライラする

ことが多かったです。

 

 

そんな中で苦情が発生したため、

私はいい機会だと思い、

日頃から思っていたことを

伝えようと思っていました。

 

 

苦情対応が終了して

フィードバックのために

彼女に声を掛けました。

 

 

「さっきの○○さんの件、

 今対応したので

 少し時間がとれますか?」

 

 

すると、彼女はびっくりする程

嫌そうな顔をして断ってきました。

 

 

「いや、今ちょっと忙しいんで…」

「案件が入ってきたので、

 初動対応をしないといけないので」

 

 

私はカウンターを受けたような

気分になりました。

 

 

 

 

こちらは彼女のミスで苦情対応を

してきたんだから、

立場としては上だと思っていました。

 

 

当然、彼女も申し訳なさそうな顔を

するものと思いこんでいたのですが、

思いの外、強気な態度です。

 

 

むしろ、

「こんな忙しい時に声かけてくんな」

「見て分からないのか」

「気の遣えない男だな」

 

みたいなことを言われている様な

気分になってしまいました。

 

 

そして、周りにいる

女性社員も同じように自分を

見ているのではないか

という気分になり、

途端にビビってしまいました。

 

 

「じゃあ、手が空いたら

 声かけて下さい。」

 

 

私はそう言って、

その場を離れました。

 

 

そして夕方になり

全体的に少し落ち着いた頃、

そろそろ彼女が声を

かけてくる頃かと思い、

ふと向こうを見てみました。

 

 

すると、なんと彼女は

身支度を済ませて

帰るところだったのです。

 

 

私は唖然としてしまい、

呼び止めるべきでしたが

そのまま見送ってしまいました。

 

 

 

 

翌日、再度彼女を呼び出し

フィードバックをしましたが

悪びれる様子もなく、

 

改善点についても

全く響いていない感じでした。

 

 

最初は言いたいことが

たくさんあったのですが、

余りに反応がないため

萎えてしまい、

 

言いたいことの半分くらいしか

伝えられなかったと思います。

 

 

なぜ、こんなことになるのか

当時の私は凹みました。

 

 

今になって思うのは、

一つには

私も、彼女の隣で指導していた

先輩職員もそうかも知れませんが、

 

こちらの心根が透けてみえていた

からではないかと思います。

 

 

フィードバックは

あくまで行動を修正するものです。

 

 

しかし、当時の私の目的は、

それ以上に自分のイライラを

解消することになっていました。

 

 

それは相手に伝わります。

顧客対応でもそうですが、

いくら電話での話し方がきれいでも

電話が終わった途端に

 

「死ね、じじい!」

 

等と文句を言っている担当者は

概ね満足度も低い傾向にあります。

 

 

いくら取り繕っても、

どういう心持ちで話しているのかは

相手には伝わってしまうものです。

 

 

自分自身も色んな方から

フィードバックをもらいますが、

 

相手の言葉そのものと

言いたいことがずれている場合、

何となく分かってしまいます。

 

 

当時の彼女にも

分かっていたと思います。

 

 

 

 

もう一つは、

彼女が自己欺瞞に陥っていた

のではないかと思います。

 

 

本人としては、

「担当職務が変わって

慣れない中一生懸命に

仕事をしている」と

思っていると思います。

 

 

それ自体は事実だと思います。

 

 

しかし、周囲から色々と

指導を受ける中で、

 

「こんなに頑張っているのに」

 

という気持ちが生じても

おかしくありません。

 

 

それは徐々に

「私も頑張っているのに…」

 

「先輩の教え方が悪いから」

 

「まだ、そこまで手が回るわけない」

 

「まだ慣れてないのに、

 こんなに案件を回されたら

 細かいところまでできるわけない」

 

「もっと自分の状況をちゃんと

 把握しておいて欲しい」

 

等という考えに繋がってきても

おかしくありません。

 

 

そして、

「自分は頑張っているのに

 周りの理解や支援が無いから

 上手くいっていない」と

被害者意識をもっていたのでは

ないかと感じます。

 

 

 

 

一方で、

いい歳をした大人として

それを職場内であからさまに

訴えるわけにもいきません。

 

 

だから、

「何とか自分の不満に

 気付いて欲しい」

という思いが頑なな態度や

少し反抗的な態度となって

表れてくるのではないかと

思います。

 

 

職場では、

担当者が何かできていない

ことがあると往々にして

懲罰的な対応をすることが

よくあります。

 

 

しかし、それは気をつけなければ

担当者の自己欺瞞を招き、

余計に事態を悪化させることに

繋がるのではないかと最近思います。

 

 

正しいかどうかは別として、

担当者には

何らかの言い分があります。

 

 

それに対して理解を示さなければ、

担当者に何を言っても

 

「この人は実情を理解していない」

「分からせなければならない」

 

という思いが先行して、

こちらの話を聞く態勢ができません。

 

 

ですので、

できていない担当者に

変化を促したい場合は、

 

まず、何が担当者の中で

阻害要因になっている

(と考えているのか)を

よくよく聴いてあげて、

そこに理解を示してあげることが

非常に重要になってきます。

 

 

 

 

そして、

「この人は自分のことを

本当に理解してくれている」

 

という信頼を得ることができれば

こちらの言葉を受け入れてもらう

ことができるようになります。

 

 

例えば、今回の事例では、

彼女は担当職務が変更になった後も

以前の担当職務で受けた案件は

誰かに引継ぎすることなく、

完了まで対応を継続していました。

 

 

しかし、新しい職務に慣れず

テンパっている中、

以前の職務の案件で

頻繁に電話がかかってきたり、

 

複雑な事務処理が必要になったり、

なかなか集中できない状況が

続いていた様です。

 

 

できれば、以前の担当案件を

誰かに引き継いで欲しかったのです。

 

 

しかし、それは組織の事情もあり

叶いませんでした。

 

 

一方で、

周囲の先輩はそのことを

把握していないまま

仕事を割り振っていたため、

彼女からすれば

 

「余計な負担を被っている」

「それも人知れずに」

 

という感覚があったと思います。

 

 

その中で、

求められる事務処理が漏れたり

スキルが追いつかない状況に

陥り、被害者意識をもっていた様です。

 

 

もちろん、

だからと言って案件を放置して

お客様に迷惑をかけることが

許されるわけではありません。

 

 

また、大変な状況であるにしても

努力して何とかならない状況かと

言われれば、

そうではないかも知れません。

 

 

加えて、

今回の担当職務変更は

彼女の強い希望があったため

人員的な問題がありつつも

叶えてあげたという面もあります。

 

 

だから、

組織としては正直「甘えるな」

と言いたいところもあります。

 

 

しかし、その場合でも

「慣れない中で

 以前の案件も抱えて

 大変な思いをしている」

 

という点に対しては、

理解と共感を示すこと

が重要になります。

 

 

 

 

そうすると、

「分かってくれている」

という安心感が生まれ、

 

「分かってくれたうえで、

 こう言ってきているんだ」

「この状況でも仕方がないんだ」

 

と受け取り方に変化があるはずです。

 

 

後輩や部下の指導に

行き詰まっている方は是非

「彼らの言い分を理解する」

ということを

意識してみてください。

 

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。