『果物の木の在所』
長いあいだ敬遠していた作家
太宰治 の短編小説『故郷 』を読んだ
太宰治が親しくしていた作家仲間のなかで
一番優しかったひと
そのひとは
いつも笑顔を絶やさずに付き合ってくれた
津村信夫 という作家だけだったということが書かれていた
名前も知らなかった
この作家の本を読んでみたくなった私は
『果物の木の在所』という短編を
読んだ
太宰治がいう通り
文面から
優しい人柄が感じられ
優しい気持ちに誘われていくような…
そんな感じを覚えながら読んだ
信州地方の善光寺平に植えられている果物の木には
杏 、李(スモモ) 、林檎 、梅 、 桜桃 などがあり
毎年5月頃になると可憐な花が匂うように咲くという
その中でも
杏の木は
美しい花を咲かせるだけではなく
咳止めなどの薬効があることに目をつけた
殿様が善光寺平周辺に植えることを奨励した為
小さな村に杏の木が三万本も育ち
美しい杏の林の中には観音様の御堂があって
その観音堂のお祭は今でも
杏祭りとして毎年春になると執り行われている
小さな村に何故 こんなにも沢山の
杏の木が植えられたのかということが
後世にわたり伝説となって受け継がれていること
作者はその伝説のことを
杏の美しい木の在所といい
家族が炬燵などでくつろぎながら
語り継がれていることを
美しいことだと語っています
スモモは甘くて食べやすいが 杏は酸っぱい[>.<*.*]
先日八百屋さんで見つけた
一気に3個も食べてしまった💦
ひと口齧ると
桃の実に似た
ピンク色の果肉があらわれた
甘くてみずみずしくて
とても美味
林檎の木のなかで
紅玉が一番好き🩷だという作者
そのことが
嬉しくて凄く親しみを感じた
善光寺平の産物の
栗蜜(くりみつ)という林檎も
栗の味がして
とても美味しいという🌰🍎
栗の味がする林檎って
どんな味なんだろ?
桜の木の桜桃といわれるサクランボ🍒の実に
太宰治の小説『桜桃』を思う
津村信夫は何も思わずに書いたのかもしれないが
早世してしまった二人の不思議な繋がりを思った
太宰治は1948年に亡くなってしまったけれど
1944年初版の(作者はこの年に病死)
大好きだった作家の
この本を読んでいた、と私は思う
子供たちにサクランボ🍒´-を食べさせていた
家ではいつも愉快だった父
太宰治
私も
この優しかった作家のことを
この本を読んで好きになった

そして
この作家のことをいちばんすきだった
太宰治のことを
もう敬遠しないでおこうと思った
著書はほんの数冊しか残されておらず
早世されてしまったことが悔やまれる


