Au Clair De La Nive
28 quai galuperie
64100 Bayonne
その名の通り、「ニーヴ川の光の袂」の素晴らしいレストランです。
もう何を注文したのかも覚えていないが、とにかく素敵で、食後にアルマニャックをたのんだのは確かです。

実際に行った場所も限られるが、食の豊かさについて、無知により見逃したという後悔とともに、何も知らなかった故に先入観抜きに出会うことのできた至福のメニューについて、いくつか思い出話をしましょう。
まずベースとなる味覚について、吉野家もその効用は認めますが、決して旨いとは思いません。
回転寿司もOKですけど、心から喜んで行くわけではありません。
私が暮らしている東京は食については世界最高の都市のひとつでしょう。
和食、ラーメン、洋食その他、ジャンルを問わず食材の扱いすなわち仕込みの丁寧な店が好きです。
疲れてるときなんかは、思いっきりしょっぱい炎のフランベ全開の鉄板焼きが感動です。
弁当だって、本当にお米のうまい店がある。
変わったところでは、赤坂の会員制の料理屋で土鍋炊き込みご飯が美味しかったかな。
大阪も食い倒れの名にふさわしい。箱根もいいですね。
ローマは感動すら覚える衝撃でした、毎日ラザニア食いたくて予定を変更しましたからね。
それでもガイドブックなしでサントルイージ教会の「マタイ三部作」を見つけちゃうところはしっかりしてます。
そして、上野で「エマオの晩餐」に出会いました。実に素晴らしい。
ボローニャ、ペトラ、ロードス、フュッセン、アゼールリドーも心に残っているので、どこも偶然ですが、食に関してはセンサーが敏感なんでしょうね、私の鼻はなかなか高性能です!?
ぼろーんにゃ;クリームを使った料理
ペトラ;羊のスパイス煮込み
ロードス島;海鮮をメインに
フュッセン;南部ドイツ料理
アゼールリドー;王道フレンチ
さて、無知ゆえに、せっかくすぐそばまでいっていながら通り過ぎたのが、サンセバスチャンとナポリですね。
ナポリは日曜日だったので、レストランはほとんど休みだったからまあしかたのないところだが、スペインのサンセバスチャンがミシュランの星の数の密度世界一なのは知らなかったので、スルーしてしまいました、もったいない話です。
まあ、その分バイヨンヌが最高の思い出になったので、後悔はまったくありません。
もう一度行くしかないですね、とんでもなく遠いけど!
無理やり探せば、フィレンツェで仔牛料理を食わずに美術館ばかり巡ってたとか、ミュンヘンでフレンチレストランばかり入ってたとか、ピント外れな行動も目立ちます。
まあ、なんとなく、それでもいい感じでした。
でも、ウィーンのザッハートルテとか、あまりにも有名なのにこんなものか、という体験も数知れず経験しているので、見逃したからといって後悔する必要もないのかなと思います。
そもそも何しに行ったのか、それは、感動を求めて旅したので、行く先々感動にあふれていたのだから、それでいいのではないでしょうか。

私はグルメなわけではないようですね。三ツ星の定義は、そのレストランが旅の目的になるというものですが、食によって目的地を決めたことは一度もありません。
飲んで食って寝ることぐらいしか楽しみがないので、どうせなら美味いものでも喰おうかぐらいの感覚なのかもしれません。
真夏でも肌寒いウィーンで野宿した思い出やユダヤ人建築家フンデルトバッサーの斬新な建物を訪れたりできたことのほうが大きな意味を持ってます。

パリのラフェルメサンシモンが、地下鉄バックサンジェルマン駅が最寄りですかね、私の人生で最高のレストランです。たぶん、生涯変わらないはずです。
マージナルに臨界を超えることはない下山の途中なんだろうと感じています。
