パラレルワールド「木々の精、谷の精」を

性懲りも無く再再読


尖鋭的でなく

優しい文章だった


ずるずる惹かれ


弥勒像に惹かれる青年の

心情が手に取るように伝わり

これまで

作者に対して抱いていた印象が大きく変わった


一昨年の夏以来

また

性懲りも無く

美しい毒の匂いに誘われ

ずるずる入り込んでしまった

(七北数人氏の解説どうり)

足元に穴が空き

カツラコが身を投げた

沼に溺れてしまった



今回4度目にして

見えなかったものが

浮かびあがってきた


何度読んでも悩ませられている

もうひとつの幻想的掌編


「夜長姫と耳男」に


風穴を空けてくれた




蝉の時雨る森に

ひとり、

揺蕩う


毒酒に

酔い痺れ

殆ど病気、

の、

我。

ぅぅぅ

☀︎


青年が弥勒像に寄せる想いは

カツラコに寄せる想いでもあり

甘い恋の匂いもした


弥勒の静かな微笑の向こうに

カツラコがみえ

その向こうには

病少年がみえた


蝋人形のように美しい病少年


病少年の悪臭放つ匂い

その膿をカツラコの唇が吸いあげ

飲み込む

そのあと

何事もなかったように微笑む

魔女カツラコ


「可憐な天性の魔女なのである。秘密がこもつてゐるにしても、透明なものを感じさせ、清潔な思ひを人に与へる。」本文から抜粋



ワタシは空想してみた


カツラコと病少年は

溶け合い一体となった

それはまさしく

弥勒の像だった、、、



ワタシはまたあの懐かしい


夜長姫と耳男の世界🌎へ

想いを馳せた



青年が暫く滞在した

木々の精、谷の精が駆け巡る

ブナの木茂る森🌳


美しいブナの木々の精に囲まれた

日々の中で


あれほど美しい少女達に出逢いながら

何も起こらなかった 


虚空に漂う虚無の世界が

そこに在るだけだった