満ち足ることの影だにない虚しさは、私の心をいつも洗ってくれるのだ。


私は昔から、幸福を疑い、その小ささを悲しみながら、あこがれる心をどうすることもできなかった。私はようやく幸福と手を切ることができたような気がしたのである。


                              坂口安吾著  「私は海を抱きしめていたい」





性懲りも無くまた

再読してしまった💦




不感症で満ち足りることを知らず

淫蕩で浮気性の女と生活を共にする

『私』(主人公)は女にたずねる


【肉体だけの繋がりは虚しくないか?】と


元娼婦だった女は精神的な関係など

望まないし

満たされたいとも思わない…という


女は果物が好きだった

何時も季節の果物を食卓に置き

口にしていたが

非常にあっさりとした

食べ方だった


満ちることを知らず 望まない女の肉体に

『私』は安心し満たされ懐かしい故郷をおもった


慌ただしく

時に悩ましい日々があり

不幸せを嘆くことはあっても

なんとかやり過ごしながら過ごせていることは

幸せなこと




肉慾すらも孤独でありうることを見出した私は、もうこれからは、幸福を探す必要はなかった。私は甘んじて、不幸を探しもとめればよかった。


「ようやく幸福と手を切ることができたような気がした」

                        / 本文から



目からウロコだった恋の矢




誰もが幸せになりたいと願いながら

生きているのに。。。


真逆から力強く責められるので

腐りはじめた脳みそを🔄回転させなければならない💦




いつもそう



何度も読んでいるのに

再読する度

読み落としていたのか?

と思わせられる箇所が

現れる

記憶障害🤔か?と愕然とさせられながら

強い磁力に引っ張られ

また新鮮な気持ちで読み返す


性懲りも無く…